治験業アイロムHD株価さえず

2008/12/15

 治験業務の老舗企業であるアイロムホールディングスの株価が何故かさえない。アイロムやアイロムを取り巻く医療法人を巡っては、一難・二難どころの騒ぎじゃない程トラブルを抱えてはいる。
 また、製薬会社達の独自の海外連携に於いては、アイロムはあわや蚊帳の外に放置されそうな観もある。

 しかし、治験ビジネス自体は儲かる商売である。
 仕事があるうちは、製薬会社からの実入りもいいし、治験業務の医療事故などグレーゾーンであるし、大学教授と製薬会社と厚労省の間に入っての裏金ブローカー業務に徹すれば得られる収入も大きい

治験業務は儲かる商売(ブローカーに儲け過ぎは禁物だが)

 ……どれも東証一部上場企業のやる仕事ではないし、アイロムの定款の中にも入っていないような事ばかりだが。しかし治験(治験コーディネーター)は儲かる商売だ。
 治験に限らず裏金が蠢く儲かる業界では、金銭感覚が麻痺してくる事がある。
 アイロム森会長においても、アイロムが単に私企業であれば許されるが、東証一部上場企業としてはマネーゲーム感の強すぎる経営がここの所、目についてしょうがない。

 医療法人メディファへ投入した多額の資金回収のため、5〜6億円の医療マシンを倍近い11億円でメディファに販売し支払いはリース契約にするが、なぜかリースの保証人にアイロム森会長が医療法人上善会と共に名を連ねるという不可思議な取引。  また、何の目的かは知らないが取引先である医療法人メディファの銀行口座をアイロムの人間が管理しているという。

 アイロムは取引先提携先を大切にし過ぎるのか、医療法人冠心会には50億も貸し付け、治験業務を独占的に行う契約を結んでいる。
 アイロム以外にも治験の仕事を持ってくる治験会社を紹介してやるなりしなきゃ冠心会の「年商」も拡がらず50億円なんて返し切れそうもないのに、アイロム一社で頑張って、月々、4000万円の治験業務を発注してあげている。
 とはいえ、アイロムから冠心会へは、月々、家賃2000万円を請求しているのだから2000万円分は相殺される?

アイロムの無担保融資回収は可か否か

……ここらへんの所の、千万円単位でのドンブリ取引が貧乏人である筆者には理解できず、森会長の金払いの器のデカさに畏怖を覚えてしまうのである。
 森社長の金銭感覚と言えば、この冠心会(50億円貸付)にしろ上善会(7億円貸付)にしろ全て「無担保融資」なのだから恐れ入る。上善会は担当役員松島が貼りついて資金面を見ているそうだが効果があるのかないのか。
 50億〜60億の無担保融資を回収するノウハウがあったら、そこらじゅうのサラ金会社が欲しがるだろう。

 森社長がどのようにこの無担保融資を回収するのか知らないが、回収できなきゃアイロムホールディングスの株式を全て売り払って賠償しなければいけないだろうが、本日のアイロムホールディングスの株価は3,400円台。(それでも先週から8%も上昇してる)
 森社長は65%のアイロムホールディングス株式を保有しているが、現在のアイロム株価では全てを外資系企業に売り払っても足が出てしまう。
 もちろん、10%以上の株式を所有する大株主がその売却を考えたら市場への影響は計り知れず、大幅下落で更に損をせねばならぬだろうから膠着状態というのが今この時期なのか?

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