談合の強制
前例に拘わらないのは良いんだけど、貴方ほど身勝手な町長は、ホントに前例がありませぬゾ、木村殿。

 茨城県のほぼ中央(陸の孤島とも呼ぶ)に位置する茨城町が、素人同然の新人町長の出現によって根底から瓦解し始めている。
 平成11年春、政治・行政改革を訴えて町長選挙に打って出た木村睦(行政書士)は、住民の変革を求める声を追い風にし、その時流にまんまと乗って町長の椅子を勝ち取った。
 木村睦を支持した住民の多くは「衰退の一途をたどる茨城町を改革・改善してほしい」との期待を込めて票を投じた筈なのだが、今では自らの選択の誤りに気づき嘆いているという。
 そもそも、改革改善を訴えていた当人こそが一番に排除されるべき、旧態依然とした俗人物なのだから始末におえない。
 それこそ町長選挙においてもその俗物振りは十分過ぎるほど発揮していたのだから、その正体を見抜けなかったという住民にも、残念ながら責任の一端があると言わざるを得ない。

 立候補した時点でこれといった支持母体を持たなかった木村陣営は、戦況が不利と見たのか最終的には効果抜群の実弾(現金)の散蒔(バラマ)きに手を出したのだこの実弾攻勢の現場を指揮したのが、木村睦後援会長=大谷博佑(茨城町長岡3467-2)である。この男、地元梅香中学校の校長などを歴任し、町内に多くの教え子を持つ元教育者である。
 その教え子の中には役場の幹部職員や、地付企業や農家の跡取り2代目などもおり、まさに官・民あわせ広範囲に木村支持をお願いにまわったという。これには「半ば強制的だった」とする、役場職員の証言もあった。それに加えて現金まで握らされたというのだから、教え子にしてみれば迷惑千万な“恩師による恩の押し付け”である。

 勿論選挙時においての現金等の授受行為は双方共々摘発の対象となるわけで、いまのところ発覚こそしていないが、教え子を犯罪行為に巻き込んだ事には違いない。
 更に、拝金主義的な選挙を推し進める大谷は、後援会の部下に夫々の地区を分担させて、票を掻き集めもした。
 特に後援会番頭格の男は自らが住む小鶴地区内のほとんどの家に押し掛け、2万円入り茶封筒を持って頭を下げまわったという。
 中には平然と受け取る者もいれば、当然のことながら毅然として突っ返す常識有る者も居たそうだが、選挙結果を見る限り現金の力はやはり絶大で、ズブの素人を町長に押し上げるぐらいの事は簡単な事だったようだ。

 
 笑劇的?事件を機にリコール運動高まる!?

 この様に、大谷後援会長の『押し付け人脈』と『財力』をフルに活用して町長となった木村睦であるが、町長就任の約一年後に、現在の茨城町の混迷を暗示していたかの“ある事件”が起こった。
 木村は町長就任後初の町議会で「前例、慣例に拘わらない行政」を高らかに宣言したのだが、その言葉通り、前例にない衝撃的(笑劇的?)な事件の当事者として、全国的にその名をとどろかせた。
 町長に就任して以来、行政・政治の素人として、その無策無能振りを大いに発揮し、役場職員からは呆れられ町議には無視されるなど孤立無援の状態が続き、まさに“裸の王様”が板に付いてきたその頃、木村に天罰が下ったのである。

 事もあろうか役場内町長室で、面談中の住民男性の怒りを買った末に、殴打され怪我を負ったのだ。
 事件そのものは、現役町長が役場内で住民に殴打され負傷したと、珍事件として広く報道(スポーツ紙や夕刊紙は呆れた論調)される事となったが、殴った男性が町長後援会の元役員だったこともあってか、地元関係者の間では事件に至った背景にまで色々と憶測が飛び交い、暫くのあいだ喧噪が続いたそうだ。
 しかし、被害者である木村睦に同情の声をかける者は少なく、逆に暴力行為に出た男性に対しては「気持ちはわかる」なかには「よくやってくれた」等々、木村にすれば殴られ損といってもよい、自業自得との意見が大半を占めた。
 更に、この事件を機に木村町政への欝積した不満が其処かしこから露呈し、その後の住民有識者によるリコール運動への布石にもなった模様である。 

 
 間接的ならバレないとでも思ったのかな?
建物は立派でも、町長がボロボロでは何の意味も無い(茨城町役場)

 木村睦への批判で皆が先ず口にすることが、この男お得意の恥知らずな二枚舌である。
 木村は就任直後から「議員の関係する会社は、町が発注する土木建設工事等の入札から指名除外する」と言って町議らに公平性を保つように課し、自らもそれに準ずることを町民に宣言したが、しかしこれこそが全くの嘘だったのだ。

 自身の関係会社(木村測量設計事務所)に直接町の仕事を関らせる事は、いくら木村でも無理が生じるし当然批判は避けられない。しかし間接的にならバレナイだろう、と浅はかにも思ったらしい。

 木村は先ず、町長権限による入札無しの随意契約によって、自身の会社と業務が重なる北美測量(茨城町小堤1012-3)に町の仕事を発注しそれを横取りするという、乱暴にして余りに幼稚な手段を使って、町の財源から利益を吸い上げているのだ。
 斯様にして、自己の利益追求の為なら手段を選ばない木村ではあるが、たまには人様の役に立つ事があるらしい。
 例えば、談合の仕切り屋として町の入札関連業務を牛耳ってきたと言われる県北公害管理協会(茨城町馬渡)とミネ・エンジニアリング(茨城町小幡)の2社などは、木村あっての企業といっても過言ではない。
 この2社は、町の発注業務にて悪質な業務上不備が明らかとなり、一時は指名除外の動きも出ていたのだが、木村睦の「指名から仲間外れにしては可哀想だから」という鶴の一声で、町を欺き損害を与えたことは一切不問にして紙切れ一枚の誓約書で許し、指名に復活させたのである。
 窮地を脱した前記2社の経営陣は「木村先生には足を向けて寝られない」と感謝をしつつ、依然懲りることなく談合も復活させ、前年度の実績通り委託業務を浚ってしまったのだ。

 木村睦の恩恵にぶら下がる輩はまだまだいる。
(株)明光(茨城町長岡3648-1)の代表、石橋信夫もその一人である。誰に対しても横暴な態度の木村も、この不動産業である石橋信夫に対しては何故か頭が上がらないらしい。
 木村が町で唯一信頼を寄せ、又尊敬さえしているとも言われている石橋に対しては、同氏所有の不動産の価値を高める為に、公費による周辺道路の整備を積極的に行なっているという。
 木村睦が唱える『行財政改革』は、将来的ビジョンを示さない、目先の事に捕われての、単なる素人の思い付きだとの見方が多数である。しかし、木村が取る行動には全てにおいて“利益誘導”が前提にある事だけは、決して忘れてはいけない。
 この茨城町政史上最悪町長の“暴走”を止めるのはいったい誰なのか……。
 関係者の健闘を祈る。

 
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