“中立”の立ち場から特定の美容外科と“業務提携”?
 強気の秘密は協力な後ろ盾

 言うこと為すこと全てに一貫性を欠く、美容医療系カウンセリング会社『裕梨メディカルアシスト』北口裕梨代表)の本質が“利己主義”に基づくものである事に、最早疑う余地はない。

  同社運営のカウンセリングルーム(渋谷区神宮前)で「利用者と美容外科クリニックを中立的立場から仲介する」といった、とてもご立派な方針を掲げながらも、HP『ピグワイ』をクリニック宣伝の広告媒体に活用するなど、中立性を損なうような行為を平然とこなしている。

 更に、同社カウンセリング利用者を対象に、紹介先であるクリニックでは割引制度のサービス提供を行なうなど、利益追求に重きを置いた業務提携としか言い様がなく、「中立的立場による仲介」が単なる“客寄せの戯言”でしかないことを自らの行動で露呈させている。

 何よりも、これ等の業務を有利に進めるために特定のクリニックを的にした批判中傷をHP『ピグワイ』にて執拗に展開し、交渉相手であるクリニックに目に見えぬ圧力を知らしめるに至っては、利益追求の為には手段を選ばない、同社代表=北口裕梨の飽くなき商魂が見て取れる。この事実からも、同社が運営上にて最も重要視しているのが、時には脅迫的手法を駆使してでも得る、クリニックとの“ゼニ絡み”の取引関係と断言してもよいだろう。

 それでも尚、同社は「全ては相談者の為を思って」とする建前を前面に出し、何処のクリニックにも属さず干渉も受けない中立の立場であるといった姿勢を崩さないのだ。では、言動不一致が誰の目にも明らかなこの状況下で、どうしてこれ程まで強気の姿勢でいられるのか。

 其処には、同社の「二面性からなる運営方針」でさえも全面的に支持する、強力な団体の後ろ楯があるからに他ならない。

 それが、「インターネットを通じて正しい医療関連情報の提供を目指す」ことを目的とする、NPO法人「日本インターネット医療協議会」(中野区中野3-44-15)の存在であり、同社はここの会員だからである。

 NPO法人の会員は、その法人の目的に賛同して入会した者(個人・団体)を指すだけに留まらず、『特定非営利活動促進法』上に於いては、正会員をもって社員とすることが示されている。要するに、NPO法人とその会員の関係は“公益の増進に寄与する”ことを第一の目的に、その実現のため“非営利を基本”とした上で、共に事業を行なうということだ。現に同社は「NPO法人が定めたガイドラインに則した情報発信をし、その内容は別に定める倫理コードを基準にしている」と広言している。

 ならば、同社運営のHP『ピグワイ』が本音と建て前を巧妙に使い分け、時には罪なきクリニックを窮地に陥れてまで営利に走る姿勢を、NPO法人「日本インターネット医療協議会」はどの様に捉えているのだろうか。

 
 
 NPOも所詮人間の集まり

 同法人の三谷事務局長の話では「ピグワイが公正で責任ある情報発信者であるかは調査します」とのことであったが、その後も長期間に渡り『ピグワイ』は悪意を剥き出しにした情報を垂れ流し続け、今も同法人の会員であることを誇らしげに名乗っている。ということは、同法人は『ピグワイ』を運営する裕梨メディカルアシストを会員として相応しいと認め、その事業内容には「公益性がある」と、支持し容認したということになる。

 広範囲に情報伝達が可能なインターネットを通信手段に用い、手前勝手に標的にしたクリニックに容赦ない攻撃を仕掛ける者を、何故に公正で責任ある情報発信者として認めるのか。また、損害賠償等の訴訟を引き起こしかねない行動の、何処に公益性が認められるのか、全くもって理解に苦しむ。

 現在、設立基準の甘さが禍し、自ら公益性を損なうような正に本末転倒とも言うべきNPO法人の存在が問題となっている。中には公益増進への寄与を隠蓑に当初から事業収益のみを目的とした、悪質なNPOも少なくない。

 では、脅迫紛いの手法をもって営利を貪る会員を野放し状態で看過する同法人は、この手の悪質NPOと同類なのか。

 だが同法人の表面上からは一切の悪質性は見て取れない。逆に、巷に溢れるその辺のNPOの規模とは一線を画する団体だ。一般企業にあてはめるならば、経営責任者にあたる理事長には札幌医科大学教授で、解剖学ではかなり名の知れた辰巳治之が鎮座している。

 また副理事長には、花井荘太郎(国立循環器病センター勤務)と水島洋(国立がんセンター勤務)の2人が理事長の脇をしっかり固めている。他の理事にしても、大学病院の助教授や総合病院の理事長、そして弁護士と、その顔ぶれはNPOの枠を超え、公益法人に勝るとも劣らない陣容である。

 これほどの有識者が揃っていれば、同法人が目的としている「インターネットを通じて正しい医療関連情報の提供」の実現などは、造作もないことだろう。では何故、公益性を微塵も感じさせない行動をとり、況してやNPO精神の欠片も無い利己主義で凝り固まった「裕梨メディカルアシスト」に、同法人は会員資格を与え身内として容認するのだろうか。この先、同社の存在が“様々な”悪影響を及ぼす危険を承知の上でなら、尚更のことである。 

 考えられる理由はただ1つ、同法人若しくは辰巳治之理事長が、同社が吐き出す“毒”を必要としているからだろう。

 公益重視のNPO法人とて、組織の肥大化が進めばそれに比例し資金力も付いてきて、事業収益が膨れ上がれば欲が出てきてもおかしくない。況してや、公益性を掲げる立場からの発言力を有効な“武器”として使用すれば、活動上での関連する業界や団体への影響力も増していくし、無論、発言に毒気があれば更に申し分ない。

 同法人に、今後単なるNPO法人の枠を突き破り、医療関連業界への“圧力団体”として変貌する思惑があると仮定するなら「裕梨メディカルアシスト」を重宝する姿勢にも納得がいくというものだ。

 何はともあれ、NPO法人「日本インターネット医療協議会」の動向には、主務官庁にも協力を仰ぎながら、今後とも注視・観察する必要がある。
(まだまだつづく)

 
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