精一杯の虚勢を張る重信房子。哀れな浦島太郎(花子?)である。

 日本赤軍の重信房子が今月8日、大阪府警に逮捕され警視庁に移送された。奴らは昭和47年のロッド空港乱射事件を始め、数々の無差別テロを世界中で行い、無辜の民を次々と殺傷した“殺人鬼”である。
 福田赳夫元総理曰く、人命は地球よりも重い。
 然らばその地球よりも重い命を無差別に、そして大量に奪ったという罪が、果たして地球何個分に相当するのか福田元総理に御教授戴きたかった。

 我が国には“人殺し”という行為を、その犯人の社会的身分や門地、政治的信条や宗教等で差別する風潮が少なからず在る。――政治犯だから、人質を取られたから――に始まって、宗教法人だから、政治家だから、覚醒剤中毒者だから、○○病院患者だから、少年だから…と、今ではそれらが良識であるかのような勘違いに陥ったジャーナリズムさえ少なくない。
 狭義に於いて、共産主義社会確立の為の第一段階を社会主義と呼ぶのならば、奴らが社会に望んでいるものは「公平な富の分配」と言えよう。「人質を取ったから」身代金を与え「政治犯だから」減刑するという行為が、奴らの望む“公平な富の分配”に反する事は言を俟たない。
 然らば社会に代わって国家が、他の多くの殺人犯と同様に死刑を執行せねば、奴らの望む「公平・平等」は保てまい。本紙が敢えて奴らを政治犯と呼ばず“殺人鬼”と呼ぶのはその為である。奴らを特別扱いする事は失礼に値するのだ。

 ナニ所詮は鮭の川登り、帰趨本能で帰国したに過ぎぬ。粛々と死刑を執行すれば良いのだ。「何故帰ってきたのか」よりも、どうやって帰ってきたのかを解明し、残る六人の逃亡者を一刻も早く捕えて組織を壊滅させる事こそが重要なのである。

 
 日本赤軍による主な事件

ロッド空港乱射事件(昭・47年5月30日)

イスラエルのテルアビブ・ロッド空港で奥平剛士、安田安之、岡本公三の3人が自動小銃を乱射、一般旅行客100人が負傷した(うち死者24人)。奥平、安田の2人は自爆死。

日航機ハイジャック事件(昭・48年7月20日)

パリ発東京行きの日航機を、丸岡修と4人のパレスチナゲリラがアムステルダム上空でハイジャックし、アラブ首長国連邦のドバイ空港を経てリビアのベンガジ空港に着陸。乗客を解放後、飛行機を爆破。

シンガポール・クウェート事件(昭・49年1月31日)

和光晴生ら赤軍メンバーがシンガポールの石油タンクを爆破し、フェリーを強奪して篭城。在クウェート日本大使館を占拠したゲリラの要求でメンバーは南イエメンに移送され投降。

ハーグ事件(昭・49年9月13日)

西川純、奥平純三、和光晴生らのメンバーが、オランダ・ハーグのフランス大使館を占拠(重信房子にも同容疑)。駐オランダ仏大使ら11人を人質にとって仏当局に拘禁中のメンバーを釈放させ、身代金を奪いシリアに投降。

クアラルンプール事件(昭・50年8月4日)

奥平純三、日高敏彦、和光晴生ら5人がマレーシア・クアラルンプールのアメリカ大使館を占領し、米総領事らを人質にとって日本で拘留中の西川純、戸平和夫ら5人を超法規的措置で釈放させる。

ダッカ事件(昭・52年9月28日)

丸岡修ら5人がインド上空で日航機をハイジャックし、バングラデシュのダッカ空港に強制着陸。乗員・乗客151人を人質にとって日本で拘留中の奥平純三ら6人を超法規的措置で釈放させる。身代金600万ドル(当時16億円)を奪いアルジェリアに投降。

ジャカルタ事件(昭・61年5月14日)

インドネシア・ジャカルタ市のホテルから日本、米国、両大使館に向け迫撃弾4発を発射。同地のカナダ大使館前でも車が爆破される。日米捜査当局は、城崎勉を犯人の1人と断定。

ローマ事件(昭・62年6月9日)

ベネチアサミット開催中にローマ市の米国、英国、両大使館にロケット弾を発射し、更に車に仕掛けた爆弾を爆発させる。イタリア当局は奥平純三を犯人の1人と断定。

ナポリ事件(昭・63年4月14日)

イタリア・ナポリの米軍クラブ前で、駐車中の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、米軍人1人を含む5人が死亡。イタリア当局は奥平純三、重信房子を犯人と断定。

 
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