明治安田生命保険長野支社 元営業所長が詐欺して失踪

(敬天新聞8月号)

この程、明治安田生命保険長野支社元営業所長から大金を騙し取られたが、大病を患うなど様々な要因が重なり、警察に被害届けを出す機会を逃して現在に至っているという切実な思いを綴った手紙を頂いたので本紙で紹介する事にした。

手紙の主は、都内に住む中内鉄也氏(七十六歳)である。嘗て大手建設コンサルタントである鞄本構造橋梁研究所の理事設計部長を務め、レインボーブリッジ関連の全体計画及び設計等、国内の名立たる橋の設計に携わってきた経歴を持つ土木技師だ。

しかし、現在は脳出血による重度の障害を抱え、胸にはペースメーカーも植え込んでいるという。大病を患ったのは、今から七年前の詐欺被害による精神的ショックと過度のストレスが要因だろう。


被害者からの手紙

中内氏からの手紙を原文の通り記す。

―公明党衆議院議員池田克也氏(選挙区目黒区世田谷)の筆頭秘書であった上地昌良氏(池田議員が引退後、世田谷区議会議員に転出)に平成十五年頃、佐々木仁を紹介される。

当時、私は公明党とは何の係わりもありませんでしたが、私の友人が池田氏に仕事の上で世話になっていたらしく、池田氏のパーティーに数回出席させられました。それ以後、上地氏は私の会社や自宅を尋ねて来るようになりました。

佐々木仁は明治安田生命保険相互会社の社員が、顧客に生命保険に加入すべく勧誘する際に、顧客に交付する贈答用品を販売する(有)東明企画の代表者です。

平成十八年七月に佐々木仁から、「明治安田生命保険相互会社長野支社長野東営業所所長の中村雅也氏が、長野東営業所の成績を上げるために当社に二千五○○万円位貸してもらえれば、中村所長が直接このお金を運用して期間二ヶ月位で五%〜一○%の利益と共に間違いなく返済します。」といっているので何とかお願いできないかとの話がありました。

この話を聞いて直ぐに、中村所長から私に電話があり「当社に金二千五○○万円貸してもらえるなら、私がこのお金を運用して二ヶ月で五%〜一○%の利息を付けて二ヵ月後には元利金を返済する」という話があった。

中村所長と平成十八年七月末頃、何回か電話で話をしているなかで、「明治安田生命が借りるのであり、そのお金の運用は私が行うので利息や元金の返済は全く心配いらない」という説明があった。

また、佐々木仁もその頃、私に電話で中村は信用できる人であるから何とか明治安田生命に金二千五○○万円を貸してあげて欲しいということでした。

中村所長と七月末頃、度々かかって来る電話で何回か話をしているうちに平成十八年八月一日までに金二千五○○万円を明治安田生命に貸すことを承諾した。

更に八月一日午前九時頃、私の自宅に佐々木仁からFAXが送信されてきて、中村の件は宜しくお願いします。八月一日までに送金して下さいと中村の預金口座を知らせてきた。

八月一日知らされてきた口座に金二千五○○万円を送金した。

二千七五○万円(二千五○○+二五○)が佐々木仁の預金口座に約定通り送金されてきて、それを佐々木仁が私の会社に持参した。

私は明治安田生命から金二千七五○万円の返済を受けたものと信じ、中村所長を信用するようになった。

返済を受けてから二、三日後の平成十八年十月初旬、中村所長から電話があり、また当社で運用するので五千万円くらい貸して欲しいと申し入れてきた。

私は、五千万円は準備が出来ないが、半分位なら何とかなると答え、金三千四五○万円を明治安田生命に貸し付けることに合意した。借用期間は二ヶ月とし、中村所長も個人保証するということになりました。

十月上旬、佐々木仁が来社し、中村所長が十月五〜六日頃、会社の研修で上京するので、その時に私の会社に来て現金で受け取りたい旨、伝えて欲しいとのことであったので、平成十八年十月十三日に私の会社(NTコンサルタント梶jで中村所長に現金三千四五○万円を渡した。

前回同様に「明治安田生命長野東営業所で私が運用するので絶対に利益を上げ三千四五○万円に利益を上乗せして必ず返済すると再三確約した。

しかし、返済予定日の平成十八年十二月二〇日に返済されず、その後中村所長と連絡がとれなくなった。

十二月下旬から平成十九年一月にかけて毎日のように佐々木仁は私に電話をしたり来社して「明治安田生命で返すといっているから心配しないでいい」と私を安心させて来た。

平成十九年一月十三日佐々木仁より私の自宅に電話があり、中村が長野から上京しているので自宅資格の喫茶店に来て欲しいということであったので、出向いて佐々木仁と中村所長に会った。

その席上、中村所長は私に対して平成十九年一月二十九日迄には三千四五○万円の返済が出来ることになったので、その日まで待って欲しいということであったので、私は承諾し、一月二十九日には必ず返済して欲しいと改めて要請した。三名同席の上で、約束したので私も安心した。

しかし、一向に返済の動きはなく平成十九年二月二十日明治安田生命の顧問弁護士である近藤康二弁護士からの手紙が届き、中村に渡したお金について事情聴取したいので当社社員を伺わせるから協力して欲しいとの内容であり、平成十九年三月二十八日午後二時に私の会社に明治安田生命の社員二名が来て、私が中村に渡した金三千四五○万円について色々質問されたので、これまでの経緯を説明した。

平成十九年四月五日近藤弁護士から私宛に手紙が届き、明治安田生命の社員が私に行った事情聴取の結果を聞き、私が明治安田生命に貸付けたつもりの金三千四百五○万円は中村所長が私から詐取したものであり、当社には入金されていないので、金三千四五〇万円について、当社は民法七一五条に基づく使用者責任は負わないので当社としては返還する意思は無い、但し私が司法の判断を求め司法の場で近藤弁護士と異なる見解が示されたなら、明治安田生命は司法の判断に従うという内容であった。

そこで訴訟を提起しました。第一回口頭弁論(平成十九年五月二十九日)被告中村雅也は総て詐欺であることを認めました。

しかし、お金も資産もありませんので、明治安田生命を相手取りましたが、一審では営業所長の権限外の行為であるとして認められませんでした。

被告中村雅也は明治安田生命に懲戒解雇されました。

その後五月末に中村は、再び私のところへ現れ「TDOグラフィックス梶vの未公開株を一株十六万円で一五○株欲しいという人がいますので長野時代に売ったTDO株を一株四万五千円位で買い戻せますので、その売買をして利益を上げれば一千万円くらいを返済できると思いますので、数日間だけ資金を貸して欲しいとの話に乗せられ、平成十九年五月三十日、金七○○万円を渡してしまった。

一千万円以上の返済が出来るとの話しでしたが、その後一向に返済されず、二度騙されました。中村雅也は行方不明と成りました。―手紙は以上。


やり得は許されない

何とも気の毒な話である。最初に配当を上乗せして返済し、信用させた後に大きく大金を騙し取る手口は良くある詐欺師のやり方だ。しかし、詐欺師は実態の無い会社や架空の肩書きを名乗る。

被害者の中内氏は、中村が明治安田生命の所長という実際の肩書きを示し、当社で運用すると説明したので信用してしまったのだ。中村という個人を信用したのではない。

明治安田を相手取り訴訟に至ったが、一審では中村の個人的な行為とされてしまった。そして、明治生命は中村を解雇することで幕を閉じてしまった。

しかし、全く責任が無いとは言えないと思うが、中内氏は当時、体調不良や周辺者から「警察に被害届けを出してもお金が返るわけではない」「控訴しても仕方ない」というネガティブなアドバイスを受ける等の不幸が重なり、控訴せず警察へ中村に対する被害届けも出さず、気力を失ってしまったのだという。

悔しさを忘れることが出来ず公に晒して欲しいとの思いを寄せられたのがこの手紙だ。

思うように行動できず、現在も被害の記憶に苦悩する中内氏をよそに、逃亡資金を捻出するが如く、二度の詐欺を働き行方を眩ませた中村雅也に自首を促す為に手紙を公に晒すことにした。


更なる多額の被害

更に驚いたことに中内氏の不幸はこれで終わりではなかった。明治安田生命の中村を中内氏に紹介したのは佐々木であるが、平成二十一年に再び佐々木に紹介された別の男に、今度は約六千万円も取られてしまったのだという (佐々木が怪しいなー)。

その男とは、過去に当社の記事でも登場したことのある新宿歌舞伎町に事務所を構え、言葉巧みに人に言い寄り、金を出させては踏み倒す鰍hの代表Sである。

この男については改めて追及することにしよう。


敬天ブログ敬天新聞社ホームページ敬天千里眼不正疑惑(評判・噂)告発