品無し、良識無し、見識無しの一戸氏(興和ビルメンテナンス)では、会員600社(一戸会長になってから約50社退会)の東京ビルメンテナンス協会(以下東京協会)の会長はまず無理だろうと本紙で指摘してきた。図らずもこのことが、全国から多数の代議員が集まった全国ビルメンテナンス協会(以下全国協会)の総会で露呈した。

 一方、東京協会会員にとって、胸のすく発言を堂々と行って満場を唸らせた前東京協会会長の岩田氏(アネシス)は、一戸現会長との格の違いを総会参加者や報道関係に改めて見せつけた。

 それにつけても不幸なのは、無能な会長を戴いている東京協会の会員である。

 

 
一戸東京協会長
 全国協会の第41回通常総会が7月27日、28日の2日間、ホテルラングッド(西日暮里)で開催された。

 景気の低迷、過当競争、指定管理者等々、ビルメン業界が疲弊感、焦燥感で混沌としている。況してや需要基盤が東京より小さい地方は、より現実的な対応を早急に全国組織である全協執行部に期待する。

 ところが、地方協会の逼迫した状況を全国協会執行部は、「東京に対する妬みだ」(一戸談、東京協会会長=全国協会副会長)という程度の認識しかない。結果として東京と地方の確執が生じてきている。こういう状況下での総会である。

 会長に狩野氏(太平ビルサービス)、副会長に一戸氏を出している東京協会の代議員は、勿論全国協会執行部擁護の立場を取らざるを得ない。

 総会2日目、東京協会として予期していた一般質問がでた。内容は、「全国協会が入居している東京協会所有のビルメンテナンス会館周辺の賃貸料相場はどのくらいなのか。また、更新するのか」というものであった。

 この質問の趣旨は『東京協会に家賃の値下げ交渉をしろ』『要求が叶わなければ移転も考慮に入れるべきだ』ということである。

 東京協会の何となくの流れは、――全国協会運営を大局的に判断すれば多少の値下げ要求に応じざるを得ない。しかし今後の交渉の駆け引きのためにもやんわりとした反論は総会でしておくべきだ――ということであった。

 この意に沿って、濱田氏(明和産業)が東京代議員団の代表で意見を述べた。 ところが、これで総会が終了かと思いきや、毅然と発言に立ち上がったのが、岩田氏である。

 「会館は、本来ならば全国協会が建設するところであったが、当時の全国協会に資金的余裕がなかったため、それではということで東京協会が建設したという経緯がある。ビルメンテナンス会館の玄関にあるプレート表示が、東京ビルメンテナンス協会より全国ビルメンテナンス協会の方が上に表示してあるのは、何よりの物証である。つまり、東京協会は収益を考えて建設した訳ではない」

 「会館建設資金は当時の会長、副会長が保証人になり銀行から借り入れた。また東京協会会員は800万から30万円を会館建設資金として預けている。当然、昨今の情勢を勘案しての会費の見直しにも手を着けられないでいる」

 「全国協会の約3,000社に1社当り100万円づつ出してくれとは言わないが、建設当時とは違って、現在は全国協会の財政が潤沢で、東京協会が困窮の折、何らかの救いの手を考えてもらいたい。親が困っているときに子が助けた。子が困っているときに親が助ける。これが道理ではないのか。家賃の値下げなどとんでもない」

 東京協会の代議員席からだけでなく、どこからともなく拍手が沸き起こり、会場全体「良く分かった!」という声とともに、拍手の渦に包まれた。

 それにしても問題なのは一戸東京協会会長である。

 岩田氏の「東京協会会員にこれ以上の負担を掛けさせるわけにはいかない」という鬼気迫る発言を「狩野会長の立場もあるから、発言を控えめにしてよ」と抑えようとしたことである。会議中の居眠りは何時もの事だから、さしてとやかく言うつもりはないが、たった一回の発言で満場を納得させる岩田氏と白川夜船の一戸氏ではあまりにも格が違う。

 狩野全協会長のためなら東京協会会員のことなど如何でも良いかのような一戸会長には辞任してもらうほかないようである。

【ビルメンテナンス業界専従取材班】
※“番外編”として日進産業(幡野伸明社長)を取材する予定だったが、本シリーズを汚したくないという事で自重した。ただ、今後も脅し、強請りに関する投書が続くようなら、この限りではない。
〔以下次号〕

 
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