敬天新聞 令和7年4月号 社主の独り言(中辛)

(敬天新聞 令和7年4月号 4面)



▼若い頃は、何故か好きな事をしてる時は、時間が経つのが早く、嫌いな事をしている時は時間が過ぎるのが遅かった。不思議なものである。

ところが老年になると好きな事をしていても、嫌いな事をしていても、兎に角時間が経つのが早い。これが何故なのか全く分からない。

老人の毎日は、朝ご飯を食べて、病院に行って病院で知り合った顔見知りの老人と、一頻(しき)り病気の自慢話をして、薬を貰い帰ると直ぐに昼食で、薬を飲みやすいように仕分けしてたら半日が終わり、近所の婆さんたちと、茶菓子を持ち寄って喋ってると、もう夕飯の時間である。

夕食を食べ終わったら、テレビと喋りながらもう寝る準備である。今日一日何をしたかも思い出せず、よく眠れない、寝つきが悪いと言って、必ず睡眠導入剤を飲んで、夜中にトイレに何回行ったかだけはしっかり覚えていて、明日の朝起きたら、何故かしっかり朝ご飯だけは食べるのである。

こういう生活が始まったら、間違いなく老人の仲間入りで、あの世に行く準備が始まっている。

病院に行く度に、薬の数が増えて来る。よ〜く見ると、どれも似たような薬で、要は眠剤である。

つまり「起きてても社会の役にも立たず、手間暇ばかりかかるので、早く寝なさい。貴方は寝てる事が一番皆さんの役に立ってる事ですよ」という薬が眠剤の本質です。だから、眠剤を飲まずに捨てたり、友達にあげたりというのは、自分の為にもなりませんし、社会に対する裏切り行為にもなるわけです。

従ってせっかく病院の先生が、貴方の本質を見抜いて、処方して下さった薬ですから、他人にあげず自分で飲んで、世の為人の為、家族の為にも、毎日忘れずにしっかり飲みましょう。それが貴方の仕事でもあり、社会への貢献です。

昔、失礼にも皆さんに向って「生産性のない人」という言い方をした議員がいましたが、「いずれは貴方だって通る道でしょう」と言ってあげて下さい。生まれてから世の中の役に立たない人はいません。

たとえ詐欺師や泥棒だって、生まれた時から、そのような事をしたわけではありません。人を慰めた可愛い時代だってあった筈です。それが何処かで間違って、世に拗ねた人生に変わっただけなのです。本人次第でまだ立ち直れます。

そして最後には、そんな人たちにさえ、医者の先生は、優しく平等に眠剤を投薬してくれるのです。感謝の気持ちで眠剤を飲みましょう。



▼髪が伸びたので、床屋に行って丸坊主にしてきた。

前に髪を伸ばして居た時、軍師のような雰囲気ですねと言われたり、またある時は、仙人みたいですねと言われて、満更でもない気持ちになっていた時もあったが、よく考えたら、床屋さんと言うのは職業柄、褒めることが商売のコツなのかもしれない。ある種太鼓持ちの要素も必要なのだろう。

勿論、むすっとした愛想の悪い人も居るには居るだろうが、基本的には頼まれた髪形をカットするわけだから、一応「似合いますね」と言うのは常套句であるのは間違いないだろう。

その言葉に有頂天になるのもどうかと思うけど、褒められて悪い気はしないものである。中には納得いかないと何度でも切り直しをさせる客も居るには居るだろうが、ああいう客は、何処に行っても、何の商売に対してもクレームをつける客で、何が楽しくてクレームをつけるのかが理解できない。

大抵の人は、故意でない限り、少々のミスなどは気にもしないし、謝られたら「いいよいいよ」で済ませる人が多い。髪など三日もすれば伸びて来るから、多少のミス等直ぐに分からなくなるものである。

それも老人が行く安い床屋なんだから、丸刈りにするか、ハサミで軽く裾を整えるだけである。理想の髪にしたかったら、もう少し高級な床屋に行けばいいだけである。年金生活者が贅沢を言うんじゃない(と自分に言い聞かせる)。

ろくすっぽ毛も生えてない爺の頭など誰も見ていない。昼飲み屋で目が合った婆さんのウインクも、顔や頭を見ているんじゃない。一品二百円のつまみを奢ってくれるか、運が良ければ勘定を払ってくれるかを期待するウインクなんだよ。と何回も書いてるが、一晩寝ると忘れてしまうのか、似たような光景を目にすることも多い。 先日、大下容子ワイドショーで、乾燥肌についてタレントが力説してたが、最近は、いろんな病気についても、テレビで詳しく解説してくれるから、本当に助かる。

筆者はどちらかというと、脂性タイプ肌だから、今年の乾燥は丁度良い感じであると思っていたら、脚などが一気に乾燥肌になってしまい、毎日掻き毟ってはメンソレータムを塗ってる日々である。

それにしても今年の東京は雨が降らない。世界中の気候が変わっているという。恐らくこれから日本でも四季が無くなるのではないか。季節感が大幅に変わって行くのだろう。

乾燥した春、酷暑の夏、台風の多い秋、寒くない冬。せめて残り少なくなった人生の爺婆に優しいお恵みを。



▼アメリカのトランプ大統領は、アメリカが世界に向けて長年かけて築き上げた信用と実績を悉く廃棄して、新たなアメリカを作ろうとしているようである。

ただ新しいアメリカの基本は、どうすれば世界の輸出入国から利益を得れるか、という一点だけに集約されているように思えてならない。建国200年のプライドも信用も全てご破算で、利益にならないことは一切やらないという姿勢のようである。

商業組合や商業施設、不動産業者という民間業者なら、優秀な経営者なのだろうが、その姿そのままで大統領と言うのは、やはり国民を二つに割ってしまうのではないか。国民どころか、今まで仲間として活動して来た国でさえ裏切る姿勢である。

トランプ政治を前向きに捉え、先読みする者は、経済的には伸びて行くだろうし、それに乗り遅れた人は、落ちこぼれて行くだろう。外国に対してもその姿勢を貫くようだし、国際的な枠組みでの投資や支援には全く振り向かないようである。若しくは他の外国並みの支援しかしないという、世界のリーダーとしての行いには一歩も二歩も後退する考えのようである。

経済で成功した人を政治にスカウトし、経済面での参考意見を聞くのは素晴らしい事である。ただ経済面以外でのトップに据え、トップダウンで改革を主導させたら、数限りなく問題が起こるだろう。それに対して、流石に最高裁トップ判事からクレームがついたようだが。

いくら大統領権限と言っても、司法、立法、行政のトップの決まり事まで超えて権限を行使されたら、三権の長の意味も立場も無くなるだろう。

この百年、アメリカが実質世界のトップ実力者であることは世界が認めてきた。特に日本から見れば終戦時、マッカーサー元帥がパイプを咥えて、米軍の飛行機のタラップを降りて来た時の写真は、強烈な印象がある。あれこそ戦勝国の姿である。

そのアメリカを、商業部門を武器にして作ろうとしているのか?それも国の為と言うより、自身の個人の為と見えるところが、トランプ氏の人徳の無さに見えてしまうのである。

ただ大統領として立候補して、相手候補に勝ったという事は、アメリカ国民の支持を得て、大統領になったわけだから、当分はこの勢いは止めることはできないだろう。

第一義的にはアメリカ国民が判断することであるが、ヨーロッパの国々からの非難は避けられないだろう。

日米安保で金を払って国を守って貰ってる立場の日本が、この際自国防衛の強化に目覚めるのか、対岸の火事として今まで通りボケーッと商品券贈与問題の国会追及だけの国会審議を続けるのか。 本来なら党派を超えて国際的な危機に目覚めるべきで、10万円の商品券で、総理の首でも取ったように、騒ぐことでもないだろうよ。これまでも、これからも平和ボケな日本の政治。


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