観客の誘導方法に問題は無かったか | |||
埼玉のおばさんが千葉・舞浜のネズミの巣でネズミに噛みつかれた。 我々は義憤に燃えてネズミに抗議した。ところがネズミは巣穴から顔も出さずに、隠れてチューチューいうばかりで埒があかない。 しかしこちらは、ネズミやネコよりも知恵の回る人間だ。今後は、ネズミの管理不行き届き(そして舐めた態度)を、ご主人様(京成グループ、みずほグループ)に告げ口して、毒ダンゴの罰を与えてもらうことにする。年末ごほうびのチーズはないものと思え!と我々は勇んでいる。 ことの顛末は次のとおりだ。 午後5時頃、Tさん達は楽しみにしていた最後のアトラクションを見ようと、みんなで劇場入口のほぼ最前列あたりに並んで開場を待っていた。 悲鳴があがった。うずくまるTさんのまわりだけ空間ができた。Tさんは起き上がれない。それもそのはずで、Tさんはすごい圧力とともに観客席に叩きつけられ、肋骨が2本折れてしまったのだ。 「骨は折れるほど強くなる」というのは、格闘技界の話である。空手家でもなければスポーツ選手でもない、か弱い女性が、肋骨2本を折る大怪我を負ったのだ。骨だって弱くなっていただろう。 よくある事なら、何で再発防止策を講じないのか。ネズミーランド、いや、ディズニーランドは、このアトラクションにおける怪我が多いことを知りつつ、足元の誘導灯を増やすとか、誘導する係員を増員するとか、観客の誘導方法を根本的に考え直すとか、そういった対策を敢えて(例えばお金がもったいないとか面倒だ、などの身勝手な理由で)講じなかったのか。 |
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責任が無いといいつつ5万円(どっちよ?) |
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ともかく、駆けつけたスタッフたちによってTさんは近くの病院に運ばれた。 この怪我をした当日の治療費はディズニー側が支払った。あれだけ証人に見られた手前、今日のところは厄介ばらいの必要経費だ、と割り切ったのかもしれない。取りあえずその日は親切そうな対応をして、Tさんを見送った。 翌日、Tさんは、こみ上げてくる激痛に耐え切れず地元の病院へ行った。その場で「安静入院」となり、42日間入院した。 長い入院生活後、仕事もできず治療費はかさむで、打ちひしがれていたTさんは当然のこととして、治療費・休業補償の「保険」による支払請求のため、自分を病院に連れて行った「親切な」担当者に連絡をとった。 結果は1枚の通知だけだった。 「当方に一切の責任はございません」 しばらくすると、その上の中堅幹部から電話があった。 「見舞金5万円でいかがでしょう?」だと。 おいおい、5万円て、いったい何処から弾き出された数字だ?と思われる方も多いであろう。 |
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ネズミ駆除のご相談は本紙までご一報を! | |||
Tさんは、ゴロツキでもなければ会社に因縁つけているわけでもない。ただ単に、自分がこうむった被害額だけを、当然のこととして支払ってくれといっているだけなのだ。 支払わないのは、払えば過失を認めたことになる、という上からのお達しによるものだろう。しかし、何も払わないと心証が悪いということで「見舞金」。 見舞金は、お見舞いに来て手渡すものだろう! Tさんも、これは腹に据えかねた。 社長ってひょっとして、最近「東京ディズニーランド20周年で夢を売る企業の戦略と苦労話うんぬん」の書籍を出版したばっかりの浮かれた御人のことだろうか? しかし、実際にディズニーが取った対応は、あたかもそれらのノウハウやマニュアルが、社に存在するが如き愚行であった。 即座に電話を掛けた本人に確認を取ったところ「そのような事は一言も申し上げておりません。おそらくTさんが勘違いなさったのでしょう。私の表現に、舌足らずな部分があったのかも知れません」とのことだった。 どちらが真実か判然としないが、お客様に「夢」を売るエンターテインメントを生業にしている人間が事故の被害者に誤解を与えたという時点で、既に「夢」を台無しにしている、と言えるのではなかろうか。 同じように「事故」に遭って怪我をして、その後のディズニー側の心無い対応に心を傷つけられた人も少なくないはずだ。 |
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