(敬天新聞 令和7年3月号3面)
長崎県の大石賢吾知事
疑惑の一番星 |
今、選挙違反疑惑の一番星と言えば、兵庫県の斎藤元彦知事である。斎藤知事の選挙違反を訴えているのは憲法学者で神戸学院大学教授の上脇博之氏と元長崎地方検察庁次席検事の郷原信郎弁護士だが、実はそれより一年も前から長崎県の大石賢吾知事を、同じ選挙違反で長崎県警と長崎地検に告発していて、本来は斎藤知事より問題視されるべき事案なのである。
告発者である二人は選挙違反を見抜くプロである。選挙違反と言うのは、ハッキリした贈収賄なら我々でも理解出来るが、境目の部分が素人には全く理解できない。本当に紙一重のところがあるようである。特に当選した場合は、その日から特別な権力を持つようになるので、警察も上司に当たる公務員として捜査がしにくくなるのであろう。
誰もが納得するような明らかな犯罪であり、はっきりした証拠があれば、捜査も進もうが、担いだ人たちは一応仲間で有るわけだから、そう簡単には口を割ったりしない。中でも特に選挙屋は口を割らないのだ。請け負った選挙で選挙違反を追及されて、ペラペラ喋ったら、廃業宣言したも同然、次から誰も依頼して来なくなるだろう。
とりわけ長崎県の大石知事の選挙を請け負った大濱崎卓真コンサルタントは、今売り出し中の「選挙屋」らしく、斎藤知事が頼んだ女性コンサルタントのように、嬉しさの余り軽い言動をSNSにバラ撒いたりはしない人物であるようだ。今のところは慎重に対処しているように見える。
ただ忘れてならないのは訴えているのが、選挙違反追及の第一人者と言われている二人である。上脇博之教授は法律を学術的な立場から研究しているプロであり、郷原信郎弁護士は違反者を追及し立件する立場での経験を積んでいるプロである。
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知事が、それを言っちゃあ〜おしまいよ! | PR会社(株)merchu折田楓社長の「note」より |
白黒つける! |
現在は、兵庫県の斎藤知事の選挙違反疑惑を各テレビ局がワイドショーで詳しく違法性について分析し、何処のチャンネルも皆、元検事の弁護士たちが解説している。それを何回も聴いている内に、分かりずらかった選挙違反が何となく理解できるようになった。
兵庫県では、斎藤知事が自分に批判的な部下の職員が亡くなっても、線香すらあげない薄情さ、冷徹さ、「道義的責任」が何かわからないという非常識さに国民は呆れたが、知事選では二馬力選挙を実現した「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首や家宅捜査を受けた女性コンサルタントと言った華やかな役者が揃っていたから、兵庫県の選挙違反疑惑が世間の耳目を集めたが、本当はそれ以上に長崎県知事選挙で大石知事が当選したことの方が問題なのである。
大石知事は、自身の後援会に「架空貸し付け」したという2000万円疑惑に対して、「架空」ではなく「二重計上」と主張して、疑惑を否定してはいる。ただ一方で確認は、一部の責任者にしか行っていないという。そして「二重計上」に至った詳しい経緯は不明だとしている。
大石知事は疑惑を晴らすためにも、全員協議会ではなく、百条委員会に出席して堂々と議員の質問に答えるべきで、大濱崎卓真コンサルタントも文書回答ではなく出席回答すれば、もっとはっきりと白黒が付くだろう。否、白黒をつけるべきである。
郷原信郎弁護士と上脇博之教授がYouTubeで告発会見
郷原信郎弁護士のX(旧Twitter)より 長崎県知事選挙の告発状(クリック)