【ビルメンテナンス業界事件簿】
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旨味消えたらハイ、サヨウナラ |
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東京を営業拠点とするビルメン業者にとっては、昨年は正に受難の年であったに違いない。 これまで、業者主導と言って何ら差し障りのなかった“入札”は、発注者である官公庁や自治体が本格的に入札改革に着手したことで、所謂『談合依存業者』等は、入札による“旨味”を失いつつあるのだ。 更に、発注者が業者と距離を置き始めたことで両者の馴れ合い的バランスが崩壊し、それ迄の“膿”が一気に噴き出す事となり、入札改革に伴う痛みは業者のみならず発注者にも波及するに至った。 業者間談合は言うに及ばず、業者の直接窓口となる契約担当職員との癒着は、これ迄も頻繁に表沙汰になっていた。 日本ビルシステム(事件後社名変更)の的場元社長や国立病院職員、そして目黒区役所職員が贈収賄で検挙された件などは、官業癒着の最たる事例といえる。 また、昨年はその流れの中で、荒川区の現職区長が同様の犯罪で逮捕(未だに容疑を否認)されたが、自治体の首長が逮捕に至るケースは希なことであり、この事例からも捜査当局の本気度が窺い知れた。首長までもが業者によって懐柔されていた実態に些か驚かされたが、これらが“氷山の一角”であることは間違いない。今後とも当局の働きには大いに期待したい。 さて、発注者が自ら血を流してでもやり遂げねばならぬ入札改革だが、その流れを作ったのも、本紙の長きに亘る活動が実を結んだ結果と自負している。 しかし、この変革の時期に於いて真っ先に襟を正すべき業者側には、私心を捨ててでも改革に臨むといった姿勢は、依然として見えてこない。 加えて、業界の健全化を率先して図るべき立場の社団法人『東京ビルメンテナンス協会』に至っては、何の指導力も示せずにいるばかりか、同協会の理事改選が行われる今年、現職の四割にあたる理事がその職責から退くことを表明する騒ぎまで引き起こしている。 談合が旺盛であった時期には協会理事の立場が大いに役立ったのであろう。しかし、その効力が薄れ逆に重荷になると判断するや、業界全体を慮るより先ずは「自分が大事」とばかりにまるで沈み行く泥船から我先にと逃げ出すが如く、自らに課せられた責任までも放棄している。 現在の同協会は、政・官をも巻き込んだ末に、現職理事の逮捕といった汚点迄も残してしまった以上、今後の業界の在り方を真剣に検討せねばならない極めて重要な局面にある。にも関らず、現職理事の半数近くが欠けるのであれば、全くの新体制で出直さねばならず、当分その責務を果たせないことは火をみるよりも明らかだ。 協会理事の立場を利用し散々甘い汁を吸い上げた挙げ句、トットと逃げ出した無責任理事は、片野くんと山田くん含む写真の10名である。 |
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