自民党をぶっ壊すのは大いに結構だが、それだけの信念があるんだったら…
 

 60回目の終戦記念日を迎えた15日、注目されていた小泉首相による靖国神社参拝は見送られた。「如何なる批判を受けようとも8月15日に参拝する」と断言して首相に就任しながら毎年別の日に参拝を続けてきた小泉首相だが、その公約は今年も果たされなかった。

 各種世論調査の結果でも明らかなように、衆院解散後の内閣支持率が上昇している。つまり「危険を冒して参拝するよりも現在の支持率維持に努めたほうが衆院選に有利」との計算のもとに参拝を見送ったのではないか。

 郵政民営化については「殺されてもいい」ほどの信念と決意で臨みつつ、終戦記念日の靖国参拝には左程の信条も覚悟も無い。これでは首相自らが、お国の為に戦って亡くなった英霊よりも、郵政民営化やそれに伴う選挙の方が大事だと国民に示したことになる。

 確かに小泉首相は、公約こそ果たせないものの毎年一回は靖国に参拝している。昨今の首相経験者の中でも、最も国民の信頼が厚い首相と呼べるだろう。しかし、批判を受けつつ毎年参拝することが可能なら、また一国の首相が「殺されてもいい」ほどの覚悟で終戦記念日に九段へ向かうなら、その足取りを止めることは誰にもできまい。

 国家の為に殉じた国民(英霊)を知らん振りするような国家に、どうして国民が忠誠を誓えようか。それらの人々の慰霊は、如何なる重要法案や改革よりも最優先されるべきだ。

 目先の選挙の為に大切なことを見失い、自虐史観に基づく教科書に匹敵するほどの悪影響を我が国の青少年に与えていることに、小泉首相は気付くべきである。

 
 
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