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(株)原町共栄クリーンの偽造株券問題について、本紙では過去5回に渡って報じてきたが(51、52、53、60、63号に掲載)今回はその続報である。 不動産照力によると、単に全株式を買い取っただけでは無く、共栄クリーンという会社そのものを買収したとのこと。 しかし、この買収劇には不可解な点が余りにも多過ぎる。世間様の目は誤魔化せても、この事件を追い続けてきた本紙の目は誤魔化せないのである。 |
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詐欺師中平がニセ株で営業 | ||||||||
平成3年8月19日、福島県原町市に「(株)原町共栄クリーン」が誕生。 それから約5年半後の平成9年3月18日、同社株が中平悦子こと本名=明美に譲渡される。この中平という女は有名な詐欺師で、過去に何度か詐欺での逮捕歴を持つ女だ。 この譲渡に伴い、株式譲渡の承認決議がなされたように取締役会議事録が作成されているが、同会に出席したとされる相葉氏は、当時脳出血による後遺症のため入院中であり、偽造された書類である事は明白だ。 さて、ニセ株を所有しながら真正な100%株主を気取った女詐欺師中平は、同社株の営業に出かける。つまり全株式=会社ごと売り飛ばして大儲けしようと企んだのだ。 しかし、さすがは日本の一流企業。見えない負債が多いこと、債権債務が入り乱れ、権利関係が複雑なこと、暴力団、詐欺師、地面師等、色んな稼業の人間が絡んでいること、後に事件に発展する可能性が高いこと等々、調べれば何でも解かってしまう。 |
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11億円の使途不明金 | ||||||||
平成11年6月10日、このシンシア(当時の社名は高和)と中平の間で共栄クリーンの全株式(200株)の譲渡契約が結ばれた。無論ニセ株である。 その金額はなんと、破格の1億円。一流企業が何十億円という金額を提示していたのに、1億円で売買される筈が無い。 というのも株式公開を目指していたシンシアは野村證券と「アドバイス契約」を結んでいたが、野村がこれを辞退。シンシアは「一方的に野村が主幹事を辞退したことによって上場が困難になり損害を蒙った」として野村を相手取って訴訟を起こしていた。 天下の野村證券を相手に訴訟を起こしたシンシアだったが、図らずも11億円の使途不明金の存在を自ら露呈することとなり、裁判は、シンシアが取り下げるような形で和解に終った。 恐らくシンシアは、以下のような言い訳を用意していたに違いない。 ところが、ここまで筋書きが出来上がっていたにも拘わらず、人生というのは真に筋書き通りには行かないものである。 |
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歳末特価?3,000万円! | ||||||||
さて、ここでようやく不動産『照力』の登場だ。照力は、シンシア所有の共栄クリーン全株式を、平成13年12月27日に買い取っている。 シンシア中西社長が、あれだけ苦労して手に入れた株券を、しかも十数億円ものカネを注ぎ込んだにも拘わらず、僅か3,000万円で簡単に手放すだろうか。常識では考えられない。 ところで、共栄クリーンが建設を目指している原町の産廃処理施設は、現在工事がストップしている。 この工事は建設大手の鹿島が行っていたのだが、総工費1,000億円といわれる大規模な工事も、3億円ほど受け取った時点で、前記のように頓挫した。実はこれに纏わる裏話がある。 最近、業界内では「鹿島はNECとシンシアを相手取って、工事がストップしたことに対する訴訟を起こそうとしているのでは?」との憶測まで飛び交っているという。 |
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ニセ役員からニセ株を買った照力 | ||||||||
また訴訟といえば、共栄クリーンの真正な100株の持ち主である相葉氏は、共栄クリーンを相手取り、相葉氏の株主権確認と、株主総会決議不存在(相葉氏の欠席)を確認する訴訟を提起していた。
―言うまでも無いが、原告とは相葉氏のこと、被告会社とは共栄クリーンのことである。 そもそも総工費1,000億円の工事を進めるだけの資金が照力にあるのか。 やはり、どう考えても戸田市の不動産業者「照力」あたりが請け負えるレベルの仕事では無いのである。 |
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サルでもわかる数々の矛盾点 | ||||||||
照力によると「@相葉氏との訴訟の件A原町の地元住民による反対」の2点については知っていたが、それ以外の詳細については、本紙の指摘(取材)を受けて初めて知ったとのこと。 しかし考えてもみて頂きたい。素性の知れぬ会社の全株式を、30万円ならまだしも、3,000万円も注ぎ込んで買い取るなんてあり得るだろうか。 ましてや、単なる株の買い取りではない。全株式を含め会社を丸ごと買収し、自分達で経営して行こうという人が、暮れの時期だからといって調べもせずに買収するだろうか…。どう考えても不自然な話だ。 それ以前に、今年4月の一審敗訴の時点で、何故シンシアにクレームをつけなかったのか。 ともかく一審敗訴の時点で、照力はニセ株を3,000万円で売りつけられたことになる。 そこから導き出される仮説は『シンシア中西社長のダミー』である。 ほとぼりが冷めた頃、シンシアが例えば3,000万円の倍額で買い戻すのか、或いはそれ以外の(シンシアの息の掛かった)企業が3,000万円に幾らか乗っけて引き取るという算段かもしれない。 そもそも、シンシアが所有していた共栄クリーン株の譲渡先は、なぜ照力になったのか。この二者にはどんな接点があったのだろうか。 |
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中西雄三 絶体絶命 | ||||||||
さて、このO弁護士の紹介で、シンシア所有の共栄クリーン株を入手した照力だったが、せっかく手に入れた株をHやTといった人物(ブローカー?)が売り歩いている、と専らの噂なのである。 あれえ?確か照力は本紙の取材に対し「売る気は全く無い。飽くまでも我々照力の手で共栄クリーンを運営して行く」と答えていたけど、あれは嘘だったの? ともかく相葉氏との株の訴訟で一審敗訴を喫した照力(被告は共栄クリーン)だが、控訴でいくら時間を稼いでも、いつかは答えが出る(因みに次回の裁判は12月6日)。 そうですよね照力さん。公言した通り、どんなことがあっても共栄クリーン株は絶対に売らないで下さいね。そして1,000億円以上ものカネを拠出して、産廃処理施設の運営、頑張って下さいね。約束ですよ! ところで、下の記事(今月4日付け朝日新聞)をご覧頂きたい。 シンシアの中西社長は当初、支払いの事実そのものを「知らない」とトボケていたが、親玉であるNECがコメントした途端に、もはや言い逃れは出来ないと思ったのかその事実を認めている。 |
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