新東京グループの野望 吉野勝秀社長の錬金術

(敬天新聞1月号)



大地主となった小林克久氏


群馬県桐生市にある産業廃棄物最終処分場。運営事業者は同市に本社を置く井草実業(井草健一代表)である。一昨年三月に使用前検査が終了し、同年暮からゴミの受入れを開始したばかりの出来立てほやほやの処分場である。

ところが、多額の開発資金を漸く回収する段階で井草実業は運営から事実上撤退しているのだ。そもそも、同処分場の開発にあたっては暴力団が開発資金を賄った。

つまりは井草実業は当初から群馬県庁から許可を得るが為の看板でしかなく、許可が下りたことから金主の暴力団が一気に回収を始め、井草実業の中身は空っぽとなったということだ。

一番手っ取り早い方法は丸ごと売っ払ってしまうことだが、暴力団支配の火種付き危険物件を正面から買う酔狂な事業者はいない。そこで井草実業を徐々に解体していく目立たない方策がとられた模様だ。

それに飛び付いたのが産業廃棄物処理業及び収集・運搬業「新東京グループ」(松戸市=吉野勝秀社長)だ。新東京グループは手始めに、井草実業の松浦実専務(井草代表の娘婿)が所有する産廃場の土地、約三千七百坪を平成二十四年九月に購入した。

当然のこと直接買付けではなく、新所有者にはダミーを用意した。広大な処分場土地の新たな所有者は、株式会社ビプロ(豊島区=小林克久代表)である。豊島区内マンションの一室に間借りする典型的なペーパーカンパニーである。

同社の小林克久代表は、土地買収の二ヶ月前に代表に就任し、それ以前から現在も新東京グループが本社を置く松戸市内の造園会社に勤務する青年だ。その傍ら、松戸市議会議員に立候補(落選)するなど、政治活動の真似事も行っている。

新東京グループは、地元松戸市で政治家を目指す青年をつかまえ、何らかの便宜を約束してダミーに据えたと思われる。ダミーをかってでた小林克久代表にしても、政治家になる前から癒着を実践するとは、政治屋になる素養だけは十分のようだ。

因みに購入した土地には、整理回収機構の極度額六億三千万円の根抵当権と、神環境整備株式会社の極度額九億円の根抵当権が張り付いたままである。巨額の根抵当権を放置したまま売買に及んだ取引一つを見ても、まともではない事が窺い知れる。



井草事業の支配者となった金井伸介氏


さて、処分場の土地を手にした次は井草実業を支配するが為の同社株の買収である。勿論、同じくダミーを用意した。井草実業の発行済み全株式を買い取ったのは、新東京グループの子会社と目される株式会社ウインストマックトウキョウ(文京区=金井伸介社長)である。

金井伸介社長は文京区で金井税務会計事務所を開設する税理士であり、本業はあくまでも税理会計業務である。斯様な経緯で新東京グループは表に出ることなく処分場を手に入れたということだが、最終的に買収完了とはいえないようだ。

裏でコソコソと動いたものの、買収には多額の資金が動いたことは隠しようがない。土地を売り株式を売却すれば、井草実業には大金が転がり込む。ただし殆どは金主の暴力団に回収された。更にいえば、現在もゴミ搬入利益を暴力団が吸い上げ続けているともいう。ボロボロの金銭収支をまともに会計処理など出来ようもない。

結果、井草実業は国税に目を付けられ、実際に収益が還元されている暴力団及び舎弟企業の建設業者が当局の捜査対象になった模様だ。何れ、土地と株式の買収資金の原資は何処から供出されたかも問題になるだろう。 ダミーを使って影の支配者を気取っていた新東京グループだが、炙り出されるのも時間の問題であろう。

同社といえば、一昨年の九月に東京証券取引所が開設する日本で唯一の特定取引所金融商品市場(プロ投資家向け市場)に上場している。一般的には存在すら知られていない六銘柄しかないミニ市場とはいえ、新東京グループは堂々たる上場企業である。暴力団と新興上場企業が処分場の権利を巡って繰り広げた顛末が、新年早々にも社会を賑わす可能性は高い。

傍から見れば窮地に陥っている新東京グループだが、吉野勝秀社長は得意分野では成果をあげている。新東京グループの企業名はさほど浸透していないが、吉野勝秀社長はやり手の投資家として業界では有名なのだ。今から二年前、東証マザーズに上場していた不動産業、株式会社メッツが会社解散を発表した。会社解散4日前に待ったをかけて買収したのが吉野勝秀社長だった。

公開買付けにより発行済株式の過半数を取得した吉野勝秀社長によって会社解散は免れ、当時は救世主と持て囃された。株価に至っては十倍以上の値を付け、本人含め既存株主らに多大な利益を齎した。



企業買収のホープ、吉野勝秀社長


その吉野勝秀社長が、昨年十一月末に連日急ぐように同社株の売却をした。持ち株の約三割を売却したことで、保有率は過半数を大きく割り込むほどの大量放出であった。そこで得た売却益の行き先が、ジャスダック上場の金融業、GFA株式会社の第三者割当による新株式発行の引受資金にまわった模様だ。

十七パーセントとなり、吉野勝秀社長は同社の筆頭株主に躍り出た。GFAは連続赤字が続き、一年以内に破綻するリスクが高いと考えられる場合にリスク対応を明記することが義務付けられる、疑義注記が行われほど切羽詰った状況であった。

メッツ然り、吉野勝秀社長はこの手のボロ企業をイジクルのが好みのようである。それでいてきっちり利益を得るのだから流石といえよう。問題は、上場企業間を泳ぎ回るのはいいが、件の処分場問題が表面化すれば確実に反社会的勢力との密接関係が確実に浮き彫りとなることだ。

当然だが、GFAの割当を受ける際には反社会的勢力とは一切の関係がないとの確約書を提示し、その旨は東京証券取引所に提出されている。事が公になった暁には、新東京グループのみならず、吉野勝秀社長が筆頭株主となっているGFA及びメッツを含め、市場を揺るがす大混乱を招くことは想像するに容易い。


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