社主の独り言は下段↓にあります
 
 
 

 
 
 
▼最近またM資金詐欺が横行している。M資金詐欺は景気が悪くなると形を変えて出現する。

 最近よく聞く話は「国が特殊法人を解散する方針を打ち出した。解散するにあたって、元の出資者に余った金を返す。その精算人に選ばれたが、浮いたお金は精算人が無期限借り入れが出来る」という精算人が現れ、その枠が何十億もあるらしく、関係者に日本銀行の発券局長やら一流銀行の頭取、専務等の名が出たりして、いざ精算完了日になると、印鑑が足りなかったり、手数料が足りなかったり、出席者が遅刻したりと延々と実行日が延びるのである。

 その度に「あといくら資金が足りない」と追い銭を払わされて、疑いもせず実行日を待つというから、苦しい割には気の長い人達である。冷静に考えれば嘘だとすぐ分かる。何のことはない、関係省庁や登場してくる銀行、各人に問い合わせすれば直ぐに答えは出る筈である。

 銀行などは、この話が本当なら「個人的な案件にはお答えできません」と答えるし、嘘であればハッキリと「そういう事実はございません」と答える。それに信用を第一とする(最近は全く信用はないが)銀行が仲介に入って、当日になってあれが足りない、これが足りない、と20回も30回も延期するかね。

 こういう輩は本当の詐欺師だから、相手の弱みに突け込んだり、心理を読んだりしながら「貴方だけへの贈り物」などと言って“秘密厳守”を強調するのである。

 そんな特別ないい話が今の「アナタだけ」に来ますかね。そんないい話は偉い政治家か役人、一流企業の社長、勢いのある暴力団、あとはホリエモンぐらいかな。我々凡人にそんないい話が来るわけがない、と思っていればそういう詐欺師に引っ掛かることはないのだが、ついつい、ひょっとすれば今の俺なら、と秘かに期待するところが凡人の弱いところである。

 こいつら中年・熟年詐欺師は犯罪意識を明らかに持っている奴等であるが、恐いのはオレオレ詐欺を罪の意識もなく遊び半分でやるバカ者集団である。

 泥棒や詐欺、援助交際という名の売春(貧しい国の人が生活の為にやるのはよい)がいかに恥ずかしい行為であるか、ということを親や先生や世間が耳にタコができるぐらい、口をすっぱくして言うべきだ。

 いや、あの騒音おばさんぐらい怒鳴るべきだ(♪反省しぃー、反省しぃー、とっとと反省しぃー、シバくぞ!)。

 褒めて長所を伸ばすのもいいが、叱って、やってはいけない事を注意したり教えたりするのはもっと大切なことではないのか。ちょうど権利と義務が表裏一体のように。

 
▼私は基本的には霊能者というのは信じない、嘘だと思っている。だが時々その人の意見(予言?)を聞いて「あぁ本当に当たっていたなァ」と思う時がある。

 いかにも詐欺師くさいニセ者が多いから、惑わされてしまうが、沖縄の田舎とか青森の恐山とかあたりには、いかにも本物らしき人がいそうな気もする。

 例えばオーラという言葉があるが、確かに感じる時がある。一番いい例が売れてる芸能人である。目の錯覚か見習れるせいか分からないが、不細工な三角な奴も、歪んだ四角な奴もみんな可愛い丸に見えるのである。特に不思議なのは売れてる時に撮った写真が、売れなくなったら色褪せてしまうことである。

 先日、ある人に「あなたはいい顔相している。将来相当な財を成し、ひとかどの人になる」と言われた。

 思えば子供の頃から何回か似たようなことを言われた記憶がある。私の場合、いたずら小僧で元気が良かったので大人の目には「何かやりそう」に見えたのかもしれない。我々にも、予言者ではないが、子供を見て、その子の将来が見えるような時がある。

 しかし、「将来相当な財を成し、ひとかどの人になる」と言われた私も、もう充分すぎる大人の歳になったのである。あと幾つ寝ると将来になるのだろう。あと何年経ったら財を成すのだろう。

 そういえば子供の頃「大江ん、四つ角ん、キャンデ屋ん息子」と呼ばれたことを思えば、四つ角から一角にだんだん下がっているのじゃなかろうか。「よつかど」と「ひとかど」っていったいどっちがいいのだろう?いやこの際、この不景気を乗り切るにはあの先生の予言力、いや顔相力に期待するしかあるまい。

 
▼環境汚染を防ぐことを目的に東京都がディーゼル車を乗り入れ禁止にしたことで、殆んどの大型街宣車は都内を走れなくなった。

 国の為、地球の為、未来の為、致し方ない決断、と石原慎太郎知事の英断に拍手を送ったものの、いざ実施されると、当社みたいな清貧団体(一度こう書いてみたかった)は骨身にしみて応え、街宣車が減る一方である。

 排ガスの規制を厳しくするのは多いに結構だが、排ガス規制をクリアする装置を開発してくれないと、古いのは全て廃車にして新車を買いなさい、と言っても我々みたいな清貧団体(また書いてしまった。ついつい心地良い響きなもんで)には大型バスやトラックの新車を購入する資金力もないし。

 読者の皆様の中で、ガソリン車の新車に買い換えるのでこの際古いのはあげてもいいよ、という中年太りの太っ腹の方、できれば四トンロングのトラックが今一番欲しい車です。ぜひ御寄付をお願い致します。

 
▼子供の頃、薬を飲めば何の病気でも治っていたような気がするが、大人、特に50を境に、どんな病気も薬で良くなることはほとんどない。今より進行しないのがやっとで、よくなることはない、と医者に言われる。自然治癒力が大人になればやっぱり落ちるのだろう。子供なら心も身体もどんどん成長し、やり直しが何度でも効くが、大人になれば心も身体もやはりボロボロになっていくのだ。

 ついこないだまで気持ちだけは実年齢より若かったのだが、成人病が増えるにつれ、実年齢を自覚するようになり、症状が深刻になるにつれ実年齢を気持ちが追い越すようになるのが怖い。病になると世相が暗くなり、心が暗くなる。金欠病というのはガン病に匹敵する程の病なり。あぁクワバラ、クワバラ。

 
▼ポール牧さんが亡くなった。昨年の夏、私の両親の年忌法要にわざわざ長崎まで来て下さった。そして出席者に、心に残る魂の詩を披露して下さった。

 あまりにも素晴らしかったので、私は本紙89号でその詩を掲載した。

 暮には、平浩二氏のクリスマス・ディナーショーの司会をされた折、楽屋を訪ねたら、新聞に自詩を掲載したことをとても喜んで、何故か涙を流して強く握手された。それから数日後、「友よ」と題する詩を達筆な筆字で額に入れて贈って頂いた(紙面上)。

 今年の9月に南有馬町少年柔道部40周年記念の司会をお願いし、本人も喜んで引き受けて下さっていたのだが。

 今、社主室の片隅に、この詩が悲しく飾ってある。

 
 
トップページ社主の独り言一覧
©2005 敬天新聞社
info@keiten.net