【ビルメンテナンス業界事件簿】
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殺虫剤効かないしぶとい談合虫 | ||
例えば、日本ビルシステムなら山下孝幸、オーチューなら朝日徹、オーエンスでは白石秀雄といった具合にだ。 しかし、請負物件の受注単価そのものが低下している現状では、談合一本槍の営業にも限界が見え始めている模様だ。 更に、形振り構っていられない業者による談合破りの横行と、その報復を科す相手業者の逆襲とで、業界には殺伐とした重い空気が漂っている。 現在、業界で幅をきかせている業者の中には、叩き上げの経営者が少なからずいる。其こそ、窓拭き現場から伸し上がって、年商数十億の業績を計上する迄に成り上がった者もいる。 |
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最重要物件すら取り逃がす始末 |
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さて、正にこの様な状況下にあって尚、旧態依然とした路線を突っ走る企業の中で、株式会社信徳(新宿区大久保2-1-8)という、業界では中堅どころの企業がある。 同社の創業(昭和44年)者であり、現在も辣腕を発揮しているのが、山口軍次社長である。 但し、これ程の企業体を形成していながら、2代目予定の副社長には長男=晃を据え、女房=カツ子と次男=克光も役員として名を連ねるといった、前記通りの一族企業を地で行っている。 当代である山口軍次については、押しの強さとリーダーシップを備えた人物評価がされ、その経営手腕には多くの業界人が一目を置く程だ。 その兆候は既に現れ始めてもいる。 |
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日ビ・システム山下君をカット | ||
同社は当該物件を受注する為に、毎年数千万円規模の協力金を用意していたという。競合する指名業者にとっても、山口軍次の既得権を暗黙に了解しており、何より破格の“オリ賃”が魅力であった。 今年も指名に乗った5社(サンエール・シミズオクト他)に談合を持ちかけ、同社営業部長=柳崎正によって各社に現金が散蒔かれたようだが、全ての業者を懐柔することが出来ず、結果、落札するには至らず次点に泣いた。 こうなると、信徳に対して、ある意味敬意を払ってきた業者らも、ここぞとばかりに同社の安定受注物件に触手を伸ばし始めるだろう。差し詰め、来年度の入札では西東京市役所や防衛庁施設、更に社会保険局あたりの受注物件が的になりそうだ。 安定収益も公的施設の受注があってこそで、今年取りこぼした物件に加え、このうち何れか1つでも失うことにでもなれば、同社の財務内容は一気に弱体化する恐れがある。 それでなくとも、同社グループ全体の借入額が8億円にものぼる現状を踏まえれば、来年度の受注結果の内容によっては、メインバンクである三井住友とて協力態勢の見直しを図るだろう。
勿論、被告側の全面敗訴は決定的らしいので、事と次第によっては両者のトラブルに巻き込まれた形の自治体も、入札妨害等で山下を訴える可能性も十分考えられる。 |
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