納税は選挙権の対価ではない
外国人の権利を政争の具にしようったって、そうは「い・かん・ざき〜」(寒っ)
 「永住外国人への地方参政権付与」公明党が躍起になっている。昨秋の衆院解散と共に潰えた“野望”を今一度果たすべく、「外国人の権利を守れ」或いは「真の国際化を図れ」だのと尤もらしい大義を掲げてはいるが、ナニ所詮はカルト信者の猿芝居、真に受ける馬鹿など居るまい―と思っていたら、現状はそうでもなかった。

 いや、公明党の大義が猿芝居ではなかったというのではない、その猿芝居を真に受ける馬鹿が思ったよりも多かったという意だ。まあ、「人権過敏症」という悪疫に冒された患者の脳では、正常な善悪の判断が出来ないのも止むを得まい。

 さて、「永住外国人への地方参政権付与」は、公明党ばかりではなく民主党や共産党も実現を目指す構えだが、病魔に冒された彼らの屁理屈を1つ1つ治療していくとしよう。

 先ず、彼らが一番に挙げるのは「永住外国人も納税している」という屁理屈である。この納税を根拠とした「参政権を付与せよ」との主張自体が、選挙制度を理解していないことの1つの証左でもある。納税の有無やその納税額によって参政権付与の是非を語ることは、貧乏人や収入の無い主婦には参政権を与えるなというに等しい行為だ。弱者や女性を馬鹿にするのもいい加減にしろ。

 言うまでも無く、納税の有無や男女を問わず成人した全ての国民に等しく参政権を与えるというのが我が国の選挙制度であったはずだ。納税は、道路や水道、消防や救急といったさまざまな公共サービスを受けるための対価であって、参政権を買うためのお金ではない。このような公共サービスの恩恵は、永住外国人だって享受しているのだから納税は当然である。

 逆に、選挙権の行使を放棄した国民に対して、或いは選挙権を求めなかった永住外国人に対して納税を免除する国家の存在など、筆者は寡聞にして聞いたことが無い。

 また、永住外国人を語る上で避けては通れないのが在日朝鮮・韓国人の問題である。我が国の場合、永住外国人といってもそのほぼ9割が在日朝鮮・韓国人である。

 「彼らは、特に2世3世ともなると見た目も日本人と似ているし、母国語よりも日本語で物を考え、日本で教育を受けて日本の文化の中で育ったのだから、国籍が日本でないことを除けば日本人と何ら変わりはない」というのだが、それならば日本に帰化すれば良いではないか。日本人になれば選挙権は勿論のこと被選挙権だって得られるというのに、朝鮮・韓国籍に拘るのは何故なのか。それは母国に対する忠誠を捨てることができないからである。

 喩えが不適切であるとのお叱りを承知で申し上げるが、これはまるで妻子が居ながら「君の人生設計に口を挟む権利を僕にくれ。でも妻とは別れたくないからイザという時は妻を選ぶ。紙切れ一枚のことにそんなに拘るなよ、妻よりも君と一緒に居る時間の方が長いし、今まで散々貢いだじゃないか…」と身勝手な条件を押し付ける馬鹿男の論理に酷似している。相手に対してこれほど失礼な要求は無い。

 「国籍以外は日本人と変わらない」と仰るが、その国籍こそが最も重要なのである。

 国籍とは、自らがどの国家に帰属するのかという意思の表明であり、国家の将来を左右する「政治」への参加は、その国家共同体と運命を共にする決意を持つ者だけに与えられる権利なのであって、イザという時にはA国の国益の為に体を張るという方はA国の政治に参加すれば良いのだ。よその国の将来に責任を持てないなら、よその国の政治に容喙するな。

 
 「住民」とは日本国民が前提
屁理屈は程々にネ
 こういうと、必ず「国政への参加ではなく、居住する地方政治への参加なのだから、それぐらいは地域住民の一員として当然の権利ではないか」との屁理屈を吐くという症例もある。

 中には憲法第93条2項「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」という条文まで持ち出して「地域住民だから認めろ」とクダを撒く患者もいるという。

 しかし「憲法第93条2項にいう『住民』とは『日本国民』を意味し、右規定は、わが国に残留する外国人に対して選挙の権利を保障したものということはできない」と最高裁判決(平成7年2月28日)も認めているように、飽くまでも「日本国民」であることが前提なのである。

 それに地方政治といっても、国政と全く関係ないという訳でもない。

 自衛隊や米軍基地等の国防問題は国家の根幹に関わる重要な事柄であり、いざという時に母国の利益を最優先するような人間に(もしかしたらその母国が日本にとっては敵対する国かも知れないのに)、我が国家と我々国民の生命に直接関わる判断をさせることになる。こんなムチャクチャな権利の行使を内政干渉と呼ばずして何と呼ぶのか。

 また、憲法を持ち出すならば、第15条1項の精神も無視してはならない。

 ところが、共産党のホームページには「しんぶん赤旗」の記事として以下のような記載がある。
 「〜(前略)〜憲法第15条1項は、『公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である』とのべています。この規定をとらえて、自民党の一部などから永住外国人への地方参政権付与は憲法違反になるという議論が出されています。

 しかし、この規定は“公務員の選定罷免権は国民が当然もつべき権利、決して奪ってはならない権利だ”という意味であって、永住外国人に地方参政権を保障することを、憲法が禁じているわけではありません。

 平成7年2月28日の最高裁判所判決は〜(中略)〜永住外国人に対し、『法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない』とのべています〜(後略)〜」。

 
 傍論であることを隠した暴論
やはり政権は無理?
確り頼みますヨ!
 先ず、共産党が言っているのは「永住外国人に参政権を付与することが憲法違反だとは憲法には書いてない」ということだ。それならば、誰も『永住外国人への参政権付与を禁じる』という文言が憲法に謳われているとは言っていない、と自民党に代わって再反論しておこうか。

 ただ、後ほど触れる最高裁判決にもあるように「国民固有の権利」というのは国民に限定して付与される権利、という意味なのだから、永住外国人には参政権が認められていないと解すべきであって、そのような憲法の精神と正反対の内容の法令や条例は結果的に憲法に違反することになる、と自民党の一部は言っているのではなかろうか。

 確かに共産党が言うように、前出の最高裁判決には「法律を以って選挙権を付与することは、憲法上禁止されていない」と言っている部分もあるにはあるが、折角ホームページに掲載するなら判決の中の「本論」なのか「傍論」なのかについても明らかにして頂きたかった。

 共産党が言う「判決」とは、飽くまでも“傍論”部分に過ぎない。当然のことながら傍論とは「判例としての効力を持たず、判決の結論とは直接関係の無い、単なる裁判所の見解に過ぎない部分」のことである。一方、同判決の“本論”には以下の内容がある。

 「憲法第15条1項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、わが国に残留する外国人には及ばない」

 「憲法第93条2項にいう『住民』とは『日本国民』を意味し、右規定はわが国に残留する外国人に対して選挙の権利を保障したものということはできない」

 という判断である。傍論よりも格段に尊重されるべきこの“本論”に、共産党が敢えて触れなかったのか或いは見落としたのかは知らぬが、何れにしても自分達に都合のいい部分だけを抜き取って「最高裁判決」とはしゃぐなんざぁ、少なくとも国会議員のやることではないと思いますが、如何なモンでしょうか。

 また、憲法第15条1項の「国民固有の権利」という部分を「国民が当然もつべき権利、決して奪ってはならない権利」という不十分な解釈しかできない共産党も共産党だが、判決の傍論とは言え「永住外国人に地方参政権を保障することを、憲法が禁じているわけではない」などと、凡そ本論とはかけ離れた(正反対の)見解を述べる裁判所も裁判所だ。こんなトンチンカンなことを言うから共産党が勘違いをするのだ。

 「固有」という日本語の意味を辞書で調べると「もとからあること。そのものに限ってあること」と書いてある。つまり日本国民である以上、特別なことをしなくても(もちろん一定の年齢に達すればだが)もとから持っている権利で、日本国民に限って与えられた権利、ということになる。

 例を挙げると「北方領土は日本固有の領土だ」と言った場合には、「北方領土はもとから日本国の領土であり、日本国だけの領土である」という意味になる。もちろん現時点では、どこかの“火事場泥棒”に奪われたままだが。

 これを共産党風に解釈すると「北方領土は、日本国が当然持つべき領土で、決して奪ってはならない領土だが、法律を以ってこの領土を外国に譲ることは憲法上禁止されていない」という意味になる。最早こうなると屁理屈としか言いようが無い。

 「屁」理屈に負けないぐらい臭い「鼬の最後っ屁」でお別れするとしよう。

 永住外国人が最も多く居住する地域は大阪府で14万人、次いで兵庫県の6万人、首都東京は第3位で5万人となっている。これらの地域全てが公明党の高支持率地域となっているのは偶然でしょうかねえ…?

 
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