NTコンサルティング合同会社の 新規ファンドが途轍もなく怪しい

(敬天新聞7月号)

適格機関投資家等特例業者とは

金融庁が所管する「適格機関投資家等特例業者」なる存在を知っているだろうか。複数の投資家から集めた資金を用いて投資を行いそのリターンを分配する投資ファンド。

通常、このファンドを生業とするには金融商品取引業の登録が必要となる。登録には高いハードルが設けられており、審査は厳格を極めおいそれと参入できるものではない。

そこで、金商業登録に届かない雑魚が群がるのが適格機関投資家等特例業者である。

一定の要件さえ満たせば、簡易な届出のみでファンド業務が行える制度だ。

現在、この単なる届出制度に便乗した悪質業者が急増している。この輩共にしてみれば、金融庁お墨付きファンド業者として堂々と営業が出来るので、金融庁(財務局)公認事業などと顧客に錯誤させるなどして金を集めている。

一般人からすれば、ファンド業者を免許登録業者と届出業者などに区別できるはずがない。顧客からすれば「金融庁が認めているのだから信頼できる業者だ」と、如何わしいファンドに投資してしてしまうのだ。

規制緩和か何か知らないが、まさにザル制度としか言いようがない。金融庁は悪質ファンド業者に騙されないようにと、消費者に注意喚起を行っているが、そもそもが自ら火種をつくって、延焼してから慌てて火消しに走る、無責任役人によるマッチポンプでしかない。

さて、斯様なファンド業者は如何なる手法で投資家を集めているのか。手っ取り早いのはファンド投資や未上場株購入の経験者を的にかけた営業であり、損害を被った経験があるカモを狙い打つ。

従来の似非ファンドは、その多くが無登録業者であり、集めた出資金は運用などされずに殆どが仲間内で分配される詐欺でしかなかった。

そこで「我が社は悪質ファンドとは違い金融庁に届出をした信頼おけるファンド事業者です。我が社組成のファンドで損を取り戻して儲けましょう」と、カモを誘うのである。

尤も、唯一の目的は出資金を得ることのみで、運用などに回すことはしない。仮に運用してますといっても、届出業者のファンドには原則として公認会計士の監査義務がなく、出資者が運用内容を確認する事は極めて困難である。

よって、業者がデタラメな実績を開示しても鵜呑みにする他なく、結局は出資金の大半が消えてから騙された事にようやく気付くのである。

悪質ファンド業者のツールとして悪用されている届出制度だが、本来はプロ投資家を対象に斡旋運用が為される制度であり、一般投資家は視野に入っていない。

したがって、ある日突然に届出業者からパンフレットが郵送されたり電話勧誘があった場合は、間違いなく悪質業者と決め付けてもいい。


届出業者と合同会社の併せワザ

先だって、前文に記した典型的な悪質ファンドと疑われる業者を発見した。エヌティーコンサルティング合同会社(港区東麻布=清水要一代表)である。

余り聞きなれない合同会社といった形態だが、一般的な株式会社より低コストで設立が可能で、破産や倒産した場合でも最小の責任負担で済む。

何より、利益や権限配分を自由に設定できる。人様を騙くらかして素早くケツを捲るには持って来いの組織形態であり、悪党にとっては使い勝手のいい形態である。

よって、この合同会社と適格機関投資家等特例業者がセットとなったファンド事業者は、先ず以って怪しいと思わなければならない。

因みに、エヌティー社が的にかけた標的は、過去に未上場株や社債を売り捌き、現在は倒産状態にある、カラーコードテクノロジーズ株式会社(一之瀬健治代表)の株主を相手にしたものだ。

紙面掲載の資料にあるように、同社営業部長を名乗るものが、カラーコード社在職中に得た株主情報を元に他社で営業している事を、堂々と明かしている。

はっきり言って馬鹿にも程がある。この男は株主情報を盗み出し、新に営利目的で悪用している事を吐露したに等しい。

或いは、実はカラーコード社も共犯で、自社株主に新たな詐欺を仕掛けているとも考えられる。

何れにしても窃盗及び関連法に触れる犯罪行為であることは間違いない。個人情報保護の必要性を無視し、コンプライアンスの概念を真っ向から否定する愚行である。

こんな惚けた会社が組成するファンドが、まともな筈がない。

次に別資料の「ファンド概要」には、目標利回り年間八パーセントとあり、分配金振込みは年四回となっている。

この程度の設定が、投資家を怪しませずに引き付ける条件のようで、真っ当に運営されているファンドの収支ラインを、やや上回る設定のようだ。

それにしても募集総額十億円とは随分と虚勢を張ったものだ。

本号が発行される七月一日以降から、件のファンドが運用開始となるようだが、果たして銭は集っているのか。

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