(敬天新聞 令和7年4月号3面)
日大のドン田中英寿理事長(当時)
続く利権争い |
日本大学では、かつて田中英寿元理事長が独占していた利権を巡り、水面下で争いが未だに続いているそうである。
田中氏は長年にわたり日大の実権を握り、その権力を背景に多くの関係者と深い結びつきを持っていた。その影響力は現在でも根深く、日大の内部では田中派と反田中派による暗闘が続いているという。
田中氏は学生相撲やアマチュア相撲で記録的な優勝経験を持つ実力者であり、その名が知れ渡っていた。しかし、日大には他にも有名なアスリート出身者が多く存在していたから、田中氏の支配力を決定的なものとしたのは、暴力団関係者との親密な関係だった。
日大改革に白羽の矢が立った林真理子理事長
林真理子理事長の就任 |
現在、日大の体制は、林真理子理事長のもとで表向きは安定している。しかし、水面下では依然として田中派と反田中派の間で利権の奪い合いが続いているようだ。
田中氏の体制下で利益を得ようと多額の資金を投じた者たちが、取り残される形になり、不満が燻っている状況らしい。
日大は学生数が日本一であり、その規模の大きさゆえに多くの事業が成立しやすい。そのため、組織のトップが誰であれ、多くの関係者が利権に絡んでくるのは避けられない。
![]() |
![]() |
井ノ口忠男元理事とその実姉 橋本稔子女史 | 橋本稔子女史と「錦秀会」前理事長 籔本雅巳氏 |
業者との関係 |
田中氏の理事長時代には、多くの外部業者が日大と癒着していたとされる。特に大阪の医療法人「錦秀会」の籔本雅巳理事長(当時)は、日大の井ノ口忠男理事(当時)と広告利権を牛耳っていた姉によって、日大医学部と強い結びつきを持ち、医療機器や薬品の供給で優遇されていた。その結果、井ノ口・籔本コンビは逮捕され、「錦秀会」に国税庁の調査が入り、数十億円規模の追徴課税が課された。
上納金を受取っていた田中氏も逮捕されたが、田中氏の愛人とされる中国人女性が、田中氏の自宅から現金化できる資産を持ち出したとの情報提供もあった。
日大は田中氏に対する債権額を11億円から12億円と見積もっていたが、その回収が適切に進んでいるのかは不透明だ。愛人が持ち出した金品は、隠し財産の可能性も指摘されており、情報提供者に対して報奨金を支払う形での調査が有効かもしれない。
また、日大は運動部における不透明な資金管理も問題視された。重量挙部や陸上部で奨学生から授業料に相当する金を不正徴収していたことが発覚し、監督・コーチ等が処分された。
このような問題の解決策として、第三者機関による監査の導入や、指導者の定年制度の設置、金銭管理の透明化が必要だ。
日大問題は大きな刑事事件へと発展した
日大の未来と課題 |
日大は日本最大の学生数を誇る大学であり、多くの卒業生が各界で活躍している。このネットワークは今後も日大の強みとなるが、過去の不正の影響を払拭し、健全な運営体制を築くことが不可欠である。
どの組織においても、長期にわたるトップの支配は利権構造を生みやすい。日大の現在の課題は、過去のしがらみを断ち切り、透明性の高い運営へと移行することである。そのためには、何度も繰り返し言われてきたことだが、体制を刷新し定期的な監査やガバナンスの強化が求められる。
今年2月15日には、田中氏に反対した旗頭の一人である瀬在幸安元総長が亡くなった。瀬在氏は田中氏を理事に推した責任を感じており、自らの手で彼を降ろすべきだと考えていた。晩年は発言に一貫性がなくなる場面もあったが、田中氏に対して公然と異を唱えた数少ない人物だった。
瀬在氏の死後、表向きには大きな対立は見られないが、内部では依然として利権争いが続いている。日大の混乱が本当の意味で落ち着くまでには、まだまだ時間がかかりそうである。
しかし、今後は少子化も影響し、更なる受験生の減少という現実にも直面するため、大学としての価値を高め、信頼を取り戻すことが最も重要な課題となる事は言うまでも無い。
日本国内で最も多くの社長を輩出しているという日大の不動の地位を守り続けるべきである。立ちあがれ日大マン!
改革を掲げ文科省内で記者会見をする瀬在幸安元総長