▼新年明けましておめでとうございます。

 昨年は、未曾有の災害の年でありました。自然災害は神の怒りであり、警鐘であるわけだから、生物の一員でしかない人間の驕りたかぶった感情でどうにかできるものでもなく、生きていく上での自然の厳しさと恐ろしさを識(し)り、恐れ、反省する機会でしかないのです。その繰り返しが何千年、何万年と続き、その土地、その国によって風習や伝統として継承され、文化として残っています。

 たとえば注連(しめ)飾りもその一つですが、新年にあたり新しい神を迎え家内安全、無病息災を祈願する日本古来の風習であることの意義と必要性を家庭で教える機会が減ったのだろう。親子、兄弟姉妹、親戚の関係が薄れ、夫婦でさえプライベートは別という、日本人が大事にしてきた演歌の世界さえ否定される個人主義に毒されてしまっているのである。

 この個人主義というのが問題で、縦、横でつながった関係を全く断ち切って、自分だけ良ければいい自分だけ助かればいいという、犠牲的精神、惻隠の情、慈悲、忠義、孝、という人間として最も大切にしなければいけない心を忘れさせてしまっているのである。

 個々には育ち行く過程で幸、不幸はあるかもしれないが両親のお陰でこの世に生まれ、育つわけだから、どういう理由があっても先ず両親に感謝が先にあれば親の徳行は子供への最上の遺産となって受け継がれ、昨今アメリカ並になった凶悪犯罪は極端に減る筈である。

 文部省は子供に気をつかい親に喜ばれようと人気タレントが歌った唄や詩を教科書に採用しているが、喜劇役者のポール・牧さんの詩「歳を重ねし人へ」(本紙第89号に掲載)という年老いた人を思いやる優しさの中に厳しさを訴える素晴らしい作品があるが、文部省はこういう詩をこそ今の若者に読ませなければならないのである。

 
▼野球の球団所有者に楽天が決まりホッとしている。楽天もソフトバンクもIT産業を理解できない私には他人の褌で相撲をとり楽して儲けている不逞の輩に見えて仕方がないが、あの堀江とかいうライブドアの社長に比べたら、まだ礼儀や常識を知っているようだから、ホッとしたのだ。あのバカ野郎が32才の若さで百億を稼いだから、ジェラシーで怒ってるわけじゃない。1人で日本を背負ってるような言動を公然とするから、お灸をすえる必要がある、と思っているだけだ。

 「稼ぐが勝ちー」だの、「100億稼ぐ仕事術」だのという自書の中で、「僕は短期間で100億円を稼ぎ出しましたが、旧態依然のオヤジ世代にはつかむことはできません。これまでの社会システム、会社システムの中に安住してきた人たちには、今後ますます苛酷な未来が待ってるでしょう」と、お国のために、会社のために、家族のために、自分を殺してひたすら働いてきたオヤジ世代を否定しているのである。

 このバカ野郎!ふざけんじゃないッ。今日の繁栄と豊かさ、平和、誰の御陰様なんだ。

 返す刀で貯蓄は美徳、という考え方は戦時中の名残りにすぎず、若者よ金を使え、貯金などするな、と若者をあおっている。このバカ野郎、お前は東大出て、頭がいいからたまたま儲けたかもしれない。みんながお前のマネして、お前のように儲かる訳ないだろう。老後や万一の災難や将来の設計に備えて貯金をしたりするもんだろうよ。庶民の苦しい気持ちもわからないで、このクソ野郎。「人の心はお金で買える」だとか「自己中でいこう」だとかおよそこの男には道徳という概念がない。30年間の人生の中で親を始め学校の先生といいロクな師に出会わなかったのだろう。心がどんなに貧しかろうが、人にどんなに恨まれようが、人を地獄に落とそうが、金さえ貰ければそれが一番正しい、と親に教えられたのだろう。悲しいことだ。

 今の若者の代表的な犯罪にオレオレ詐欺がある。昔の若者なら恥ずかしくて絶対にやらなかった犯罪だ。ヤミ金犯罪も現場で直接営業にたずさわっていた従事者はやはり若者だった。昔に比べて無責任、無軌道な若者が増えたのは事実だ。「衣食足りて礼節を知る」というのは、あまりにも貧しかったら礼節どころの話ではない。常識的な衣食があって、初めて礼節にも余裕がある。という意味だろうが、今の若者は「衣食余って礼節を知らず」者が多く、恥というものがどんなものなのか、どういう場合や状態を恥というのかがおそらくわかってないのだろう。

 堀江という男を見ていて年配者に対する気配りや畏敬の念が全くないのがよくわかる。このクソ生意気なガキが1人で儲けようが金でころぶ安っぽい女を芋づる式に手にいれようが、そんなことは構わない。テメェーの器量の範疇なら、それもいいだろう。私が言いたいのは日本の歴史を受け継いできた年配者を全否定するな、ということだ。

 どんな鍛えた肉体でも歳と共にくたびれてゆく、どんな美貌もシワと共におとろえてゆく、社会システムも会社システムも時代と共に変わるだろうし、制度疲労や金属疲労を起こすだろう。そんなことが何十年に1回づつ起りながら歴史は続いてきたんだよ。それに貴様は優秀だから、たまたま今は成功した。

 しかし100万人の若者がみんな貴様のマネをして、みんなが成功する訳がなく、失敗した時、貯金もない、女も口説けない、自己中だったら誰も相手にしないだろう。そんな若者が増えたらどうなる。生きて行く自信を失って自殺するか犯罪に走るだろう。いや、それより貴様を恨んで後からブッスリ、ということもありうる。

 今チョッとだけ時流に乗ったからと言って、あんまり天狗になるな。人生はそんなに甘いもんじゃない。あまりに天狗になると真っ逆さまに地獄へ落とされることだろう。あれだけ大成功を収めた西武の堤義明氏でさえ、これから地獄を見るだろう。

 今度、どこかで君と会うことがあったら、私は問答無用でタンコブのできるくらいのゲンコツを御見舞しようと思っているが、それは君への叱咤激励と反省、男として大人としての教育的指導と受けとめ、私からの愛情を受け入れなさい。

 世の中には金で買えないものもあるし、自己中では人はついてこない。ただ100%ではないが、大人の病気の85%ぐらいは金があれば治るような病気であることは事実だ。私の場合に限っていえば、悩みといい、病気といい、金があれば98%ぐらい治るような気がする。

 

▼会計事務所に携っている友人から、おもしろい話を聞いた。10月に新札が発行されたが、古い札は2年後には無効になるらしい、というのである。過去にそういう事例は聞いたことはなかったが、ふとそれが本当なら、誰の発案か知らないが、景気回復や犯罪防止につながる、すごいアイデアだと思った。

 タンス預金も一挙に表に出るだろうし、今までの犯罪で稼いだ金や脱税で隠してる金も2年以内に一度は表に出さないと紙宵になってしまう。となれば、我先にと両替に駆けつける。そうすれば銀行は活気が出てきて、市場で金は回り、隠れた金が一度は公になり裏稼業の収入も全てわかり、一時的には日本には、いったいいくら金があるのか、その実力と実態が見えてくることだろう。

 庭に金を埋めてるような成金や違法行為でごっそり儲けた悪党共が困るだけで一般庶民は何ら困る話でもない訳だから、この際、一度バッサリ、ニセ札一掃、犯罪撲滅、景気回復の祈願を込めて、ぜひ実行してみては如何だろうか。

 
▼パスポートにICチップを入れて、偽パスポート追放をより厳しくする為に日本政府が立ちあがった。これだけ豊かな日本人が何故偽パスポートを作る必要があるのか理解できないが、それでも厳しくするというのは、そういう不逞の輩がいる、ということだろう。

 それらを完璧に取り締ろうと思ったら、罰則規定も同時に引きあげないと、意味がない。やはり懲役10年以上、とすべきである。そうすればバカバカしくてパスポートを売買する者など出てこないだろう。

 そんなことより中国や韓国に対して「貴国のパスポートは安っぽい。簡単に張り替えが可能で犯罪の温床になっている。国民性の家族愛や兄弟愛を利用して外貨を稼ぐため、わざと細工しやすいパスポートを発行し、出稼ぎを奨励しているのではないか」ぐらい抗議するとか、真剣に改善策を講じるよう主張すべきである。

 来年3月になれば、愛知万博の期間、韓国人はノービザで来日が可能になったことで、強制送還になったような輩も大挙して押し寄せ、そのまま居座る者も多かろう。

 またフィリピンの踊り子達8万人の芸能ビザを8千人まで減らす作戦らしいから、ここでも相当なオーバステイが予想できる。中国や韓国に比べてフィリピンは親日的なところがあるから、もっと優しくしてあげた方がいいと思う。

 
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