テロリストの大罪を風化させるな

いつの間に日本人は『死屍に鞭打つ』民族
になったのか
 イラクで武装テロ勢力に拘束されていた香田証生さんが殺害された。それも、後ろ手に縛られた状態で首を切断するという残虐・卑劣極まりない方法で殺害された。如何なる理由があったとしても、このような行為は人間の所業とは呼べない。それこそ畜生以下のやることである。

 「イラクが危険なことを知ってて自ら行ったのだから、彼の死は自業自得だ」との意見が国内に蔓延している。彼の行動の無謀さは本紙も否定しない。

 再三再四に亘る政府の勧告を無視し、4月に起こった2件の邦人人質事件だって知っていた筈だし、単身で、しかもジーンズにTシャツという一目で外国人と分かるような目立つスタイルで、況してやイスラエルからヨルダンを通ってイラク入りしたことが分かったら、仇敵と見られても仕方がない。そんな状態でテロリストの“村”をウロウロしていれば、危険な目に遭わない方がおかしい。

 しかし、だからといって彼が殺されても良いということには絶対にならないのであって、テロリストの卑劣な行為は許されないし、許してはならないのだ。

 民主党の岡田代表は「自衛隊派遣が、世界中で日本がテロの標的になる可能性を高めた」と、恰も自衛隊のせいで彼が殺害されたかの如き発言をしたが、こんなものは「タラレバ」論の最たるものだ。

それをいうなら「もしも我が国自衛隊が集団的自衛権を行使していタラ、米軍と共により多くのテロリストを殺害できた」であろうし、そうすレバ「邦人が人質とならずに済んだ」かもしれない。こんなことを言い出したらキリが無い。

 ああしたから可能性が高まった、こうすれば可能性は低かったといっても、その可能性を数字(%)で表すことすらできないのに何を言っているのか。

 イラク中部ファルージャでは14日、手足を切断された西洋人女性とみられる遺体が海兵隊員によって発見された。本稿作成時点に於いて身元の確認はまだ取れていないとのことだが、テロリストに殺害されたと見て間違いなかろう。

 本来のイスラムの教えでは女・子供は殺さない筈だが、イスラムを守るためにイスラムに背いているのだから本末転倒だ。こうなると「イスラム守護を大義名分にして、また、自らがテロリストである事にかこつけて残虐な殺害を楽しむ、単なる変態・快楽殺人鬼」としか呼べまい。何故なら他の大多数のイスラム教信者は、このような卑劣で残虐な行為を憎んでいるからだ。

 兎も角も福岡県警、警察庁には、如何なる困難があろうとも、徹底した執念の捜査で犯人グループと実行犯を捕まえてもらいたい。

 また、そうするためにも自衛隊は復興支援活動を継続すべきだ。イラク政府とイラク国民を助け、イラクの人々に勇気を与えてもらいたい。それがイラクの民主化を促し、延いては治安回復、犯人逮捕の一助となるからだ。そして、イラクに平和が訪れることによって、亡くなった香田証生さんの供養に繋がることを祈らずにはいられない。

 
トップページその他の記事一覧
©2005 敬天新聞社
info@keiten.net