「真正なる株券」との主張が却下されると、今度は別の株券を「やっぱりこれが本物」とは笑止千万

“口約”どおり、総工費1000億円の工事を早く進めてくださ〜い!

 産業廃棄物処理業者『(株)原町共栄クリーン』の買収に三十数億も投じておきながら、たった3,000万円でその全株券を付けて会社ごと売却した、産廃業者『シンシア』の太っ腹に驚いてからもう2年が経過した。その後を追跡調査してみた。

 原町共栄クリーンは事件物ではあったが、上手に整理できれば魅力ある物件だった。シンシアの中西社長は三十数億円の金を投じてこの物件を手に入れた。までは良かったが、本紙に嗅ぎ付けられ、懇切丁寧に何度も何度も「シンシアが主張している株券はニセ物であり、いくら増資してもニセ物はニセ物である」と公表され、裁判でもことごとく敗退したのである。

 ところが、一審で敗訴して控訴途中、惜しげもなくというか潔くというか、原町共栄クリーンを会社ごと株券も土地も許認可も全て含めてたった3,000万円で売却してしまったのである。中西社長が自社で出した金なら、これだけの物件を手放す訳がない。あれだけ入り組んだ裏人脈を全て整理した訳だから、もったいなさすぎる筈である。

 ところが、金主がNECである上、自社の使途不明金が裁判でボロボロ出てきた。今からでもこの件は刑事事件に発展する可能性はある。しかも我々が主張するようにニセ株を本物と主張して、もし負けたらシンシアはともかくNECにとっては莫大なイメージダウンになろう。恐らくNECの強い意向もあって、シンシアは原町共栄クリーンを手放さざるを得なくなったのだろう。そう解釈するしか、他に理解する方法がない。

 そこで売却先として選ばれたのが、埼玉県戸田市の『照力』(現・パンダハウス)という不動産屋だ。偶然にも本紙と同じ戸田市だが、まァ評判の悪いこと。市ヶ谷一族の「金の為なら何でもアリ」は有名で、イメージを変えようと照力からパンダハウスに会社名を変えてはいるが、やってることの悪戯さは昔と全く変わらないらしい。

 その証拠に、こんな事件物、普通の真面目な不動産屋なら手は出さない。況してや一審で負けてて泥を被るのは必定である。

 ところが、である。

 「訴訟相手方=相葉氏が持っている、全体の50%にあたるとされる株券はニセ物で、本物の株券は100%分、自分達が持っている」と主張していたシンシアの訴訟を引き継いだ照力は、その後高裁、最高裁と争って敗訴し、今度は、以前までニセ物と言っていた別の株券(相葉氏が持っている株と同類の株券)の「残り45%を持っているからまだ権利がある」と言い出した。ど厚かましい男である。これこそがシンシア中西と照力の担保だったのだろう。

 シンシアの中西は相葉氏が病気だったのをいいことに、「会社創設当時作った株券を無効として新規株を作れば全株券を手に入れることができる」と考え、その新規株券を本物として処理しようとした。

 しかし、思いがけずも相手方にも参謀が付き、反撃を受けて敗訴した。

 
 相葉氏の100株が真正である以上 偽造株券の存在は厳然たる事実 しかし捜査当局は何故だか静観

原町共栄クリーン事務所と、策に溺れ気味の策士「シンシア」中西社長

産廃処理場建設予定が頓挫している土地と、中西クンの大親友NEC西垣特別顧問
 当然、相葉氏が本物と主張していた株券と同類の物も隠し持っていた訳だから「万が一今回の裁判で負けても、相手側が本物と主張している株券と同類の株券もここにあるから、半分の権利はある。だから絶対損することはない」と中西に言い含められ、いや、現実には中西の意を受けた弁護士の交渉というから、悪い弁護士がいるもんだ。

 その株券を手放すにあたって照力は、3億だ4億だとほざいているというのだから、さすが煮ても焼いても食えない男だ。

 自分達が本物だ本物だと主張していた株券を100%持っていた人物が、一方でニセ株と主張していた株券の半分を持っているのも不思議なものである。いったい何のためにニセ株を「とっておいた」のだろう。争っている当初から、100%しか存在しない株券を150%持っていたとは、誠に不思議な話である。第三者が持っているのなら分かるが。

 相葉氏は、誰かがニセ株を作ったことは事実なのだから刑事告発すべきだと思う。照力だって株券を150%(150株という意味ではない)受け取る時点でその不自然さはわかる筈。市ヶ谷クン、アナタ程のプロが、言われるまで知らなかった、はないでしょう。

 シンシアの中西社長は、万が一負けた時、「実は本物も持ってるんです」とは言えない。

 それは、@先述したような不自然さを疑われるA今までニセ物と主張していた物を急に「本物を半分持っている」では道義的に世間の笑い者になるBNECに顔向けできないCNECに多大な迷惑が掛かる、等の理由による。

 しかし照力は道義や恥など関係ない。金になればいい、そういう男だ。昔、テレクラでも一山当てたそうだ。一山じゃない、二山も三山も当てたそうだ。テレクラなんて商売は普通の感覚では地元ではできない。世間体があるし恥ずかしいという気持ちがある。しかし、ここの家族にはそんなものは関係ない。

 最近還暦を過ぎて離婚したという風聞が戸田では流れている。川口で愛人と暮らしているらしい。事務所も、本人は戸田公園の五差路から戸田駅に移ったらしいが、カモフラージュに思えてならない。

 原町共栄クリーン社長には、謄本上は娘婿の横山智一氏が就任しているが、こんな汚れ仕事は親爺の市ヶ谷しかできまい。

 もし謄本どおり原町共栄クリーンを横山がやっているのであれば、この男もなかなかのものだ。この一族の跡取りとして汚れを受け継ぐ覚悟ができて来た証しであろう。

 三十数億円が闇に消え、偽造株券まで出てきたのに何で刑事事件にならないのか、不思議な事件だ。
(つづく)

原町共栄クリーン
偽造株事件

  
 産廃処分場運営を目的とした共栄クリーンが相葉氏と狩野氏によって福島県原町市に設立され、初代社長の相葉氏と同設立者の狩野氏が100株ずつ保有し経営を開始。

 同社の営業権等を形に借金を重ねた狩野氏は、偽造株券(200株)を中平明美氏に譲渡。中平氏はその200株を(株)高和(=現・シンシア)に売却(狩野・中平共謀説が有力)。その株券を根拠として高和は役員変更手続きや増資手続きを行い共栄クリーンを経営。

 処分場建設に向けて動き出すも、地元住民の訴えにより建設工事中止の仮処分命令が下され計画は頓挫。買取に実質数十億は掛かったと言われる同社株を、高和は照力に3,000万円で売却してしまう。

 相葉氏が起こした裁判では、相葉氏が100株の株主であること、高和の中西社長による増資手続きや役員就任決議の不存在を認定。従って照力所有の株券の全て、或いは一部は「ニセ株」となる。

 
 
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