男性心理
この門をくぐると、ローンという名の借金地獄が待っている…かも。(靖国通り沿い「オズクラブ」)
 「もしもし、○○さんですか?初めまして、私ABC企画の×川△美と申します。いま新宿で説明会をやってるんですけど…良かったら、こちらへいらっしゃいませんか?」
――読者諸氏のもとへ、突然若い女性からこんな電話が掛かってきたらどう思うだろうか。
 「怪しい、何かウラがある筈だ」と疑ってかかる人は極めて冷静な人か、若しくは年齢に伴なったそれなりの経験を積んで来た方に違いない。ならば、仮に読者諸氏が20歳そこそこの男性で、彼女も居ない、淋しい1人暮らしの地方出身者だったとしたらどうか?
 ここでもう少し電話の女性と話してみる気にはならないか?更に電話の女性はこう誘い続ける…。
 「もう、イヤだ○○さんたらー、勧誘なんかじゃありませんヨー。ちゃんと○○さんの当選したプレゼントも△美が保管してるんですよー。今だったらノート型パソコンをプレゼントできるけど、来週になったらもう他の人にプレゼントする事になっちゃうかも。
(中略)電話でお話して、これだけ気が合う人はなかなか居ないと思いません?
ねェ、○○さんって結構モテるでしょう。だって話してて楽しいもん…せっかく仲良くなれたし、○○さんに会って見たいなぁ」
 ここまで話してもキッパリと断る事が出来る20歳の男性は、はっきり言ってエライ!しかし男ならば誰しも少し位は下心があるもの…。仮に翌日、例の△美と会う約束をしてしまったとしよう。

 果たして翌日の約束の時間に、新宿駅近くの待ち合わせ場所に現れた△美が、モデル並みの美人とまではいかなくとも、一般的に、かなりカワイイ女性だったらどうか?ここまで来たからには「話だけ」でも聞きに、取り敢えずついて行くだろう。
 綺麗な受付嬢を横目に店舗内に足を踏み入れ、先ずはドリンクのサービス。程なくして、奥の方から何やら分厚いアルバムを持って△美が現れる。
 「この人誰だか分かります?」
 △美が指差す写真の人物は、一見すると仕事の出来るヤングエグゼクティヴ、凛々しい青年実業家といった感じだ。
 「この人がウチの社長なんです。有名人との交流もかなり深いんですよ」とアルバムをめくる△美。
 よく見ると、社長と一緒に写っているのは芸能界や政財界の大物、有名スポーツ選手など、テレビで毎日のように御目に掛かる超有名人だらけ。しばしの間、△美による社長のサクセスストーリーに耳を傾ける。

 さあ、ここからが本番である。ここから先はその会社によって異なるが、大抵が会員権、貴金属、絵画、パソコン関連商品、英会話教材などの販売(勧誘)へと移行するのである。いわゆるアポイントメントセールス(電話勧誘商法)である。
 この時点で「要りませんので帰ります!」と断ってしまえば良いのだが、そんな勇気があれば初めから電話があった時点でとっくに断っている。その勇気がないからこそ、ズルズルと店舗にまで足を運んでしまうのである。
 はっきり申し上げて、どの商品も二束三文、中には原価の10倍以上で商品を売りつける悪徳業者もあるという。価格は50万円位から300万円位まで様々であるが、なかでも100〜150万円位が最多価格帯と言われている。
 以上、これまでに述べた内容は、このような悪徳業者の勧誘の典型例をまとめたものであるが、その中で最も被害者が多く(悪い意味で)注目されているのが『株式会社ブイアイピー』と『株式会社サンミッシェル南青山』である。両社の社長を務めるのは山本和憲という男で、情報通氏の話によると、学生時代から友達も少なく目立たない存在だったという。
 以下この2社に焦点を絞って話を続けよう。
当紙街宣部による抗議街宣。普段は110番される側(?)の彼らも、この時ばかりは慌てて110番
 市価の36倍
中央区湊2丁目のサンミッシェル南青山本社。
先ずV・I・Pの方であるが、こちらは「OZ(オズ)クラブ」という会員権の販売を行なっている。新宿は靖国通り沿い、花園神社の参道に隣接するビルに店舗を構えており(上の写真)夜にはこの看板が青やら赤やらド派手に点滅するので、一度位は見掛けた方も居る事だろう。
 商品である会員権は、VIPと提携している各地のホテル、フィットネスクラブ、飲食店等の割引が適用されるというもので、約80万円(実際にはロ―ンを組むので100万円以上)もするような代物である。
 その他の諸費用を踏まえて考えると、年間に何十回もホテルに宿泊し、何百回もフィットネスクラブに通わなければ減価償却できない計算だ。

 確かに、コンビニで買ったオニギリの賞味期限をうっかり忘れて腐らせてしまったら減価償却できなかった事になるし、3,000円の焼肉食べ放題の店で減価償却できている客が果たして何割程度いるのかというと、その様なお店の肉の原価はベラボウに安いので首を傾げざるを得ない。
 しかし、120円のオニギリや3,000円の焼肉食べ放題とは訳が違う。奴らが販売している商品は100万円を超える高額な商品である。当然の事ながら、利用条件によって得をする場合もあれば損をする場合もあることを、充分に説明する義務があるのではないか。
 ここで当紙が申し上げている義務とは、何も法的義務に限った話ではない。公的側面を持つ企業として消費者とのトラブルを未然に防ぐ為の最低限の説明は、マトモな企業であれば当然行なうべき行為ではないのか、という常識的観点からの「義務」である。
「法に触れなければ何をやっても良い」だとか「法的義務がないからやらなくて良い」というロジックこそが悪徳業者の悪徳業者たる所以なのである。

 さて、一方のサンミッシェル南青山であるが、こちらは宝石を扱っている会社だ。やはりVIPと同様、電話による勧誘が主な営業手段だ。
 昨年、某週刊誌でも暴露された内容であるが、例えば「友達にサンミッシェルを紹介するモニターになってくれたら、このブルートパーズをプレゼントしてあげる。ほら、キレイでしょう、5万円以上もするんだから」と言って半ば強引に受け取らせるらしいが、ナントこの商品、同じ大きさのもの(デザインは若干異なる)が『東急ハンズ』では1,375円(税込)で販売されているというのだ。
 更にこの某週刊誌には、加工料込みで170万円、ローン契約の総額250万円のダイヤモンドの指輪を買う羽目になった若者の被害例も掲載されていた。

 被害者の中にはクーリングオフ(契約の解除)を申し出て難を逃れたケースもあるが、殆どの若者が何処に相談したらよいのかも分からず泣き寝入りしているのである。
そう、そこがポイントなのだ。奴等悪徳業者が、その法的知識に疎く、社会人としての経験が浅く、尚且つローンが組める年齢=20歳〜25歳をターゲットにしているのはその為なのである。

 当紙は既に山本和憲社長に対し公開質問状を送付したが、回答が寄せられなかったばかりか、弁護士を使って「敬天新聞が恐喝しようとしている」と裁判所に泣き付く始末。詐欺師の典型例である。
 山本和憲よ、当紙が何時恐喝しようとしたのか詳しく説明して戴きたい。
 何故、電話で勧誘する際に「会員権(或いは宝石)販売の勧誘電話です」という内容を消費者に告げずにプレゼント等で誤魔化して呼び出すのか。何故、高額な商品に見合った収入の会社役員等に販売せず、20歳の若者に販売するのか。何故、店舗内に於いて長時間にわたる強引な勧誘を行なうのか。そして都内在住20〜25歳の男性の名簿を何処から入手するのか等々、企業に対して、少なくとも「悪徳企業」との疑いが持たれている企業に対して質問状を送付すると恐喝罪になるのか?
 馬鹿も休み休み言え!当紙社主の過去の逮捕歴を理由に自らの詐欺的行為を正当化しているつもりかも知れんが、重要な事は当紙社主の過去ではなく、貴様ら悪徳業者の卑怯な勧誘・営業方法ではないか!
 話を摩り替えるな、このペテン師が!
 これ以上の被害の拡大を黙って指を咥えて見過ごす訳には行かぬ。貴様らのような悪党は徹底して叩き潰してやる。覚悟しておけ!
【以下次号】
 
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