銃撃されたのは専務?

 過去12回に亘って本紙で報じた「原町共栄クリーン偽造株事件」であるが、とんでもない事実が発覚した。

 本紙でも再三「なぜ事件化しないのか」と不思議で仕様が無かったが、『実は捜査を担当していた刑事が賄賂を貰って事件を揉み消していた事が判った』ことを先月号で詳しく報じた。

 ところが、先日までニセ株券を根拠に共栄クリーンを経営していた戸田市の不動産屋『照力』(現在は最高裁で負け、原告側に共栄クリーンを返した)の専務が、ピストルで襲撃を受けたらしい。

 偶然にも最近、おもちゃの空気銃を殺傷能力のある銃に改造して発砲するという事件が関西地方その他で多発した為、その事件とごちゃ混ぜに報道され「類似犯罪」のイメージがあったが、どうやらこちらは本物の銃が使われたらしい。当局はその後の続報は出していないが、同業者間の噂は「凄まじく悪名高い照力ならではの事件」との評。

 今回の事件は撃たれた専務自身が狙われた犯行なのか、汚れ物でも平気で首を突っ込む照力(市ヶ谷家)の社長を狙った犯行なのか今のところ分らない。ただ本紙が追いかけている偽造株券事件だけでなく、他にも危ない物件を多数抱えているというのが同業者の話である。

 本紙にも会長の愛人問題で揉めていた等の情報が入ってきているが、本紙としては、ただひたすら原町共栄クリーン偽造株券事件だけを追う事にしている。

 
 さすが照力 実弾だった
まあ、マトモな商売人なら銃撃は受けないワナ
 この偽造株券問題も結局は本紙が最初から一貫して報道してきた通り、照力が主張していた(所持していた)株券は偽物である事を最高裁が認定したのである。

 大体常識で考えてみてもシンシア(旧名高和・中西雄三社長)が20億円近く投資した物件を、まだ一審判決も出ていない段階で、『3,000万円』で売り渡すなんて訳がない。裏に複雑な事情や汚れた理由がなければ有り得ない事である。

 その辺の事情は何度も照力の社長に伝えたが、欲の皮の突張った照力側は素っ呆けて、ただ「自社で最後まで仕上げてやります。どこにも売りません」とほざいていた。結局は泥かぶり役を演じていたに過ぎなかったのかもしれない。それじゃ裏金を相当貰った可能性もあるか。

 シンシアだって自身の金なら中西社長は背任に問われかねないし、そもそも勿体なくて投げ出せるものではない。全額NECから出資だからこそ「実を捨て名を取った」のである。

 
 偽造株事件が銃撃原因か

 もしあのままNEC、或いはシンシアの事件として我々が追っていたなら、NECはとてつもない痛手を食っていた筈である。NECの排出する全ての産廃処理を請け負っていたシンシアが、3億円の街宣料を払い(仲介者の暴力団が半分ピンハネしたそうだが)、こともあろうにNECの関本忠弘相談役(当時)を攻撃させるという荒技をやってのけ、しかもその「全労共」なるエセ左翼団体は本物の株券所持者の相葉政弘氏宅にまで街宣をかけたのであるから、この時点で依頼者のシンシア中西雄三社長は、どちらが偽株でどちらが本物の株であるかを知っていたのではないか、と推測するのが妥当なような気がするのだが…。

 こんな時、一番頼りになるのは当局なのだが、当の当局は門田公孝という知能犯の担当刑事が偽株発行者である狩野勝氏にセッセと情報を流し、なおかつ署内では「複雑なので事件化しないように」と小細工を続け金を受け取っていたというから、本紙が必死で追いかけ事件化に努力していた事が水泡に帰するのも無理からぬ事である。

 
 今後大事件化?その時警察は?

この事件は立派に詐欺や脅迫、贈収賄、脱税等が成立する事件であるが、何故か当局が一切動かなかった事件である。今となっては時効も多々あるが、詐欺等はまだ立件可能である。

 この事件には名だたる暴力団や事件屋が多数出演した事で舞台化すればヒット間違いなし、という事だったのだが、一つだけ大きな欠点があった。

それは、加害者が被害者という点である。カネを出資したのはシンシア(NEC)であり、食われたのもシンシア(NEC)であって、犯罪の当事者もシンシア(NEC)である。シンシア(NEC)は被害届けを出せば、自分が罪を問われる事になりかねないから被害届けを出せない、という複雑な事情がある。

 法治国家であるこの日本で、しかも信用ある一部上場会社のNECを巻き込んで、20億円の金が何処かへ消えてしまい(民事裁判ではハッキリと使途不明金額と、嘘の自白かもしれないがその理由がわかっている)、これを事件化できないという無念さ。

 無念さというより、今回は一人の出来の悪い刑事のせいである。いや、出来の悪い刑事に仕立て上げた悪党共が“立派”というべきかも知れない。

 しかし今回の照力専務に対する発砲事件が、もし原町共栄クリーン偽造株券事件に絡んだ犯行だとするなら、NECやシンシアは元より大井警察署の責任はそんなに軽くない筈である。

 猛省を促したい。
(つづく)

 
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