埼玉小川上下水道協同組合は談合組合?当紙に届いた告発文と音声ファイル

(敬天新聞8月号)

業者決死の告発

七月二十三日、当紙の地元埼玉県で知事選挙が告示された。投票日は八月九日だから、この記事が読まれる頃は選挙真っ只中であろう。上田清司・現知事は、嘗て土屋義彦・前知事の多選を批判し、馴れ合いもたれあいを生じさせない多選自粛条例を施行させ、三期で辞めると公言していた。

知事に成ったばかりの頃は党派を超えて誠実さに満ちていた。その自前の条例を破り再選に臨んだ事で批判に晒されている。上田知事といえばもう一つ、全国知事会が設置した談合防止プロジェクトチームの座長となって談合撲滅に努めていた。

ところが、目下埼玉県内では当たり前のように談合が蔓延っている。先達ても、知人である埼玉の業者さんから埼玉県は未だ談合天国ですよ、という話を聞かされた。

やはり長く安定期が続くとヤル気や誠実さは劣化してしまうのだろうか。そんな折、県下で談合を告発した業者が、役所や同業者から疎外され苦悩しているとの告発文書が当紙の下へ送られてきた。告発者は堂々と名前を名乗っており、内容も信憑性があるので公けにすることにした。

片手落ちの不可解な処分

ことの発端は、二年前の平成二十五年八月に行われた埼玉県比企郡小川町(現在は松本恒夫町長)が発注した水道工事(大塚地内石綿セメント管更新工事25-5工区)の入札で、参加業者全ての応札額と同じ数字が記された一覧表が、入札の三日前にインターネット上に掲載されていたことが発覚し、昨年三月に報じた朝日新聞の取材で事態を知った役場が、談合の疑いで調査に乗り出したことに遡る。

この工事を落札したのは、現在十三の水道業者が寄り合い形成している小川上下水道協同組合である。問題発覚当時、同組合に加盟している業者が朝日新聞の取材を受け、「表は自分が作りネットにアップした」と認め「談合するためのものだった」と証言した。

ところが、調査にあたっていた役場は、入札に関わった同組合を含む業者七者に聞き取りを行ったが、不正を認めた四者を指名停止処分とし、否定した三者を不問にするという片手落ちの処分を下した。

談合を取り仕切った当事者が、談合であったと認めているのに、町は事を荒立てたくないのか、何か役場に不都合でもあるのか、談合や競売入札妨害ではなく、町の要綱に基づく「不正・不誠実行為」として、不正を認めた業者だけを指名停止処分にし処理をした。いわば正直者が損をする処分である。

また同時に、同組合代表理事の経営する(有)堀口商会が四カ月、代表理事の指示を受けて談合の為に一覧表を作ったと認めている同組合加盟業者・新井設備工業が一カ月半の指名停止となった。この新井設備工業が談合の告発者である。

告発の証拠資料

新井設備工業が役場に対し、組合が談合を成立させた書類を証拠として提出しようとしたところ、何故か役場は受け取りを拒否したという。そこで、役場が拒むので警察に相談することを告げたところ「警察には行かない方がいい」「新井さんのためにならないよ」と言われたそうだ。

事実であればとんでもない話である。片手落ちの処分を下したことと何か関係があるのではないかと疑いたくもなる。新井設備工業は、この町の対応と組合の実態に憤りを感じ、未だ何も変わり映えのない実情に端を発して当紙に告発してきたということだ。

この告発は、告発者にとっては多大なリスクを伴うことだろう。中途半端な告白は、地元で村八分に成り死活問題と成る。

故に、送られてきた資料が新井設備工業の言い分を事実であると認められる「証拠」と成り得るものか、紙面では全てを掲載できないのでホームページにて音声や書類を順次公開していくのでインターネット記事もご覧頂きたい。

当紙には、全部で数十時間にも及ぶ組合員の会話を記録した音声ファイルが証拠として送られて来ている。その中には、談合成立の対価として支払われる報酬に疑義が持たれている事から「組合の金の流れを明らかにした方がいい」という意見に対し、「分からないからいいんだ」と報酬を継続しようとする声や、「長年、組合は談合で仕事を取ってきたんだ」という声が入っている。

そればかりか、理事長が新井設備工業に命じて「役場へ工事価格を聞きに行かせた」という官製談合を疑わせる会話や、理事長が新井設備工業を組合から排除しないと「役所から相手にされなくなる」と官製談合ができなくなるという意味にも取れる会話や、「俺と新井を除名にして、後で俺だけを復帰させる確約をしろ」といって、上手く新井設備工業を組合から排除しようと策略を練る会話もあった。

国は公正で自由な取引を阻害する行為として談合排除に躍起と成り、幾度も談合に関する法改正を繰り返してきた。これまで行政職員の関与(官製談合)を厳しく禁じる「入札談合等関与行為防止法=官製談合防止法」が施行され、業者の談合を阻止すべく「独占禁止法」に至っては、違反した事業者が自らその違反事実を公正取引委員会に報告し資料を提出したときは課徴金の免除や、最初に申し出た者に対し刑事告発を免除するとし、未然防止に努めている。

送られてきた大量の告発文書と録音ファイルを聞く限り、小川町の対応は、このような時勢に逆らうものではないだろうか。新井設備工業に警察には行かない方がいいと言ったのは小川町の副町長(当時)影沢某らしいが、今は県庁で知事に近いところにいるらしい。上田知事が再選したら初心に戻って談合撲滅に取り組んで頂きたいものだ。

代人手当てや渉外という不透明な報酬・明細書

小川上下水道協同組合名簿

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