開運商法リターンズU伝説のユタ 板橋区笑福堂をフジテレビが追跡

(敬天新聞6月号)

FNNが暴く伝説のユタ

当紙では、これまで何度も開運商法を追及してきた。この書き出しも定番となりつつあるくらいだ。

それほど開運商法による被害が後を絶たないということだ。そんな折、フジテレビの報道番組スーパーニュースが五月二十一日、このところ被害者が増加しているという、ある開運業者を追跡した特別企画を報じた。ある業者とは、沖縄で伝説のユタと言われる霊能者を広告塔に願望が叶うという数珠を売り、使用方法を教えるといって消費者に電話を掛けさせ、不安を煽って高額な祈祷料やグッズの購入を迫るという、国民生活センターが注意を呼びかけている悪質な手口そのまんまの業者である。

手口はそのまんまであっても、まだ処分や事件に 至っていないのでフジテレ  沖縄の伝説のユタ? ビは業者に張込んで直撃取材を行ったが、映像にモザイクを入れ社名を伏せての報道となった。

しかし、沖縄の琉球神話聖地とされる久高島で古来より伝わるユタ(巫女・シャーマン)として育てられたと称する霊能者を広告塔にしていることから、実在する人物なのか久高島まで行き、聞き込み調査を行った結果、人口二○○人強の小さな島なのに誰も見たことも無い人物であるばかりか、現地ではユタが禁止されていることや、広告でユタを名乗る人物に疑問を抱いた市長が警察に相談中であることを突き止めるなど、徹底した追及を良くぞやってくれました!と頭が下がる思いである。

笑福堂の実態

なぜならば、この業者こそ当紙が昨年二月に始まり、四月号(第一八三)でも報じた笑福堂(板橋区清水町六八―九代表・横山桂三)であるからだ。笑福堂が広告塔としているのは伝説のユタと称する久高数子という霊能者だ。

フジテレビが近々、モザイクを外した業者の面を独占的にニュースで流す日が来るように、当紙は再び笑堂福を実名報道することにしよう。

フジテレビで報じられたとおり板橋区の事務所はダミーであり、実態は渋谷にある業者鰍aH(渋谷一ー八ー七第二七SYビル七階B現代表・宮崎直人/前代表・田中康志)である。

鰍aHは鰍aW(東池袋三-七-八代表・今浪祐治)から商号変更し池袋から渋谷に移転してきた経緯がある。

池袋時代の雇われ店長(当紙が勝手に呼んでいる)が、大阪の開運業者からノウハウを学んだこと、法眼司祭という霊能者が皇室関係者であるという広告の嘘、板橋はダミー事務所で、誰もいない部屋の中には特殊な装置を仕掛けた電話と扇風機があるだけだということ、幸福堂という別名を騙り、ポイントを購入させる携帯サイトを新たに仕掛けていること等、内部情報を漏らしたことにより組織再編を計ったのかな?

渋谷に移転した鰍aHの新しいリーダー(自称)は、当紙が勝手に呼んでいる雇われ店長について、もう退職したと答えている。

移転と同時に広告の下品さが増したのは新しいリーダーのセンスからか。そして「笑福堂だよね?」という問いにもハイと答えている。

その前に出入り業者の佐川急便が「ハイここが笑福堂です」と証明しているから、フジテレビの直撃取材に対して知らぬ存ぜぬでは通らないだろう。

笑福堂の被害を訴える埼玉県在住の女性は、雑誌「ゆがふる」の広告に掲載されていた笑福堂の開運ブレスレットを購入し、使用方法を確認することをきっかけに電話をかけるようになった。

それから伝説のユタ久高数子先生の琉球不動昇炎と称する自分への祈祷が失敗したと告げられ「あなたは八千万円を受け取れる運気があるが、前世の悪い因縁がそれを阻害している。

しかし、一生のうちで運気がいいのは今月と来月だけだ。早く八千万円を掴んだ方がいい。力強い霊能力を持つ私にお祓いしてもらいなさい。

料金は一○八万円だ。このままでは十年後は旦那と一緒にホームレス生活じゃ」などと不安を煽られたが、「お金は、ありません」と答えると、「ならば、笑福堂の経理に借り入れ先を聞くが良い。」と言われ、「レイクなら五○万円まで借りられるから五○万円借りなさい」といって、消費者金融から金を借りてまで支払わされたという。

相次ぐ処分だが

この度フジテレビが特集で報じたのは、このところ同様の手口での開運業者が相継ぎ処分されていることからだろう。

三月二十一日、消費者庁は当紙が追及していた振込め詐欺の住所と同じ開運業者「ハピネス」及び「幸愛」を運営していた高橋大輔(新宿区)、「アマテル」を運営していた斉藤祐(豊島区)、「ミカエル」を運営していた坂田慎之介(豊島区)の三名に対し、業務停止命令の処分を下した。

また、四月二十四日滋賀県警は、詐欺と特定商取引法違反の疑いで、飯田瑞樹容疑者(豊島区南大塚)ら六人を逮捕した。

飯田容疑者らは平成二十三年八月ごろから、やはり当紙が追求していた「京華苑」及び「浄福郷」など三種類の団体名を使い分けて同様の霊感商法を繰り返し、全国の男女約一五○○人から三億二○○○万円以上を詐取していたという。

この京華苑と浄福郷は昨年十一月埼玉県から特定商取引法違反で業務停止命令を受けていた業者である。  しかし、飯田容疑者らは埼玉県の処分後も「神楽」と名を変えて同様の手口で販売していたという。

昨年十一月に行政処分を受けた直後に「神楽」と名称を変えて開運商法を続け、逮捕されるまでの約五カ月間で国民生活センターに約九七○万円の被害相談が寄せられていたという。

更に五月一日滋賀県警は共犯として岸野萌容疑者を逮捕している。

また、「ブレスレットを買えば金運が上がる」などとうたう開運商法で損害を被ったとして、関東在住の女性二人が五月二○日、被害が多発しているにも拘らず、繰り返し商品の広告を発行誌「MISTY」「ゆがふる」に掲載したとして実業之日本社、芸文社の出版二社と広告代理店の善福堂を相手に、計約一四○○万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

日本広告審査機構(JARO)などが開運商法の広告掲載について出版業界に注意を促しているにも拘らず、広告料欲しさに掲載し、被害を助長しているのだから無理も無い。

このように各方面で被害の声が高まる中、警察が詐欺容疑で逮捕するケースが出てきたが、まだまだ逮捕は稀で氷山の一角である。「京華苑」の飯田容疑者が、埼玉県から処分を受けた直後に「神楽」に名を変えて続けていたように、行政処分では痛くも痒くもなく罰としては生ぬるいのである。

詐欺として明確に捉えよ

また、警察や消費者庁及び国民生活センターが悪質な開運商法の被害が全国的に増加していると、消費者に注意を呼びかけているわりには、被害にあった人達から「警察や消費者センターに相談に行っても無駄」という声がきこえてくるのは、業者を取り締まることも、被害を抑止することも、被害者を救う手立ても充分に施されていないからではないのか?

一部の埼玉県警や滋賀県警のように一生懸命の警察は確かにあるのだけれど、まだまだ開運商法って何?どこが被害なの?信じたあなたの心の問題じゃない?騙される方が悪い等と言って話にならない警察も沢山あるようだ(草加警察署生活安全課相談員Yは心当たりがあるだろう)。警察に罵られたという被害者の悲痛な声が当紙には寄せられている。

同じ警察でありながら、これだけ被害が増加傾向にあり、被害総額も多額で詐欺で逮捕の事例がでてきているのに、それぞれ各署の刑事によって見識が違うのでは、被害者にとって警察署に当たりハズレがあるみたいではないか。

こんな悪質商法がまかり通るなら、就職難の若者たち皆、サラリーマンが一生かけても稼げない億の金を数年で稼げる開運商法を始めるだろう。たとえ一○万円の被害でも、主婦がパートで稼ぐには大変なこと。

それを取り返すのに弁護士を頼んで訴訟を起こせば五○万円も掛かる。だから多くの人が泣き寝入りしている。そこを悪質業者は理解しているのである。

当局には開運商法に対する取り組みの早期改善を申し上げたい。これからは開運商法詐欺と呼称し周知を徹底せよ!つづく。

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