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なぜ入札を行わない? | ||
例えば業務の発注者が民間企業であれば、当然のことながら経費を出来るだけ抑えたい、より良い仕事をして貰いたい、と誰もが考えるだろう。その為に多くの業者から見積りを貰ってその中から選択する。 ならば発注者が国や県、市町村や公的機関だったらどうか。やはりこの場合も発注する業務に「公金」が注がれるという性格上、少しの無駄も無いように慎重に選定される(建前上)。従って、管理業務委託の金額にもよるが、より多くの業者間で競争させ、毎年下位の業者を入れ替えて新選している(飽くまでも建前上)。 さて、埼玉県川口市においても、「1,000万円から3,000万円の管理業務委託には7社以上の業者、3,000万円を超える場合には8社以上の指名業者で入札・見積り合わせを実施することが望ましい」と同市契約課は指導している(言っとくけどホントに建前上)。 ところが、東スポーツセンタープール・西スポーツセンタープール・北スポーツセンタープール・青木町公園総合運動場プール・新郷スポーツセンタープールの計5プールは、(株)ワコーインターナショナル、新光ビルシステム(株)、(株)パーソンアンドパーソンスタッフの3業者だけで見積り合わせを行っている(入札は行わずに見積り金額を見て市の担当部署が決める)。 またこの5つのプール以外にも、安行スポーツセンタープールもこの3業者で見積り合わせを行っている(同プールに関しては、今年からこの3業者に(株)京明プランニングを加え4業者となった)。 つまり昨年までは、これら計6ヶ所のプールの管理業務委託を、たったの3業者だけで見積り合わせを行って業者を決めていたのである。 もちろん、これらを実施している同市体育課には、指名業者を選定するための「指名委員会」が有るのだが、これでは機能しているのかどうかさえ疑わしい。 ―こういった現象は、もしかすると氷山の一角に過ぎないのでは― そう思ってよくよく調べてみると、出るわ出るわ、極めて不自然な業者間での「競争」(とは言っても入札ではなく、見積り金額競争)の実態が…。 |
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業者は本当に競ってるのか | ||
いくつか挙げてみよう。 総合文化センター『リリア』維持管理業務委託の12年度見積り合わせでは、新光ビルシステム(株)川口支店、(株)ハリマビステム埼玉支店、大平ビルサービス(株)さいたま支店の3社が指名され、結果2億200万円で新光ビルシステムに決定。 13年度はこの3社に(株)セイビ川口支店が加わって4社で見積り合わせ。結果は、また2億200万円で新光ビルシステムに決定。 14年度は前年度と同じ4社で、結果は、またまた2億200万円で新光ビルシステムに決定。 15年度、飽きもせずに同じ4社で、(200万円だけ下がって)2億円で、また・また・また新光ビルシステムに決定。 16年度、いい加減にして欲しいのに、相も変わらずこの4社で見積り合わせを行い、当然のような顔をして(?)1億9,800万円で新光ビルシステムに決定。これらを偶然の一致と呼ぶならば、どんなストーカー行為も「偶然通りかかった」で無罪放免だ。 これだけではない。 福祉施設『サンテピア』維持管理業務についても、平成12年度〜同15年度は、すべて(株)宮下ビルサービス川口支店、(株)セイビ川口支店、(株)日環サービス、新光ビルサービス(株)の4社で比較検討。 結果は全て新光ビルシステムに決定。金額は12年度〜14年度は1億1,709万8,100円と、ピッタリ同じ。15年度は1億1,400万円。 そして何故か16年度だけは『入札』を行い、1億900万円で落札となっている。 金額に関係なく、どうやら3社や4社といった数字が川口市の得意数らしい。 |
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指名委員会は役目を果たせ | ||
また、決定額742万7,700円で(株)テクノスタッフに決定した庁舎清掃管理委託でも、見積りの段階で(株)日環サービスという業者が、2,656万800円という見積り金額を弾き出している。決定額の実に3.5倍以上という桁外れな金額だ(下↓に掲載の資料参照)。 見積金額間違いということも全く考えられない訳ではないが、常識ではここまで金額差は生じない。恐らく清掃管理委託についてまったくの専門外なのか、或いはいい加減な金額を記入したのではないか、と思わせるような金額である。 仮にそうであれば、指名委員会はこういった不自然な金額を提示する業者を、来年度指名から外すべきだろう。 この(株)日環サービスという業者は、川口市交通安全対策課の担当する10物件の見積り合わせ全てに指名されていて、(株)セイビ川口支店も同じく全てに指名されている。また同市管財課では11物件の管理業務委託があり、そのうちの7物件に(株)日環サービスが、10物件に(株)セイビ川口支店がそれぞれ指名されている。 このへんもよく調べてみる必要がありそうだ。 予算額が昨年と同額か少し低額で委託業者が同一業者であれば、行政にとってはこれほど楽なことはない(一々指導しない)。そのせいかどうかは別として、本紙面でも再三に亘って実例を取り上げた通り、ここ数年間、特定の業者だけで見積り合わせを行なっていることは紛れも無い事実である。 業者にとっては、昨年度より大幅に見積り額を落とす事は、会社の信用低下だとか、何やら問題があった様に疑われる材料ともなり兼ねない。そこで適正価格の見積り金額よりも、自社のイメージを損なわないように配慮しながら、要は競合する同業他社との「駆け引きによる見積り金額」となってしまい、本来の意味を為さなくなるのだ。 |
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偶然の一致で済ませる気か | ||
何度も繰り返すが、100%民間企業が自社ビルの清掃業務を発注するなら、何処の業者に頼もうが、金額が高かろうが、仕事の質が低かろうが何の文句も無い。 しかし、そこに公のお金が例え一部でも混ざっているのなら、況してや地方自治体の場合、元は100%税金なのだから、一点の曇りも無く、一円の無駄も無いように業者選定を公正に行うべきであり、それが税金を「使う側」に課せられた使命である。 仮に、発注業務の内容が特殊なために取り扱える業者が少ないだとか、或いは市内業者育成のため市内業者に限っている、というのならば、いつも見積り合わせが3〜4社なのは致し方ないことだ。必然的に請負業者も毎年似たような顔ぶれになろう。 だが現実には市外の業者も指名しているから「市内業者に限っている」という言い訳は通らないし、そうかと言って市内の登録業者は数十社以上もあるのに、指名されるのはいつも決まったホンの一握りの業者である。発注業務の内容も、別に特殊でも何でもない。 これでは「不透明」としか表現のしようが無い。 もっとオープンで、もっとガラス張りの市場を目指さぬ限り、『官業癒着』の誹りは免れないだろう。 岡村市長の改革に期待したい。(つづく) |
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