杜撰な管理体制を露呈した地方競馬の実状と体たらく

(敬天新聞6月号)

連帯責任

(一面の続き)当紙は寄せられた情報を基に、公正な地方競馬の実施を求め関係各所に情報提供をしてきたのである。「質問状」に対しては、川崎競馬組合も地方競馬全国協会も無視することなく返答を頂いた。

返答の概要は「事実関係の調査中」であることや、事実を確認した場合には「処分を図る」というものだった。また、騎手の手荷物検査については「地方競馬主催者が厳正に行っている」と断言している。

しかし、杉村騎手の行為や言動に対する事実関係については明らかにされていない。川崎競馬組合は取り合えず「外部と通信していた」事のみを取り立て処分を発表した。

その内容は杉村騎手の規定違反に対する処分を決定したというよりは、内容を歪曲し事実を隠蔽した処分ではないか?といわざるを得えない。

何故なら、当紙に寄せられた情報は部外者が知る筈もない内部告発の部分があり、資料と共に詳細を記した信憑性の高い情報であるからだ。その情報を基に質問状を作成し、関係者に公正な対処を求めてきたのである。

川崎競馬組合は、処分に至った経過について「外部との通信を試みた」とか、「告発があった」とか、「一年以上前から騎手調整室に携帯電話を持ち込んでいた」とか簡素に結果だけを公表している。

しかし、外部との通信は八百長の根源であり、内部情報の漏えいにもつながることから、公営ギャンブルの公正保持を破綻させる重大な規定違反行為の筈である。

また、このような「告発」があるというのは、組織において重大事態であり、協会や組合の体質に問題があったことの証左ではないか。

現実には一年以上も杉村騎手の携帯電話の持ち込みを発見できなかったという杜撰な管理体制を露呈したことでもあるのに、自らの管理監督義務違反には全く言及していない。

しかも、この違反の発見が杉村騎手から自己申述があったように発表しているが、実際には杉村騎手の不貞行為、ストーカー行為による被害女性の告発が発端である。

嘗て騎手に出された処分の前例を見ると、例えば平成二十七年に騎手調査ルームに資格の無い者を入室させるなどして規定違反を犯した御神本訓史騎手は、大井競馬から三十日の騎乗停止に成ったそうであるが、その後、地方競馬全国協会によって騎手免許が不合格となり、約二年間も厩務員をさせられ騎手業を自粛させられたそうである。

規定の意図するところと騎手として犯した違反行為の重大さは、杉村騎手と変わりないものである。このまま杉村騎手が僅か三十日間の騎乗停止のみで済まされれば、この杉村騎手への処分が前例となり、今後、同様の規定違反を犯した騎手へ示しが付かなくなり、厳正な対処をすることなど出来なくなるのではないだろうか?

今回の処分は、どう見ても杉村騎手の開き直りの恫喝に屈した組合側の「痛み分け」のように思えてならない。本来であれば、これまでの杉村騎手の振る舞いや言動を踏まえれば、規定違反が行われていた南関東四競馬場からの永久追放に処しても足らないくらいの重罪ではないのか。

これじゃあ他の騎手や調教師からも組合や協会が舐められるのも無理ないだろう。現に、川崎の「競馬一家」で知られている山崎尋美調教師の息子である山崎裕也調教師は、某記者の取材に対し「調整室から連絡することが、そんなに悪いことですか?」と答えたというし、その弟でレースに定評のある山崎誠士騎手も自らネット上(ツイッター)で「今の時代、携帯なしで仕事するの無理でしょ?そこのルールだけ時代錯誤すぎませんか?主催者さん」などと悪態をついている始末である。自らに課せられた職責というものをまったく理解していないようだ。

これらの言動をみれば、地方競馬の主催者が表向き公正保持なんてことを言っても、内情が如何に体たらくしているか分かろうもの。主務官庁である農林水産省の下、地方競馬の総轄的役割りを担っている地方競馬全国協会が掲げている「地方競馬の公正かつ円滑な実施の推進」とは、現実には程遠いのではないか。

このほど川崎競馬組合がレース主催者として、所属する杉村騎手に下した甘ちゃんの馴れ合い処分とは別格な、厳正なる処分を地方競馬全国協会の塚田修理事長が下すことを、競馬ファンに成り代わり願うばかりである。

さもなくば、いつまでも遺恨を残し、より大きな問題となって地方競馬に暗い影を落とすことになるだろう。つづく。 (※以下の画像をクリックして抗議文をご覧ください)


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