小紫芳夫クン、貴方も同罪ですゾ!

 やはり当紙の報道は正しかった。と言うと手前味噌になってしまうが、事実だから仕方が無い。
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 言うまでもなく移植ネットとは、ドナー(臓器提供者)から摘出した臓器をどのレシピエント(移植待機患者)に移植するかを決定する機関であり、このような臓器の斡旋を我が国で唯一認められている団体である。
 言い換えれば、我が国の臓器移植は、必ず移植ネットを経由して行われるという事であり、それ故に移植ネットには中立性が求められるのだ。

 例えば、移植医Cが臓器の斡旋に携わり、順番から言えばレシピエント患者Aに移植される筈だった臓器を、自分の担当するレシピエント患者Bに配分するよう便宜を図ったとしたら、公平などとは到底呼べまい(もちろん患者A,Bの血液型やその他の条件が同じだったと仮定した場合)。
 このような行為が繰り返されるとどうなるか。
 移植医Cが務めるD病院は1年間に100件の移植手術を行い、その他のE,F,Gなどの病院はそれぞれ1年間に10件程度だったとしよう。移植手術に関する知識や経験、技術が発展・向上するのはどの病院及び医師か。
 その結果、病院の知名度や医師の社会的地位が著しく向上するのはどの病院・医師か。
 更に、貴方が移植を希望する場合、或いは親族がそのような状況に置かれていたら、どの病院を選択するか。
 また、前記の患者A・Bの時と同様に、臓器提供を受ける順位を繰り上げることが移植医Cにとって可能であれば、恐らく移植医Cに“注文”が殺到することだろう。移植医Cも顧客全員の期待には答えられないから、金額次第で移植待ちの順位が決まるだろう。
 斯くして表ルートとは別に、裏ルートでの“闇臓器売買”が横行し、ヒトの臓器と札束が飛び交い、金持ちは長生きし庶民は早死にするスバラシイ世の中が誕生して、拝金主義に更なる拍車が掛かる…。

 
 医療倫理とは?

 とまぁ、ここまで言ってしまうと大袈裟に聞こえるかもしれないが、現に移植先進国アメリカでは、臓器の売買を合法化すべきであるとか、公平の原則を取り払ってドナーがレシピエントを自由に指名出来るようにすべきだ等の意見も出始めている。
 無論、実現される見込みは今のところは無さそうだが、もし実現するような事があれば、アメリカの51番目の州である日本(?もちろん皮肉です)も、数年遅れで実現化するであろう。

 いや、既にアメリカよりも一足お先に実現していると言えなくもない。
 昨年7月1日、聖路加国際病院で脳死と判定された男性の腎臓が、生前の本人の意思を尊重して親族に提供された事が問題となったが、結局は何のお咎めも無かった。
 更にその数日後、平成11年3月に行われた医師国家試験の問題の中に『脳死者からの臓器移植で正しいもの』を選択肢から選ぶ出題があり、その中の『家族への優先的な移植』という選択肢が不正解であったことが分かった。
 厚生労働省の担当者は新聞紙上で「誤解を招く設問だった。問題を作成した先生方に事情を聞いて対応していく」というようなコメントをしていた。
 これは、医療倫理と現実との乖離に悩んだ挙句、本来ならば倫理を重んじて自らを律し、現実をこそ改革すべきところを、現実は変えずに医療倫理や試験問題の方を現実に即した都合の良いものへと変えていく、という誰かさん達の体質を如実に物語っているのではなかろうか。
 ともかく、ドナーがレシピエントを指名する事が合法化・黙認されるならば、カルト信者による教祖への臓器提供も可能となるだろうし、臓器を自由に売買できるようになれば、借金の形に臓器を売る者も現れるだろう。
 そうなると、何時ぞや世間を賑わした商工ローン=(早く言えば悪徳金貸し)『日栄』元社員のキメ台詞「目ン玉売ってでも金返さんかいコルァー!」も、単なる脅し文句ではなくなって来るということか…。

 
 中立性崩壊を招いた張本人

 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■だからこそ同大総務部保安課の大島國博クンあたりは、トンチンカンな嘘で必死に取り繕い、当紙の取材を拒んだのか…(拒んだと言うより恫喝に近かったケド。詳しくは当紙昨年10月号を参照)。
 今では国(厚生労働省)も移植ネットもマスコミもそして世論も、心臓手術ミスによる小6女児死亡事故にばかり関心が集中しているようだ(無論この医療ミスも由々しき問題なので、この後の段落で取り上げます)。

 しかし、少なくとも現段階で臓器提供の意思を示している人たちは、公平に臓器が分配される事を前提として臓器提供意思表示カードに記入しているのだ。
即ち移植ネットや医療機関に対する国民の信頼が揺らげば、善意による臓器の提供で成り立っている臓器移植という『医療行為そのもの』の存続が危ぶまれることになるだろう。

 既に当紙昨年9月号でも報じた内容だが、移植ネットが発足した当初、厚生省(現厚生労働省)は太田和夫(元東京女子医大教授)という人物を移植ネット理事に推していたが、小紫芳夫(移植ネット会長)の猛反対で却下されたというエピソードがある。
 このときの小紫の反対理由は「移植医が移植ネット理事に就任すると、臓器の斡旋に関わっていると見なされ“お手盛り”との批判は免れない」というものであった。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 移植ネットの中立性崩壊を招いているのは他でも無い、同ネット会長の小紫芳夫であり、
■■■■■■■■■■■■■■■■

 
 虚偽・改竄のチームプレイ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 さて、東京女子医大で起きた心臓手術ミスによる小6女児死亡事故について。
 このニュースは前記の問題よりも各メディアが大きく取り上げているのでご存知の方も多い事と思われるが、念のために事故の概要を説明しよう。

 亡くなった女児は昨年3月2日、心房中隔欠損症の治療の為、東京女子医大付属病院(林直諒院長)で手術を受けた。
 その際、担当医らが人工心肺装置のポンプの回転数を通常の2倍以上にあたる1分間100回転に上げた為、同装置が正常に作動しなくなった。結果、15〜20分ほど脳に血液が供給されなくなり、脳障害に陥り3日後に死亡した。
 同病院はこれらのミスを隠蔽する為、操作ミスの経緯や女児が脳障害に陥った事実などをカルテの一部である手術記録に記載していなかった。
 また、女児の脳障害の程度を軽く見せる為、実際には6〜7ミリだった瞳孔散大の大きさを4ミリと改竄したり、或いは人工心肺装置の操作ミスによって脳に血液が供給されず浮腫が発生する事を恐れ、低体温にするなどの処置も行っていたが、この事実も手術記録には一切記載されていなかった。
 更には、女児の家族に対し「手術はうまくいった」などと説明し、女児死亡後は、死亡診断書に「心房中隔欠損症」という虚偽の記載を行っていた。その後、本当の死因は「脳循環不全による重度の脳障害」であった事が判明した。

 遺族は今月8日、手術チームの医師ら5人を業務上過失致死容疑で警視庁に刑事告訴。翌9日、厚生労働省と東京都が同病院に立ち入り調査を行った。
 同病院は、高度医療を施す特定機能病院として同省から承認されているが、今後この承認取り消しも含めて処分が検討される。
 以上が今日(1月10日)現在の情報だ。
 それにしても、人工心肺装置の操作ミスで患者を死に至らしめるという初歩的且つ重大な医療ミスには我が耳を疑ってしまうが、更にその医療ミスを誤魔化すため、本来の症状や死因までも虚偽を記載して憚らないのだから、何をか言わんや。
 遺族の深い悲しみと怒りは察するに余りある。

 冒頭で述べた■■■■■■■■■■この医療ミスによる死亡事故も、根底にある原因は共通している。
 即ち“使命感の欠如”である。
 医師として、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■自らに課せられたる使命の何たるかを確りと自覚していれば、どちらもここまで深刻な問題や事故には発展しなかったに違いない。
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■或いは知らぬ間に勝手に手が動いてカルテに虚偽の記載をした訳ではあるまい。
 そこには、人間なら誰にでもあるミスというものも存在したであろうが、何より明確な『意思』があった筈だ。
 創立100周年を記念して総工費300億円の新校舎・新病棟を建てるため、その募金活動に奔走するのも結構だが、そんな事よりも、医師を目指す学生達に大学で徹底的に指導すべき大切な何かがある筈だ。
その大切な『何か』を忘れてはいませんか?
吉岡理事長!〔つづく〕

東京女子医大の秘密主義は、あなたの指示によるものですか?吉岡理事長 問題続出で激震が走る東京女子医大
平成14年5月16日東京新聞
本紙第1報から約8ヵ月後、
「厚生労働省の検証会議(座長・藤原研司埼玉医大教授)は、『レシピエント選択などは公平かつ適正で問題はない』と評価する一方、日本臓器移植ネットワークの中立性を損なったという批判に対し『社会の不信感を払拭するルールを作る必要がある』と指摘した」
ということを報じる、平成14年5月16日付け東京新聞
 
トップページ教育・医療・福祉関連一覧
©2005 敬天新聞社
info@keiten.net