敬天新聞6月号 社主の独り言(辛口)

(敬天新聞6月号)

▼初代防衛省大臣だった久間章生氏が政治家引退を表明されてまだ日も浅い五月十九日、霞ヶ関ビルの東海大学校友会館で関東島原半島会があった。

第六十五回大会というから私が生まれる前から続いていることになる。初代会長は文化勲章受章者で東京都名誉都民の彫刻家、北村西望氏である。

名前を知らない人でも長崎平和記念像の著作者と言えば誰でも知っているだろう。私のふる里南有馬町出身である。今は南島原市という。この会と関東口加会という高校の同窓会で久間氏とは年に二度必ず会う。温厚で人柄はいい。

東大出だから頭もいいということである。あの「しようがない」発言がなければ、今頃は自民党の重鎮として相当な力を発揮できる立場でおられたろう。あの発言で叩かれたことは可哀想な部分も実はあるのだ。

長崎県人は「しよんなか」という言葉を肯定的にも否定的にも意味もなくも使う癖がある。久間氏は東京生活が長い割には垢抜けない方言イントネーションが残ってる人で、接続詞か接尾語感覚でつい出てしまったに過ぎない言葉で、そこらへんでの会話でなら何の問題もなかった。

言葉の真意や誤解を精密に悪意に揚げ足取れば、どんな言葉にでも食い下がれるのである。主義主張の違うマスコミが常に狙っているわけだから、有名人や政治家は心して発言を注意すべきなのである。

先生は脇が甘すぎた。脇が甘いといえば「千年の森」の株価吊り上げ発言はどう考えても詐欺師連中に担がれ利用されたとしかいいようがないが、未だに先生は騙されたという自覚が無い。

あの会社は未だに名前を変えて、詐欺師、事件師連中が絡んでいるが、今も恐喝事件として警視庁が捜査している。長崎県ではこの二十年間国会議員は久間氏がリードしてきた。

民主党ブームで福田 衣理子に負けて浪人生活の間に、今度は自民党ブームが起きた。民主党が強ければ自民党で五分以上に戦えるのは久間氏しかいなかった。

ところがアベノミクスブームが起きた。味噌でも糞でも自民党の名前だけで勝てる環境がでてきた。そうなれば若手を育てた方がいいのではないかという理論で押し出されてしまう。

本当は自民党ルールで初めての国会議員立候補は六十歳以下というのがあるが、二人の当選者は六十歳を過ぎてるし、しかも一人は自己破産者である。この現実を実際には見過ごすのである。

当然実力、人脈、実績でいえば、二人は国会では久間氏に問題にならない。だが、久間氏に一つだけ弱点があった。それは愛郷精神が足りないことだった。

長崎県の一番の実力者だったはずなのに、出身地である島原半島の、それも南目の開発が長崎県で一番遅れているのである。とふる里の人は思っている。

その最大の思いは諫早から諏訪の池まで直線で高速道路を引かなかったこと。これさえ実行していれば、ブームは関係なく久間党として永久欠番ではなかったろうか。

東京から一時間四十分で長崎空港に着き、そこから二時間かかってふる里に帰るのである。高速道路ができれば四十分でふる里に帰れることになろう。過疎化したふる里も賑わったろう。

鈴木宗男みたいに一日五台しか走らない真っ直ぐな県道の横に平行して高速道路を作る「無駄」ではない。島原半島十四万人が活用する基幹道路として必要な高速道路である。どうしても必要な高速道路だ。

久間氏が本気で取り組んでいたら充分可能だったろう。その必要性は自らふる里に何度も足を運ばないとわからなかった。

私は会うたびに先生に「久間道路を作りましょう」と頼んでいたのだがついに夢が叶わなかった。先生なりの信念もあったのだろう。

一時は敵として見ていた時代もあったが、今は全てが懐かしい。一つの時代の終わりである。

ともあれ引退されたのだから今後はのんびりと自由に人生を楽しんでいただき、今月にある口加高校の同窓会では生臭い話は一切無しにして長年の労を報いて、心から拍手を送りたい。

▼最後通牒という言葉を何回使ったか知らないが、もう脅しの言葉が無くなったのか北朝鮮がやっとミサイルを撃った。

しかし外国に無害な自国の海に向かって、誰にも当たらないように気を配りながら、弾の余り飛ばないミサイルを撃った。

「北朝鮮が今日ミサイルを撃った」と大袈裟に国民を煽るように報道したマスコミもあったが、脅しの旬を過ぎたのか、狼少年の言葉に慣れちゃったのか、国民は「あら、そう?」って感じであまり関心を示さなかった。

やはり私が指摘した通り「最後通牒」が多すぎてか間延びしてしまったのだ。北朝鮮側の意図する効果は思うように出なかったろう。

アナウンサー部や映像部、美術部を含めた演劇部全体の芝居のし過ぎだった。表現がオーバーなのは最初はおもしろくて視聴率もあがるだろうが、飽きがくるのも早いものだ。

特に日本人の飽き性や忘れ癖性には合わない。それでも北朝鮮国内では「世界中が我が軍隊の最新鋭の武器に恐れおののき、全く凍り付いてしまっている。反撃の糸口さえ見出せないでいるのだ。

敵の大将であるアメリカは、いつのタイミングで我が軍に、降伏のメッセージを出そうか思案している。我々は今それを待っているだけなのだ。」ぐらいのことを国民には言ってるんだろうなー。

しかし、この間の悪い誰にも当たらないように気配りしたミサイル発射というのは、相当北朝鮮内部が混乱していることを意味してるのではないか。

「これでは何の効果もない」と考えてる者は北朝鮮内部にもいるはずだ。世界と戦うと宣言した以上やらねばカッコが付かないという実践倫理派と実際にやれば全滅するという常識良識派の板ばさみの中で、中間を取って配慮のあるミサイル発射となったのではないか。

世界の反応はともかく北朝鮮は一応満足してるだろうから、国内ガス抜きも含めたマスターベーションってとこかな。北朝鮮が昔ほど統一化してないのは日本の朝鮮総連本部を見てもわかる。

借りた金が返せなくて今競売にかかっている。借金の総額は知らないが、本部の競売の最低価格は二十億であるからプラス二、三億かなと思っていたら、何と四十五億だった。

赤の他人に落とされて立ち退きでも請求されたら見っとも無くて仕方がないという関係者の思惑だった。

しかし五億の保証金を入れて残り四十億を出す者がいなかった。今までの感覚なら朝鮮総連の物件に触る日本人などいない。

後難を恐れるからだ。少なくともこう考える日本人は多かった。だから最低の二十億円で応札しても確実にその人が落とせたはずだ。

それを四十五億で応札しなければ落札できないと総連関係者は感じたということだ。それでも本気で北朝鮮関係者が協力しようと思えば四十億ぐらいの金は簡単にひねり出せる。

朝鮮商工人の中にはパチンコマルハンのように年商二兆円というような所もあるのだ。誰よりも強い愛国心を持つ彼らが協力しないということは、他に理由があるということだろう。

例えば総連本部体制に不満があるとか、自分たちが上納した金が本国の将軍様に一部しか届いてないとか、或いは上納金がきつすぎるとか、という思いがあるのかも知れない。

もっと言えば、世界が見える立場にいる在日朝鮮人は本国の政治そのものに不満があり、変化を期待している現われが「知らん振り」かもしれない。

誰も協力者が出てこなかった場合は鹿島建設が協力するのではないかという噂が流れた。

将来国交が叶った時の投資である。過去に西松建設が未来志向で将軍様を訪ね貢物をして、日本国民から大顰蹙を買ったことがあった。ギリギリまでの攻防はあったらしいが、寸止めのところで、過去に学んだのだろう。

夏ごろに次回の入札があるということだから、それまでに態勢を建て直し、商工人に理解を求め、借りた物は返すという姿勢で臨めば、五億は無駄にならなかった結果がでるのではないか。

それから橋下維新の会代表の発言に賛否両論が出ているが、意見に両論が出るのは健全な社会の証拠である。

橋下代表の意見は個人の見解であって、党の見解とは違うことは誰にでもわかってることだが、いかにも一緒のように扱わないと国民に喚起できないからマスコミが誇張してるだけである。

ところで肝心の意見についてだが、的は射ている。問題はド真ん中かどうかは人それぞれに微妙にズレがあろう。美食の話は幾らでも出来るが、汚物の話は人前では嫌われる。

特に本音と建前を使い分けたがる国民の前では受けない。しかし性の自然現象としては本音である。ただし男性側理論としてであるから、女性側には受け入れ難い面もあるかもしれない。もし政治を女性が司る国があったら、女性の軍隊がいて「従軍慰安夫」として男が同じように募集されていただろう。

誰が統治するかによって国の体質は変わるものである。昔の中国は偉大だった。チュモンの頃の朝鮮半島は志が立派だった。人の振り見て我が振り直せだ。

ともあれ安倍総理頑張れ。ただし北朝鮮を甘くみるな。これからが正念場。自暴自棄になって、突発的に起きる戦争は有り得る。それから早まって点数稼ぎの行動は慎むべし。

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