「森先生、いかほどで?」と言ったかどうかは知らないが…(山崎君)
最近影が薄いと思ったらこんな所でご活躍とは…
 景気回復の兆しが見て取れる建設不動産業界にあって、異彩を放ちつつも他の追随を許さない程の急成長を遂げているのが、本紙面ですっかりお馴染みとなった、セボン株式会社(山崎喜久男代表)である。

 何せ“下請殺し”といった異名が業界内で定着する位、情け容赦ない自己利益優先主義を徹底的に実践するのだから、イケイケ揃いの業界人とて太刀打ち出来ないのも当然である。

 既存建築物を仕入れて、リフォームを施し高値で売却するのがセボンのスタイルであるが、その仕入れ手段もまた独特である。

 他の業者が見向きもしない“汚れ物件”に爪を伸ばし、其に群がる怪しげな連中(エセ同和や地面師)さえも時には利用し、驚くほどの安値で買い漁るのが常套手段のようだ。

 一般的な業者の仕入れ方法が競売だとすれば、セボンのそれは「闇に埋もれた物件の発掘」ともいえるだろう。

 そういえば、本紙で取り上げてきた計画倒産疑惑の舞台となった『アクシスト世田谷赤堤』(築14年リフォーム済で値段は新築並=絶賛販売中)も、所有者であったアジア系銀行(店舗すら見たことないけど誰が利用してるの?)からの“直買い”であった。

 単純だからこそ難しいとされている「安く買って高く売る」といった銭儲けの王道を、セボンは脇目も振らず突っ走っているのだ。 さて、極限ともいえる経費削減の陰で、罪の無い業者が泣かされている訳だが、その余波は至る所に及んでいる。

 リフォームを生業とするセボンにとって、既存建築物の解体作業は必然と発生するもので、廃棄物処理にかかる費用は常に付いて回ってくる。 

 ところが、この処理費用さえも常習的にケチっていたのか、最近になって委託業者による不法投棄が明るみとなり、業者ばかりか地域社会に迄、迷惑を振りまいていることが判明した。しかも、不法投棄された廃棄物の出所が『アクシスト世田谷赤堤』だというから唯々呆れる他ない。

 この不法投棄の現状は凄まじいものだったようで、写真(下)では解かり辛いが、ゴミの中身は建材ボードやガラに留まらず、ユニットバス、畳、建具、便器等、解体材の全てが投棄されていたという。

壊す潰すはお手のもの。柴山建洋建設
ついでに会社も潰しちゃった
これって置いたの?捨てたの?
最新ナビでも辿り着くのは困難

 実際に現場を見た者からは「腕のいい大工ならここの材料で一軒家を再生できるかも」と、笑えない冗談まで飛び出す始末だったらしい。

 しかし、この悪質な不法投棄は思いも寄らぬ決着を見る事となる。

 不法投棄現場となった神奈川県愛甲郡愛川町では、地元住民でも滅多に足を踏み入れない場所であり、それだけでも投棄した実行犯の悪質性と計画性が伺い知れるということで、地元の厚木警察も本腰を入れ捜査に乗り出した。

 ただ、不法投棄する犯人とてゴミの出所が特定できないように注意を払うわけで、この手の捜査が難航するのは仕方ないことだ。

 ところが、警察も拍子抜けするほど、いとも簡単に犯人の特定に辿り着いたのである。

 何と、不法投棄の実行犯は、目立たなく処理するのが面倒になったらしく、ゴミの一部を農道のド真ん中や材木屋の店先に、空き缶のポイ捨て同様に捨てたらしく、結局、これが異例のスピード検挙に繋がったというのだから、セボンもとんだ間抜け野郎を使ったもんだと、苦虫噛んだに違いない。

 斯くして、セボンの現場担当者と実行犯の他、作業関係者の全てが警察の事情聴取を受けることとなり、事件当事者達も数名の逮捕者を出す覚悟をしていたらしい。

 だが不思議な事に、この事件絡みで逮捕者は疎か、その後に書類送検された者さえいないのだ。まるで、事件そのものが存在しなかったような扱いであり、何らかの圧力によって事件が抹消されたと考えられる。

 セボンにしてみれば正に窮地を救われたことになるが、それに手を貸したのが何と前総理の森喜朗、と関係者が驚きの証言をしている。セボン追及の先で、これ程の大物が登場するとはちょっと驚きであるが、これで益々面白くなってきた。
(つづく)

 
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