野村エステート・ファイナンスは純粋な全国保証の子会社であり、最初から上場を目的とした会社だった為、はなから東京本店、大阪支店の２拠点で営業開始するという力の入れようだった。全国保証としても、金かけてもＩＰＯによる利益で埋めればいいやとタカをくくっていたのだろう。しかし、色々、株式上場させるためには問題点も出てきた。
そして、そのうち野村エステートファイナンスではＩＰＯ出来る可能性がなくなった。ＩＰＯの可能性のない負債会社を全国保証が持ち続けるわけに行かなくなった為、全国保証は「全国保証の子会社である株式会社イッコー（大証２部上場）」に野村エステートファイナンスの株式５２．５％を買収させた。
つまり２００６年２月、 野村エステート・ファイナンスはイッコーを親会社とし、全国保証は親の親会社というスタンスになった。そして、２００７年２月、ばんせい証券の画策により、野村エステートファイナンスからスーパーアグリＦ１チームへの１５億円・質権設定融資が行われ、野村エステート・ファイナンスは取り返しのつかない大ゴケをした。その後、親会社だったイッコーが全国保証からかざかファイナンスに売却された。かざかファイナンスの前身はライブドアファイナンス（ライブドアファイナンスの前は「ロイヤル信販」という東京地盤の問題の多い中規模サラリーローンだった）。
イッコーはかざかファイナンスに買われたが、野村エステート・ファイナンスは全国保証に単体で買い戻された。これで野村エステートファイナンスは全国保証の「孫会社」から「子会社」へ昇格したかにみえた。しかし、野村エステート・ファイナンスの８０％の株式を持つ全国保証は野村エステート・ファイナンスを解散させることにした。
（つづく）
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