民主躍進 自民若干減

終始無表情
終始笑顔
 政権選択が焦点となった第43回衆院選は9日投票、即日開票された。
 自民、公明、保守新の与党三党は、解散前の287議席を割り込んだものの、絶対安定多数の275議席を確保、小泉純一郎首相の続投が決まった。

 自民が10議席減(237)に終わり、民主が40議席増(177)の躍進を遂げたことで、国民の「二大政党政治」への期待は一層の高まりを見せている。
 政権交代が果たせなかったという厳然たる事実を踏まえれば「民主勝利」とは一概にはいえないものの、自民10減、民主40増という数字を見る限り、自民に一抹の敗北感が漂うことは否めない。

 何といっても民主党の議席増の要因は“マニフェスト”だろう。
 「抽象的な表現」や「罪の意識ゼロの約束違反」が罷り通っていた政権公約という胡散臭いシロモノを、具体的な数値や目標を掲げて実現に向けた工程表を示す「マニフェスト」へと、“カタカナ変換”することによって、有権者に対して説得力を伴なった訴えが出来たことの意味は実に大きかった。
 また自由党との合併によって、それまで有権者が抱いていた「頼りない」或いは「だらしない」はたまた「まとまりがない」というイメージの払拭に成功したことも、民主躍進の大きな要因となった。

 一方自民党は安倍晋三氏を幹事長に抜擢し、宮沢喜一氏や中曽根康弘氏といった首相経験者のクビを強引に斬ってまで“世代交代”というイメージを前面に掲げて臨んだが、マニフェストへの対応は後手にまわった。
悩める政界の貴公子
眠れる政界の志士
 自民は、小泉首相が道路公団改革や郵政民営化を叫んでも、必ずそれに反対する(足を引っ張る)勢力が居たことによって有権者を困惑させたのに対し、民主は候補者の全員からマニフェストに了解をとった。これらの違いがそれぞれの議席数増減をもたらしたともいえよう。
 兎も角、今回の選挙で国民は小泉政権を支持した。いま自民党に課せられているのは、構造改革路線の一層の推進である。

 
 発言力増大
ヤッター、二党連立だ
 選挙の度に勢力を伸ばす創価学会の勢いには恐ろしいものがある。各区の開票速報はどれも「過去最高得票」ばかりだ。ここはマニフェストも何も関係ない。
 他党の「マニフェスト合戦」などガキの戯言と、神埼代表も「オヤジ」も心の底でせせら笑っている事だろう。

 公明党のHPにはこう記されている。「公明党は、衆院選での支援に応え生活者の声を政治に反映させる政党としてその存在価値を輝かせながら闘っていく」
 生活者の声と言うより、「オヤジ」の声では?

 
 自民に合流へ
せっかく党首になったのに
 保守新党の二階幹事長は10日夕方、都内で記者会見し、同党が自民党と合流することを明らかにした。二階氏は「日本再生のためには政策実現が不可欠。合流する事が国家・国民のためと判断した」と述べた。

 聞こえはいいが、詰まるところ衆院選の惨敗だ。しかも代表の熊谷弘氏が落選するなど、いわば首から上が無いような状態では「一本ドッコ」で凌げない。
 以前から「自民の政策とどこが違うの?」との声もあった。今回の選挙に限らず、存在意義を明確に示せなかった感が否めない。

 
 退潮に歯止めかからず
せっかく天皇制認めたのに
 共産党は10日、衆院選の敗北を受け「議席後退は残念だが、公約で掲げた消費税と憲法の問題は今後の国政の重大な争点であり、国会の内外で全力を挙げて戦う」とする常任幹部会声明を発表した。しかし、具体的な総括は中央委員会総会での議論に委ねるとし、志位和夫委員長ら幹部の責任問題には言及していないという。 相変わらずである。
 共産党員だって具体性・実現性が皆無の消費税話にはウンザリでは?カルトを決め込むつもりなら、信者を飽きさせぬ実現可能な目標を設定しないとね。公明みたいに…。
 
 存亡の危機
せっかく拉致認めたのに
 議席数が過去最低となる惨敗を喫した社民党の土井たか子党首は13日、党本部に於て辞任を表明した。
 後任には福島瑞穂幹事長を昇格させる方針だ。また後任の幹事長には照屋寛徳衆院議員を起用する方向で調整を図っている。

 まあ、党存続という重責を背負って一所懸命な方々に申し上げにくいが、時すでに遅しか。
 拉致はデッチ上げと声高に主張し、国民の生命も国家主権も蔑ろにしてきたんだから、ここらで解党したほうがいいのでは?それとも民主党に合流でもしてみる?どちらにしてもご愁傷様。チーン!

 
 お疲れさまでした
せっかく潔く辞めたのに
せっかく嫌々辞めたのに
まさか俺まで辞めるとは
 今一つ効果が反映されなかった両氏の引退。この選挙結果、両氏はどんな気持ちで受け止めたのだろう。
「総理に恥はかかせぬ。党の若返り」と潔く引退した宮沢氏。これではまるで“犬死に”だ。引き際がカッコ良かっただけに今更ながら引退が惜しまれる。執着していた中曽根氏も最終的には協力してくれたのだが“敬慕の情”の観点からは「厳し過ぎ」とも思えた73歳定年制も、一般社会には“それがどうした”としか写らなかった?
 また福岡2区の山崎拓氏は、女性スキャンダルの逆風に加え、都市部では強いという地の利を生かした民主党候補の前に屈服した。
 
 お帰りなさい
さあー、暴れるぞー
起こるか、加藤の乱第二幕 ヨッ!内助の功
政党別獲得議席数
新議席
選挙前
自 民
237
247
民 主
177
137
公 明
34
31
共 産
9
20
社 民
6
18
保守新
4
9
無所会
1
5
自由連
1
1
諸 派
0
2
無所属
11
5
合 計
480
480
(欠5)
(11月10日現在)
 新潟5区の田中真紀子前外相が苦しみながらも国会復帰を決めた。
 秘書給与疑惑で議員辞職後「政界再編」を掲げ、お得意の“真紀子節”で自民党批判などを繰り広げたが、北朝鮮による拉致問題をめぐる問題発言で被害者家族から「政界引退」を求める猛抗議を受けるなど、最後まで楽勝とはいかなかった。
 「自衛隊のイラク派遣」問題一つ取っても小泉政権との対決姿勢は色濃く、再び真紀子旋風が巻き起こせるか、注目される。

 山形3区では、元事務所代表の所得税法違反や自らの政治資金流用疑惑への批判を受け、昨年4月に議員辞職した加藤紘一元自民党幹事長が政界返り咲きを果たした。
 「当選でみそぎは果たしたと確信している」と喜びを語る加藤氏。今後は自民党への復帰が確実視されているが「党執行部の意向を聞き、後援会と相談する」と話すに留まった。

 また前回衆院選で畑恵さんとの所謂「政界失楽園」騒動で女性支持者の顰蹙を買い当選を逃した自民元職の船田元氏が、栃木1区で民主前職の水島広子氏(比例区で復活当選)を破り、8選を果たした。
 3氏の活躍に期待!

 
トップページその他の記事一覧
©2005 敬天新聞社
info@keiten.net