反対 → 賛成
町の喧騒をよそに工事の着工が決まり、満面に笑みを浮かべる阿久津町長

 茨城県常北町(阿久津勝紀町長)に於ける談合騒動の続報である。
 同町臨時議会(5月28日)で「健康増進施設工事請負契約の締結」の議案が、反対派欠席のまま可決されてから約2カ月が経過した。
 その間、当紙街宣部による同町での抗議行動が続くなか、有権者不在の町政に対し、疑念を抱く住民からは多くの激励(中には、喧しいとのお叱りも一部あったが…)と共に情報も寄せられてきた。
 犯罪である談合を犯しながら平然としている鹿島・株木JVと、それを容認する態度を示している阿久津町長など、利権漬け議員らによる官民の癒着が浮彫りとなり、あらためてその荒廃ぶりに驚かされた。

 周知の通り健康増進施設の建設にあたっては、町議会に於て過去4度否決された議案であったが、本年3月議会で賛否が逆転した経緯を辿っている。
 今ではすっかり建設推進の急先鋒となった阿久津堅次議員も、可決される直前の議会までは建設反対を訴えていたのである。
 突然の心変わりの理由は本人が説明しない限り解からないが、やっぱりオ○ネ絡みなのかと、考える関係者も少なくない。
 そう言えば、サテライト水戸の飲料品販売が、農協から同氏関係業者に差し代わったのは、つい最近の話である。これは賛成に寝返った事へのご褒美(条件)なのだと関係者の弁。
 更に今回の鹿島・株木JVでの、談合による建設請負の決定にも、裏で町長が主導的立場で動いていたという、俄かに信じがたい噂さえも囁かれている。
 それも子飼いの町議を使って、下請け業者の選定にまで口出ししていると言うから恐れ入る。 

 
 妙なプライド
さて問題です。健康増進施設の建設で得したのは誰?ヒント:町を見捨てて中国に遊びに行った人達(★印)
また、7番の鯉渕市議は賛成派の1人だが、お金の都合で中国旅行に参加できなかったとの事。トホホ…

 常に町長よりの立場にいた東海組、根本工業、常陸建設工業などは、鹿島の下請けに滑り込み、逆に阿久津行政に対し反発姿勢だった常北建設工業、河原井建設、三村建設、加倉井産業等は、完全に本工事から締め出されてしまった。
 町長自身の利権は、親戚筋の鴨志田造園が食い込んでおり、しっかり確保している抜目のなさだ。

 当紙が同町に警告した入札以前の談合情報は、その後の結果をみる限り疑う余地の無い真実であったと、誰もが認める所である。
 故に、反対派の議員は承認を急がず協議すべきと訴えたのである。それを「問題は何1つ無い」と不正行為の追及を放棄した町長の姿勢に、多くの関係者が怒りを露にしているのだ。
 数々の裏取り引きの疑惑が浮上している現状を見れば、噂の真偽はともかく、このような悪評が出ること自体、指導者たる町長としての資質に疑問が持たれるのは当然の事である。

 そんな阿久津町長に纏わる利権絡みのキナ臭い話は何も今回に限ったものでは無いようだ。
 今では(善し悪しは別問題として)常北町の顔になった、競輪の場外車券売り場『サテライト水戸』でも同様に理解しがたい行動をとっている。
 同施設建設を巡っても、建設反対を訴える町民の意を汲んでか、計画当初の議会では反対決議を可決していた。
 とかくギャンブル施設の誘致には賛否が分かれるものだが、青少年の教育環境上の問題もさる事ながら、予定地とされる前沢川土地改良区(園部静組合長)は周辺水田への影響を懸念する声も多く、誘致は不可能とさえ言われていた。
 にも拘らず「法的用件は満たしており、町(町長自身)として建設に反対する理由は全く無い。バクチ場は町(これ又自分自身)の活性化に繋がる」と、反対派町民(有権者5,642人反対署名)の声に耳を傾ける事無く、我が道を突き進み、強引に町議会の承認を取り付けたのだ。
 一時は車券売り場反対を全会一致で決議した議会意志が、何故正反対の結末に導かれるのか、全くもって不思議でならない。

 当時反対派からは「町長が仕切る議会は信用出来ない」と、住民投票を求める運動に迄発展した一大騒動も「議員のプライドを無視した議会軽視だ」などと、一部議員が逆切れし、反対派の意見は封じ込まれてしまった。
 喉元過ぎれば何とかの例え通り『今となっては過去の事』と忘れ去られてしまって、常北町では口に出す者さえ居なくなっていた。

 

 賛成派は中国へ

 今回の談合騒動で、欺瞞に満ちた阿久津行政に対する怒りが、再び呼び起こされたという人も少なくないと思うが「阿久津町長様には何を言っても無駄」と、半ば諦めている人が大多数のようだ。
 しかし、環境的に影響無しとしていたサテライト水戸では、開場から僅か3年余りで、施設からの排水を原因とした周辺稲作への被害が発生しつつあるとの報告も出て来ている。
 又、警察当局の厳しい監視を擦り抜け、非合法組織による“ノミ行為”も横行し、当初全てに於いて問題なしとしていた町長の説明と現状は、著しくかけ離れつつあるのだ。
 それでもまだ、もの言わぬ住民をいい事に、鹿島・株木JVによる犯罪行為の“談合”を見逃し、それを容認するような姿勢を打ち出すに至っては、悪政ここに極まった感がする。
 公共工事や大規模施設に関する多種多様な利権を餌に、町に議会にと君臨する阿久津町長は、自己の利益を追求するために、長年に渡って常北町を食い物にしているだけなのだ。

 今現在も常北町政に対する当紙の抗議街宣は継続中であるが、信じられない事にそのさなか、糾弾対象の当事者ともいうべき議員連中が、揺れる常北町を尻目に中国へと脱出したのである。
 表向きは『常北町議会議員海外行政事情調査』などとやけに重々しい。だが参加議員の全てが、鹿島・株木談合ペアを承認した非常識集団であるからして、調査を謳った『慰労及び祝勝会』というのが本音であり目的なのは間違いない。
 これからありつける利権に想いを馳せ、紹興酒を片手にペキンダックを頬張りながら、高笑いしている光景が目に浮かんでくるようだ。
 日中関係は色々複雑であるから、嬉しさの余り羽目を外して現地で顰蹙をかってはいないかと、老婆心ながら本当に心配してしまう今日この頃である。
〔つづく〕

 
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