(敬天新聞 令和8年5月号2面)
根岸良直ANAPホールディングス取締役経営管理本部長
| 異例の人事 |
日本の証券市場の足元で、静かに進行していた売国スキームがあるという。
東証スタンダード上場企業ANAPホールディングス(以下ANAP)が、ロシア系暗号資産マネーの流入口となり、日本の投資家の資金が、合法の皮を被った形で吸い上げられていくという疑惑である。
弊紙は、その中心に立つのが、ANAPの社長である川合林太郎氏だという情報提供があり、これまで3回に渡り報じてきたが、本稿はその続きである。
ANAPの経営管理体制において、更なる重大な疑問が浮上している。それは、取締役経営管理本部長である根岸良直氏の起用理由だ。
根岸氏は、過去にユニバーサルエンターテインメント(旧アルゼ、証券コード6425)の取締役管理本部長を務めていた人物である。同社は2017年、創業者である岡田和生会長(当時)らによる約20億円規模の資金流出問題を公表し、第三者委員会による調査を実施した。※資料1
※資料1 ユニバーサル社【特別調査委員会の調査状況に関するお知らせ】(画像クリック)
この問題は、香港子会社から関連会社への不適切な資金移動が疑われたものでのちに民事訴訟に発展している。
根岸氏については、当時の複数の報道や第三者委員会報告書において、当該事案の発生時に管理部門の要職にあった人物として名前が記載されている。
そこで重要なのは、ANAPが、このような報道歴のある人物を、なぜ「取締役経営管理本部長」という資金管理の最高責任者ポストに起用したのか? という点だ。
通常、上場企業が財務・経理部門の責任者を選任する際には、過去の経歴に対する厳格な審査が行われる。特に、資金流出問題が報じられた企業の元幹部を起用することは、投資家保護やコンプライアンスの観点から極めて異例である。
考えられる理由は公開情報からは、選任理由や審査過程が十分に説明されているとは言い難く、投資家目線では、次の点が検証対象となる。
(1)ANAPのコンプライアンス意識が著しく欠如している 。
(2)あるいは、複雑な資金処理に精通した人物として、意図的に起用した。
いずれにせよ、この人事は、第一回で明らかにした「ロシア系ビットコインの不透明な流入」を管理する財務体制として、極めて不自然である。
左から川合林太郎氏、山本和弘氏、宮橋一郎氏
| 疑惑の人事 |
次にイフィネクスジャパンで協働した3名の取締役について、人事の集中が意味するものは何か? という疑惑を検証する。
川合林太郎氏・宮橋一郎氏の2名がカスペルスキーで協働し、イフィネクスジャパンで再会、そこに2022年、山本和弘氏がCFОとして合流。2025年にはANAPで3名全員が集結した。この時系列の一致について、市場関係者の間では、偶然と見るには不自然だとの指摘も出ている。
特に注目すべきは、イフィネクスジャパンでの協働期間(2021〜2024年)である。川合氏は代表取締役社長、山本氏は取締役副社長CFО、宮橋氏は執行役員CТОとして「イフィネクス・トリオ」を形成していた。
そして、山本氏がイフィネクスジャパンを退任した2024年12月31日の直後、2025年1月にANAPの執行役員に就任している。このタイミングの一致は、計画的な人事異動を強く示唆している。
では、川合氏と宮橋氏が在籍していた「カスペルスキー」とは、どのような企業なのか。
カスペルスキーは、2024年6月に米商務省から販売全面禁止・幹部12名への金融制裁を受けている。米国政府が国家安全保障上の脅威と正式認定した唯一のロシア系企業である。
主な疑惑として、2015年のNSA機密情報漏洩事件(NSA請負業者のPCから同社製ソフトを経由して機密情報が漏洩した疑い)、および2015〜2020年のスイス連邦情報局からロシアGRUへの情報漏洩疑惑(スイス公共放送SRF調査報道で判明)がある。
これらの事件は、同社が単なる民間企業ではなく、米国政府および一部の欧州当局が、国家安全保障上の懸念を表明し、制裁対象とした経緯がある。
更に、この3名の関連会社は赤坂の同じ住所(東京都港区赤坂2‐14‐11※資料2)に複数の法人を登記しており、事実上の「一体経営」を行っている 。一連の経緯を踏まえると、人事の連続性や配置の背景について、より詳細な説明が求められる状況にある。
このような米国政府などが国家安全保障上の懸念を表明し、制裁対象とした企業の元幹部2 名(川合氏・宮橋氏)が、ロシア系ビットコインが流入する疑いのあるANAPの経営中枢を占めていることは、単なる企業統治の問題を超えた、より深刻な懸念を生じさせる事態である。
※資料2 港区赤坂2-14-11 は、関連4社が入居するレンタルオフィス
(1)イフィネクスジャパン:川合氏が代表
(2)キャピタルタイフーン:宮下直也氏が代表
(3)シグナルタイフーン:宮下直也氏が代表(山本氏の後任)
(4)クロノス・キャピタル合同会社:山本氏が代表