桐生産廃場でRCCが競売申立て 新東京グループの買収完了秒読み

(敬天新聞7月号)

東証の東京プロマーケット市場に上場している「新東京グループ」(松戸市=吉野勝秀社長)。産業廃棄物処理業を営む同社にとって、最終処分場の取得は悲願なのであろう。

ゴミを収集運搬し中間処理を行ない、最終処分場へと運ぶ。この一連の流れを単体で抱え込むことで、大きな利益が生まれる仕組みだ。小さな小さな市場とはいえ、新東京グループは対外的には堂々たる上場企業である。

但し、一番利益を生みそうな最終処分場は持っていない。そこで手を出したのが群馬県桐生市の産業廃棄物最終処分場だった。同処分場は、言わずと知れた暴力団の巣窟だ。

当然、内々の利害関係者以外は触りたくもない物件だ。だからこそ新東京グループは目を付けたのであろう。「この物件なら他と競合することなく取れる」、と言ったところか。 吉野勝秀社長は着々と買収を進めた。利益追求・悲願達成の為とはいえ、暴力団の巣窟に乗り込むとは相当の覚悟があると思いきや、実は吉野勝秀社長も暴力団の後ろ盾をもって、はなから喧嘩腰で買収に乗り出したというオチがついていた。結局は暴力団同士の利権の奪い合いといった争いだ。

その渦中で、産廃場の事業者である井草実業から土地や同社株式を取得するなど、日増しに存在感を増してきた新東京グループに対し、業を煮やした開発当初から関与してきた既存暴力団が、警察を介入させる禁じ手にも及んだが、ことは有耶無耶の内に終った。

上場果たし得意満面の新東京グループの経営陣


裏で話し合いが為されたいたかは定かではないが、暫らくは膠着状態が続くとも思われていた。

しかし、ことは一気呵成に進みだす。産廃場の大半の土地に設定されていた極度額六億三千万円の根抵当権者であるRCC(整理回収機構)が、競売を申立てたのである。

RCC以前の根抵当権者であった、破綻した在日朝鮮系金融機関「朝銀東京信用組合」から債権譲渡を受けたのは平成十四年のことだ。それから十年あまり塩漬けだった不良債権が、整理へと動き出したのである。

RCCの目論みは、新東京グループが出張ってきたことで、今が整理する好機だと捉えたのであろう。少なくとも新東京グループは確実に入札するだろうと。 四月二十四日、事件物件は前橋地方裁判所桐生支部にて公告された。売却基準価額は一億五千五十一万円だった。その後に設けられた一週間の入札期間内に応札したのは法人一者のみで、六月三日開札そして十日の日に売却決定となった。

売却価額は買受可能価額を五百万円ほど上回る一億二千五百五十五万五千円、落札者の法人とは、新東京グループの子会社と目され、既に井草実業の全株式を保有している「ウインストマックトウキョウ」(文京区=金井伸介社長)だという話しだ。

あとは代金納付の期限内に納付すれば、完全買収にまた一歩近づくこととなる。納付した確認は所有権登記を待たなければならないが、ここまで苦労して積み上げたものを無に帰すことは考えられない。

また、未納の末に売却許可決定の効力を失い、且つ約三千万円の保証金返還も受けられない愚行を犯す筈がない。

ところが、妙な噂が新東京グループの周辺で囁かれているのだ。何でも、動かせる資金が枯渇していて、下手をしたら納付金を用意できないのではとの話しだ。

以前からも、当紙の追及報道が続いたことで、取引金融機関からの新規融資が止まったという話しは聞いていた。それを裏付けるように、ジャスダック上場の金融業、GFA株式会社の第三者割当による新株式発行の引受資金を、手持ちの他社株(メッツ)を大量に売却して充てざるを得なかった事実もある。

新東京グループは表向きはウインストマックトウキョウとは無関係を装っており、産廃場買収に関しては表に出ないようにしている。当然のこと、新東京グループから直接投資するわけにはいかない事情がある。

とはいえ、吉野勝秀社長の個人資産や人脈を使えば、たかが一億円の納付金など昼飯前に調達出来る筈だ。ましてや、後ろ盾の暴力団は大組織である。仮に金策に困ったとしても、組織流の「倍返し」さえ呑めば容易に金はつくれる。

納付は期限内に確実に払い込まれると考えるのが妥当だし、既に余裕で納付を済ませ登記準備を進めているかもしれない。少なくとも資金繰りが厳しいのは事実のようだが、未納となる可能性の噂話はイマイチ信憑性を欠いたものといえる。

さて、今回の落札が完了した前提でいえば、結果として飛ばされた利害関係者がいる。一番はRCCに次ぐ二番順位の根抵当権(極度額九億円)を設定していた神環境整備株式会社である。

抵当権の性質の違いで扱われ方が非常に複雑で、専門家ではない当紙としては断言できないが、売却決定により消滅することになると思われる。同社には今回の競売に参加する方法もあったが、資金を調達することが叶わなかったのであろう。

例え無理して落札したところで、事業者たる井草実業の支配株主であるウインストマックトウキョウが存在する限り、事業の実権は握れない。本来為らばまだまだ十分にゴミを受入れられる産廃場は、他の業者にとっても魅力的な物件だといえた。

結局、入札者が落札者のみであったことを鑑みれば、片輪(土地)の権利だけなら不要と判断したからだろう。勿論、暴力団の米櫃に手を出すことを躊躇したというのも大きな理由だ。

尤も、神環境整備は根抵当権が消滅しても対抗手段は他にも残されていると考えているかもしれない。同社は、井草実業とブローカー吉澤通秦との三者で結んだ共同事業契約のなかで、収益の六割の権利を有すると定められている。

これは事業に関わる契約なので、これからは契約の存在事実を争うことになるかと推測される。吉澤通秦に関しては、特段変化はない。そもそも欲をかいて墓穴を掘ったが、どうにか踏ん張って奇声をあげ騒いでいるに過ぎない。

では、新東京グループの思惑通りに買収完了へと進んでいるかというと、そうでもないらしい。今回の落札結果に「裏切りだ」と憤慨している人物がいるという。

資金繰りに手詰まり状態の新東京グループの金主と言われるA社のB会長が、その人だ。

B会長は単に金を融通しているだけではない。既に産廃収集業のC社を桐生産廃場に入り込ませている。融資の返済を猶予、若しくは返済の代りに収益事業をとったと見れば、全く自然なことだ。

但し、融資の返済が為されればC社が事業から外されることもある。B会長にしてみれば、金主の立場を超える権利を是が非でも握っていたいと考えるのも、これまた自然だ。

もし新東京グループがB会長と協力して事業を進めるというのならば、今回の入札はB会長主導で行われてもおかしくなかった。

落札決定後に「裏切りだ」と発した言葉が本当なら、虚をついて新東京グループが独断で動いたことになる。金や権利が動く時、アレコレと噂が飛び交うのも常だ。

B会長は強面の人物らしい。万が一、今回の落札が未納で流れるようなことがあれば、噂は本当だったということだ。

しかし、誰の目にも奇妙と思われる買収劇を、他人事のように傍観しているのが群馬県庁である。群馬県庁が事業者として認可を与えたのは井草実業である。その井草実業は身包み剥がされてスカスカの状態だ。もはや何の権限もない。

それでも問題はないと言い張るなら、許認可事業のなかでも特に厳格な審査と監視が必要とされる産廃事業だが、群馬県庁に限っては「緩々です」と宣言しているに等しい。

今後、第二第三の井草実業が発生するのは確実だ。

暴力団の経済戦争の戦場となった桐生産廃場

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