事業参加の資格餌に
尤もらしい内容の契約書も、仁平にとってはサギの道具に過ぎない
 本紙は毎週水曜日午後5時半から、JR新橋駅前広場にて街頭演説会を行っている。

 ある水曜日のこと、新橋駅前広場で本紙社主の前に立ちはだかる一人の男がいた。一瞬、数年前に取材した詐欺師=KKC(経済革命クラブ)の山本一郎かと思ったが、直ぐに名乗り出たので違うことが分かった(調子の良い詐欺師は皆、こんな顔になってしまうのだなあ)。

なんとこの男こそ、マッカーサー元帥のお友達であるといって、昨年末から本紙面を俄かに騒がせている小悪党『(株)ユアネックス』(中野区本町3-29-10ヴェルティ中野112)の会長・仁平稔その人であった。

☆前回までのあらすじ

 ―「私は米国から強い信頼を得ている」         

 「戦後、マッカーサーが日本に来たときから、ずっと日本国内の業者に在日米軍の発注する業務を斡旋してきた。アメリカという国は組織よりも個人のお付き合いを尊重する国なのだ。もはや国対国以上の信頼関係を築いている私にしか出来ない仕事である」―

 そんな仁平の言葉を信用し、多額のお金を言われるがままに支払ってしまったが、いつまで経っても進展しない仁平の米軍事業参入話に、ようやく「騙されたかな」と気づき始め頭を抱えているのが、地元長野県では数々の公共事業に携わり、実績十分の『平林建設株式会社』(代表=平林慶則・長野県東筑摩郡生坂村5523)である(実際に事業計画を進めてきたのは同社の専務である平林恭治だ)。

 平林専務は、仁平に金を払えば在日米軍基地の事業に参入出来ると信じ、今から1年も前から50社余りの下請け業者を従えて事業計画を進めてきたそうである(下請け業者談)。

 そして平成16年6月21日に、(株)ユアネックス代表・仁平稔、及び同代表・新清(江東区大島6-14-3-807)と、平林建設代表・平林慶則との間で交わされた業務委託契約書に基づき、まず315万円を仁平に支払ったそうである。

 この業務委託契約書によると『米国軍日本地区技術本部において要求必要とする、平林建設の入札参加資格、工事参加資格、工事業者登録等各種資格取得の為の情報収集、状況調査、事前交渉』や『米国軍日本地区技術本部に対する平林建設の指定業者資格証・認証の取得』を平林建設は(株)ユアネックスに委託するというもので、その委託費用として315万円を支払うとされている。仁平風に要約すると『俺に315万円支払えば、あんたの会社も米軍の発注する工事を請負えるようにしてやるよ』ということである。

 
 同和の名刺で「居丈高」

 ところが、それから1ヶ月も経たない内に「現在、手続きは進行中だが、色々な社会情勢が絡み時間が掛かる」などと言って、更に「あと268万円を支払えば、半年かかる手続なのだが2〜3ヶ月で済ませてやる。それから、手続きをしている間も、私が既に米軍の認証を得て基地内で仕事を出来るようにしてあげた(株)山口コーポレーション国際事業部(代表・山口良一=港区西新橋2-18-6堀部ビル一階)=(本社(株)山口工業・川崎市高津区末長1375)の下請けということにして平林建設に米軍の仕事をさせてやる」と言ってきたのだという。

 予定外の支出を迫る仁平の言動に不振を抱きながらも、平林専務は「このお金を支払わないと、現在進めている入札参加登録も出来なくなるぞ」という半ば脅しのような仁平の殺し文句に、ここで計画がぶち壊しになってしまっては自社にも下請けにも合わす顔がないと思い、引くに引けず、結局268万円を平成16年7月12日に、新たに作成された業務委託契約書に基づき支払ってしまったのだという。

 この新たな業務委託契約書には『入札物件の落札に関し、円滑に受注する為の業務委託契約を締結する』と記され、契約に基づく10条までの約束事が謳われている。   

 その中に記されている268万円の詳細とは、平林建設が長野県に所在しているので、これから在日米軍の仕事を円滑に請け負う為には、東京都内に事務所を設立することが不可欠であるとして『平林建設東京事務所』の開設に伴う費用とされているのだ。更に詳細を述べると所長の給与50万円、女子職員1名の給与28万円、家賃30万円、敷金3ヶ月90万円、専用パソコンと電話1回線で50万円、事務経費20万円で、これらの合計が268万円だということである。

 そしてこの中の家賃、所長と女子職員の給与、事務経費の合計128万円に至っては毎月必要経費として支払えというのである。

 しかし、仁平にお金を支払い東京事務所開設を任せたものの、実際その東京事務所とは(株)ユアネックスがある仁平のマンションの一室に開設されたに過ぎなかったのである。これには怒りを隠しきれず平林専務は下請け業者のT氏と共に抗議したそうである。

 しかし仁平は「今、手続きしている最中だからもう少し待て」の一点張りで取り付く島もない。そこでこの話を聞きつけた本紙が、仁平を詐欺師と睨んで調査に乗り出した。仁平が新橋駅に現れたのはそんな矢先の出来事であった。

 仁平は社主の前に現れるなり、ずうずうしくも名刺が欲しいと言ったそうである。しかし「会うなり名刺を欲しがる奴なんかロクな者じゃない。何かに利用するに決まっている」と感じた社主は、名刺を出さなかった。すると「実は、私は同和団体の顧問をやっているのだ!」といって同和団体の名刺を出してきたのである。仁平君は恐らくそれで威嚇するつもりだったのだろう。

 ところが、「そんな腐った名刺を出すな!今時、そんな名刺でまだ飯を喰っているのか?お前のやっている事は全くの詐欺じゃないか。騙した金を早く返してやれ!」と社主に一渇されてしまったのだ。

 すると今度は一転し「実は今日、平林建設に全額返してきたんです。このことは、全てお金も返して解決したんです。弁護士が入って作成した書類もあるんです」というのだ。

 そこで社主は「それなら今ここで白黒つけたほうがいい。相談者であるA氏に確認するから待っていろ」と言って、A氏に「大至急新橋に来るように」と、仁平の目の前で連絡したところ、嘘がバレると思ったのか「俺はそんな男は知らないし、会ってもしょうがない。俺には関係がないので会う必要はない」と言い出し、帰ろうとした。

 
 嘘で固めた詐欺師人生

 しかし「それは違う。アンタが『米軍の下請けに入れるよ』と言って平林建設から最初300万円、続けて『2ヶ月以内に決めたかったらあと200万円』と言って合計500万円を貰っておきながら、一向に話が進まないから、平林建設はアンタに矢の催促をしたのだ。そして、仕事が出来るようにならないのなら早く金を返してくれと言ったのだが、埒が明かないのでA氏に相談したところ、そのA氏がアンタに交渉したがそれでも駄目で、A氏が我々のところに相談に来たんだよ。そのA氏と俺の立会いで話し合った方がハッキリするじゃないか」と、また社主に一喝されてしまった。

 それでも仁平は「Aなんて知らない。会ったってしょうがないよ」と逃げようとするのである。そんなやり取りをしている間にも、とうとうA氏が新橋に駆けつけた。

 そこで分かったのだが、仁平と言う男は、つくづく嘘吐きなクソ野郎である。実はA氏と仁平は過去に2回程会っており、面識があったのだ。

 A氏は直ぐ様、その場で平林建設に電話を入れて、仁平がお金を返して解決したということが本当なのか確認すると「今日、突然、 仁平さんが来て、『この話を取り下げないと同和を使って県に圧力をかけて、公共工事を一切ストップさせるぞ!俺は山口組にも顔が効くから、敬天も押さえるから心配するな』と恫喝され、更に(金は返して貰っていないのに)金を返して貰ったという書類を作れと言われ、顧問弁護士に頼んで作るつもりです」というのである。

 「お前、さっき俺に説明したのと全然違うじゃないか」と社主が言うと、仁平は「いや、金はまだ払ってないけどそういう書類を作って終りにすると説明したよ」と全くの嘘を次から次へと平気で吐くのである。この男は典型的な詐欺師ヤロウである。

 社主はA氏に「仁平がやっていることは先ず詐欺と脅迫である。金を払わなかったら平林建設に告訴するように言ったほうがいい。こんな奴が県に顔が利く訳がない。米軍だって、防衛施設庁だって、政府だってみんな迷惑しているだろうし、ただの詐欺師だ。早く公にしたほうが、これ以上被害者が出なくていいよ」と指導したのであった。

 それでも仁平は「時間が掛かっているけど今やってる最中だから、今訴えられるのは心外」と開き直る始末。

 しかし防衛施設庁などの関係機関に訊ねてみたが、どこで聞いても「そんなことでお金が掛かる訳がありません」とのことだった。

 米軍基地の入札参加は米軍のホームページで公開しており、参加手続きはメールでも行えるらしいよ!

 仁平君聞こえた?

 さあ、問題は小佐野顕治の後継者として何十年も米軍の事業に関わってきたという仁平の相棒=富田という爺さんと、ユアネックスの新清、そして仁平が入札参加の隠れ蓑に使っている山口コーポレーションだ。

 こちらにも分け前が届いていたのなら“共犯”だろうし…。
(つづく)

 
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