計画倒産で下請け殺し
完成したのはいったい誰のおかげ?
 セボン柴山建洋建設の“極悪コンビ”の術中に嵌まり、罪なき者が地獄に落とされた。これ迄、本紙で詳細に報じてきた『下請け殺し』の手法でも解るように、この両者の悪行は卑劣極まりなく、その影響は被害当事者のみならず『産業廃棄物不法投棄』といった歴然とした犯罪によって、無関係の地域社会にまで及んでいる。

 これら悪行が破産の背景として認められる以上、よくある契約先の破産倒産といった表面上の判断で「営利企業同士の経済活動上のトラブル」と一言で片付けては“極悪コンビ”の思う壺であり、それこそ被害者らが不憫でならない。

 そもそも国や自治体からの“お墨付き”ともいうべき許認可を得ての事業を生業とする以上は、そうではない事業者より、その社会的責任は遙に重い。

 特に、生活の基盤であると同時に高額である住居を販売対象とするセボンは、世間からの高い信頼を得ることが重要であり、常に誠実な企業理念を保持することが最低限の責務といってもよい。

 然し乍ら、セボンがそのような体質でないことは、今更疑う余地もない。この春先から続けて掲載してきたセボン関連記事への反響が全てセボン批判であったことが、如実にそのことを物語っている。お陰で当分はネタ枯れせずに済みそうである。それでなくとも、セボンが利己主義的な現行体制を続ける限り、新鮮なネタを随時提供してくれる筈だから、本紙としても大助かりだ。

 さて、セボン所有物件である『アクシスト世田谷赤堤』(築14年)のリフォーム工事で、元請けの重要な立場にいながら、物件の完成引渡し前日にあっさりと破産手続きを開始した柴山建洋建設と、「破産は寝耳に水だ」と怒りを露にしながら、これまたあっさりと債権放棄して直ぐさま無関係を装ったセボンの『その後』は、というと…。

 
 手形すら切れない
ここまでキレイに仕上げたのはいったい誰か?
 去る7月26日、計画倒産疑惑の渦中にあった柴山建洋建設の破産が決定した。其に伴い、同社代表の柴山健一と専務であった柴山勇兄弟の破産免責が確定するに至った。この結果を見る限り“破産常習者”柴山らしい見事な幕引きといえよう。

 しかし、その余りの手際の良さが、逆に計画的であったとの疑いを一層深めることになった。

 兎に角、多くの債権者が泣き寝入りせざるを得なくなった訳だが、それを尻目に何故かほくそ笑む債権者が存在する。それが、柴山が倒産する直前(或いは現在も?)まで、物心両面にわたって支え続けてきたセボンであり、同社代表の山崎喜久男なのだ。

 そもそも、この破産はその内容からして異質なものであった。 

 柴山は資本金の10倍を超える約5億6,000万円の負債を抱え破産した訳だが、債権者には銀行を含むその他金融機関の存在は無く、負債の大半が最近1〜2年の間に取引があった、同業者との仕事絡みの中で発生していたものだったのだ。 

銀行に相手にされないということは、手形も満足に切れない訳で、決済が連続する建築業者にとっては致命的ともいえ、勿論、対外的な信用も得られる筈がない。 

 ならば常識的にも、信用皆無の柴山を元請けにする施主などいるはずもなく、進んで柴山の下請けに入る酔狂な業者は存在しないといえる。

 では、同業者は疎か、銀行を含め巷に溢れる消費者金融でさえ相手にしない筈の柴山に対し、何故セボンは資金援助までして自社の元請けに据えるほど肩入れしてきたのか。社員が全く定着しない程人望が無いと噂される山崎喜久男の趣味が、まさか“人助け”ってな訳はあるまい…。

 其処にはやはり、どす黒い思惑があった。

 
 契約内容に相殺を明記
 セボンと柴山の請負契約では、「支払いは貸付金と相殺する」と明記されており、今回のような破産を受けようとも、損害を被ることなく回避出来るようになっていたのだ。セボンは柴山の破産を見据えながら利用できる限り引っ張り、柴山もまた、どうせ破産するのなら極限まで負債を膨らまし、免責を受けたほうが得策だと考えたのだろう。

 その結果、両者に関わった多くの業者が、救われることのない債権者として放り出されてしまったのだ。

 セボンの“相殺”を組み入れた契約方法が違法でないとするなら、柴山の破産もまた法で定められている一つの権利である。

 結局、ずる賢い奴(セボン)と恥知らず(柴山)に弱者(下請け業者)が食い物にされたということなのか。

 さて、今回の破産で免責を認められるだろう柴山兄弟は、隠し持っているであろう資金で食い繋ぎ、ほとぼりが冷める頃、何らかの形で建築業界に舞い戻るに違いない。ただ、復活も3度目ともなれば業界の対応も厳しくなり、再浮上は事実上不可能で、良いとこブローカーあたりが関の山である。

 一方のセボンは、即完売を目論んでいた『アクシスト世田谷赤堤』に買手が着かずに頭を抱えている模様だ。販売開始時には、売却を見込んで同物件の銀行担保を外したのだが、全く売れる気配もなく、その内に銭に窮したのか再度借り直すといった不細工な真似を晒した。築14年物件をリフォームし、新築価格で売り捌くこと自体が無茶なのだ。

 ただ、それでも購入を考える顧客に対しては、物件にまつわる経緯を正直に告知して貰いたいものだ。

 例えば「施工業者が破産し、実際にリフォームを手掛けた下請け業者が銭を貰えず首吊る寸前で、そんな業者の怨念が取り憑く物件です」と、いった具合だ。 流石にここ迄は言えなくとも、施工業者が消滅した事実だけは最低でも伝えるべきである。

 それさえも隠して販売しているとしたら、消滅すべきはセボンということになる。
(つづく)

 
「ノンバンクの融資さえ受けられず資金繰りに窮していた山崎クンの為に、政府系金融機関の大口融資を取付けたのは、私の第一秘書だったよね。最近じゃ不法投棄の件でも骨を折ってやったし…」 「俺も集金力じゃ政界一と呼ばれちゃいるが、 山崎チャンには負けるよ。でも、アンタの今の成功だって、 建築基準法に引っ掛かる半端な物件に俺の口利きで 住宅金融公庫を付けてやったお陰だろう。感謝しろよ」
いつもお世話になっております。セボンの山崎喜久男でございます。早速ですが、総選挙を間近に控え、何かと御入り用ではございませんか。“献金”“パー券”“袖の下”と、先生方の御要望に沿えますよう、各種取り揃えております。

 郵貯より便利で役立つ、政界御用達『セボン銀行』を、今後とも宜しくお引き立て戴きますようお願い申し上げます。

今回暴力団が全然出てこないねー。あっちこっち使い過ぎて、みんなから嫌われてるのかなー?
「私が国交大臣の頃、山崎サンの物件販売を手助けする為に“公務視察”を装って“宣伝”して差し上げたわよね。あの後、写真誌で公私混同と散々叩かれましたけど、後悔してませんわ。だってあなたの為ですもの」 「僕の代議士人生の頂点は国土庁長官だったのかな。それもたったの10カ月間だったけど。当時は山崎シャチョウが長官室にきて、一緒に写真を撮るほど仲が良かったのに。利用価値が無くなると相手にもされないのね…」
 
 
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