先物取引業界大手東ゼネが崩壊寸前
飯田社長、アンタが潰れるのは一向に構わないけど、省庁、銀行、先物業界にあんまり迷惑かけないでね!

 先物業界大手=東京ゼネラル(以下『東ゼネ』港区虎ノ門4-3-1城山ヒルズ・飯田克巳社長)が危ない。崩壊寸前である。何故なら同社は本年1月上旬、7,000万円もの不渡りを発生させたからだ。
 一般的には、企業が不渡りを出すと「事実上倒産」と呼ばれる。会社そのものは倒産していなくとも、手形決済を銀行が扱ってくれなくなったら、実質的には倒産したも「同然」だからである。取り分け先物取引では莫大なカネが動くが、先物業者がその取引を全て現金で行う事は事実上不可能に近い。
 従って崩壊寸前と言って差し支えあるまい。

 そんな状況下にあるにも拘わらず、東ゼネはその不渡りを出した直後、自社が運営するホームページ上に「弊社(東ゼネ)のメインバンクである大和銀行が弊社を支援してくれるので何も問題は無い」旨の内容を掲載し、どういう訳かたったの1日でその文言を自ら削除している。
 これは恐らく、大和銀行あたりから「事実に反する内容をインターネット上で吹聴するな」とお叱りを受けての対応であろうと推測される。

 1月15日、東ゼネがホームページ上で吹聴した内容と同様のニュースが、日本経済新聞と日刊工業新聞で報じられた。不審に思った本紙が問い合わせてみると、ニッケイも日刊工業も自社で大和銀行に直接取材を行ったのではなく、飽くまで東ゼネのホームページを基に報じた事を認めた。

 一民間企業による保身の為の『嘘』が、結果的に大手新聞社の誤報を招いた形となった。
 併せて本紙は、東ゼネのメインバンクである東京大手町の大和銀行にも取材を行った。大和銀行は本年3月1日を以ってあさひ銀行と合併し「りそな銀行」になることが決まっており、りそなの広報部が責任を持って答えるというので聞いてみた。

 
 メインバンク、監督官庁も東ゼネの嘘に不快感あらわ
労働組合が組合員の権益を損ねてどうする!?
(全電通労働会館)
 りそな広報部によると、「日経新聞と日刊工業新聞に掲載された内容は現実と著しく懸け離れており、当行が同社を支援するなどという話は全くの事実無根」とのこと。

 更に東ゼネは、デタラメな内容をホームページに掲載した言い訳として、大和銀行に対し「監督官庁は、ウチが先物業界最大手の会社だから、倒産させると周りに弊害をもたらすので倒産させないと言っている。だからテッキリ大和銀行が支援してくれるものとばかり思っていた」などと説明したそうだ。

 東ゼネ飯田社長も何をトチ狂ったのか知らんが、動物であれ人間であれ、生き物は追い込まれると何をやらかすか分からない、という典型例である。それにしても全く言い訳になっていないところが笑えるが…。

 さて、それならば本当に監督官庁がそんなことを言ったのか、ということで本紙が取材したところ「そんなこと一言も言った覚えはありません」と監督官庁の担当官も、東ゼネのあまりの身勝手さに憤りを禁じ得ないといったご様子であった。
 1人の『嘘』がこれだけ多くの方々に迷惑を掛けるのである。それにも拘わらず飯田社長は馬鹿東ゼネ、じゃなくって馬耳東風だから、何だかこちらが気の毒になってしまう。

 思い起こせば東ゼネが本紙に初登場したのは、今から1年以上前の平成13年11月のことであった。
 情報産業労働組合連合会(以下『労連』=千代田区神田駿河台3-6全電通労働会館5階・津田淳二郎委員長)の組合員が積み立てた年金共済保険料のうち、約6,000人分の保険料にあたる300億円を先物取引で焦げ付かせた会社として、その背景にある黒い疑惑の数々を報じた。

 実際には、労連が東ゼネに直接取引を頼んだものではなく、労連が共済事業を委託している関連団体=電通共済生協の元理事長(当時)の判断だったが、それを誘ったのは東邦生命の元取締役=平畑眞一だった。

 当時、労連は1,295億円の保険料を東邦生命(平成12年6月に経営破綻、GEエジソン生命に事業譲渡)に預けていたが、運用実績が伸び悩んでいたために、無断解約→先物取引で運用といった愚行に走り、結果的に85億円の運用益は得たものの、肝心の元本=300億円が返ってこなかったためこの問題が表面化。平成12年暮れに読売新聞紙上でも報じられた。

 当時、平畑が持ちかけたこの話は、5年間で90億円の運用益を上げるという触れ込みだった。
 労連と東邦生命が交わした覚書には300億円(分の保険料)を一旦解約して5年間運用し、運用期限が来たら再び元に戻すという内容が謳われていた。

 一方、東邦生命は無断解約した保険加入者に、従来通りの積立金残高を通知しながら年金の支払いも続けた。加入者達は、まさか自分の保険が知らぬ間に解約され、先物取引なんぞにつぎ込まれていたなどとは夢にも思わなかっただろう。

 5年の月日が流れ、終わってみれば総額85億円の運用益こそ得たものの、大事な300億円という元本が焦げ付いてしまった。
 労連は約束どおり、300億円を東邦生命に返金しなくてはならない。そうしなければ、無断で解約した組合員6,000人分の保険料がゼロになってしまう。
 そこで労連は身内であるNTT労組に泣き付き、東京労働金庫にストライキ資金を担保として差し出して245億円の融資を受け、東邦生命に返金した。このスト資金は、組合員がストライキに入った際、その間カットされる組合員の給与を補償するためのものだ。この事は、当然ながら極秘裏に行われた。

 
 東京ゼネラル飯田克巳社長、本日も反省の色まるで無し

 一説では、この300億円の運用で東ゼネが得た手数料は122億円と言われている。労連は、自分達が300億円の損失を抱え込んだにも拘わらず、その取り引きを行った東ゼネだけが122億円もの暴利を得ている事実に不条理を感じないのだろうか。最終的には労働組合員が損をし、東ゼネだけが得をしたのだ。

 また、労連はガソリンや大豆やゴム等の値段を毎日チェックしながら「何々をいくら買い」とか「売り」などと、東ゼネに指示して先物取引を行った訳ではない。東ゼネに300億円を預託した、つまり取り引きの一切を“任せた”訳だから『一任勘定』である。無論、このような行為は禁じられている。
 通常、こういった違法性のある取り引きに監督官庁(経産省・農水省など)が許可を下す事はあり得ないが、実際に取り引きが行われたという事は許可が下りたという事だ。
 では何故許可が下りたのか?

 それらと時期を同じくして東ゼネは、元大蔵省主計局次長=中島義雄の借名講座に3,000万円を振り込み、これが発覚して世間を騒がせたことがあった。つまり、ここで便宜を図ったのが東ゼネ飯田社長とベッタリの、中島だった可能性が高い。

 現在では労連の関係者もまるで諦めたかのように、騙し取られたカネを細々と回収している。
 罪の無い組合員達がコツコツ貯めた保険料を300億円も食い逃げされたんだから、本来ならばもっと毅然と臨むべきなのだが、ヘタに裁判でも起こして東ゼネに倒産されては元も子もないということで半ば他人事のご様子である。

 私利私欲しか頭に無い東ゼネ飯田社長は、これだけ多くの疑惑と倒産するだけの材料を抱え、そして広範囲に害毒を撒き散らしていることを未だに認識していないのだろうか?まあ、いまさら気付かれてももう遅いのだが…。
 ところで飯田社長、御社が関連団体に支払うべき会費等の諸費用=約3億円が滞っているけど大丈夫?
 そういえばアイコムも、関連団体への諸費用が支払えずに昨年11月に倒産したけど……。やっぱり何を言っても馬鹿東ゼネ(あ、また間違った)じゃなくって馬耳東風かな。
〔つづく〕

 
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