敬天新聞10月号 社主の独り言(甘辛)

(敬天新聞10月号)


▼正義には真逆の意味がある。敵味方で争う時、同じ内容であるにも拘わらず、お互いに正義を振りかざすのである。お互いにその戦いを「聖戦」と呼ぶ。但しそれは、あくまでも戦う前の呼び名であって、勝敗が決してからは、勝利した者だけが使える言葉に変わるのである。

日本人は奥ゆかしいのか、勝利記念日とか独立記念日とか、大々的に喧伝しない。外国を見てると「大勝利記念日」とか、「大独立記念日」とか、国を挙げて祝う行事になっている。

日本では「みどりの日」とか「海の日」とか、誰にも迷惑をかけないような文言を選びながら祭日にしている。なんと謙虚な国民であろう。海外に対してはそうであるが、国内ではそうでもない。もっと小さく言えば、家庭の中と外に対しても、態度や行動が違ったりする。

外国人によく勘違いされる、日本独特の文化である「本音と建前」の違いである。これには他人を傷付けないという配慮が含まれているのであるが、外国人には、なかなか理解されない。

モリカケ驕り問題で、支持率危険水域を超えた安倍内閣が、内閣を改造して「仕事人内閣」と名付けた。その「仕事人内閣」が一度も仕事をしないうちに、解散することになった。北朝鮮の度重なるミサイル発射で、安倍内閣の支持率が上がり始めたからである。

北朝鮮とアメリカの脅し合いでは、「長引けば長引くほど、北朝鮮が有利になるから、早くアメリカに北朝鮮を攻撃してほしい」と考えてる国民は多い。口に出さないだけである。親しい者だけでは、結構そのように話している。あくまでもアメリカ頼りの、北朝鮮との戦いであるが、アメリカが負けるという発想は微塵もない。

もしアメリカが北爆撃を始めたら、後方支援以上の支援をするのは間違いない。それでも国民は安倍内閣を支持するだろう。国民は、一応北朝鮮のミサイルに驚きはするが、本音では、今でも圧倒的にアメリカが強いと思っている。ただアメリカが、どれだけ本気で北朝鮮を叩くか、である。

中途半端に叩いて、後は日本と韓国で、と言われた時、今の日本及び日本人の覚悟では、何にもできないであろう。混乱の中、難民で溢れた朝鮮半島からは、七〇万人の在日が住んでいるという日本の親戚・民族の援助を求めて、難民が押しかけて来ることが予想される。

その時、全てを受け入れれるのか?仮に制限したところで、日本は四方海である。どこからでも、命を賭けた入国は可能である。仮に違反を見つけたところで、人道上非難に弱い日本では、無下に追い返すことは不可能であろう。

野党もこうなれば、モリカケ問題の第二弾など考えず、「実際に北朝鮮との戦争に巻き込まれた時の対処、その後の対処等」の建設的な意見を述べた方が、票が増えるのではないか。相手が受けない以上、今更対話と言っても、机上の空論である。この時期に、国会を空白にしていいのかと言う意見もあるが、いざ日本も巻き込まれる戦争が始まったら、反対意見しか言えない野党では役にも立たず、「北朝鮮嫌い内閣」が国民に支持されるはずである。却って役に立たない議員がいる状態より、解散状態の中での内閣の方が、話が纏まりやすくて、動きやすいだろう。その時こそ、「仕事人内閣」の腕の見せどころかもね。

▼人生を長く生きていると、色んな興亡に出会うものである。人の興亡もあれば、会社の興亡もある。国の興亡、自然の興亡もある。アメリカで八百億円当たった女性がいたそうだが、一番最初にやったことが上司に電話して、「明日から会社には行きません」だったそうである。

人は、生活の為に普段は嫌な毎日も我慢して働いているんだなー、と感じるエピソードではないか。自分に例えて見てもそうかもしれない。もし八百億当たったら、やっぱり仕事辞めるかなー?いや、取りあえず一年ぐらい仕事休んで、世界一周でもしながら、ぼーっとしたい、と言うのが、大多数の凡人の夢ではないかなー?しかし、現実には、宝くじに当たら無くても、こういう生活ができる人もいる。

それを一代で築く人がいるから恐れ入る。運なのか、縁なのか、実力なのか、はたまた偶然なのか、なかなか答えは出ないことが多い。あんな人が、という人もいれば、あの人なら、と言う人もいる。

ただ世の中には、金を持ったが故に不幸になった、という人もいるのは確かである。そういう人を見て凡人は、「なまじ金を持つから不幸になるんだよ。金なんてのは、身の丈にあった程々が一番いいんだよ」なんて、負け惜しみを言うのである。それも確かに一理はある。

それにしても、である。何でこういう興亡を思ったかと言うと、子供の頃、すごく栄えていた故郷に人々が沢山居て、町に活気があった。普段の生活は決して楽ではなかったが、人々が夢を持って生き生きとしていた。ラジオを買った、洗濯機を買った、と言っては近所の人達や親の友人たちが集まってお祝いしていた。

その当時のおじさんやおばさんが歳を取って亡くなったのはわかるが、その子供たちが沢山いたはずである。その人達が田舎を出て行って、帰って来ないから、町に人が居なくなってしまったのである。あの活気や熱気は何だったんだろう?祭りの神輿や夜店の温もりは幻だったのだろうか?人は、貧しい時は色んな我慢もするが、豊かになって来ると、それぞれに目指すものが違ってくるのである。それは一番縁の深い親子でも同じである。

一方で、畑の中に駅ができたりすると、その周辺が開発され、店ができ、家が建ち、人が集ってくる。川の流れまで変えたり、突然道が出来たり、車の数は増え、人の往来も増えてくる。今まで静かだった町に喧騒感が出てくるのである。人が増えるということは、正の部分だけではなく、負の部分も増えるのである。

日本の国も、何だかんだ言いながら、戦後成長を続け、世界の経済の超一流国になった。公衆道徳を守り、勤勉で、真面目な国民性が、成長を著しくしたのであろう。その日本が戦後最大の危機に瀕している。北朝鮮からの挑戦である。

韓国の慰安婦像問題とか徴用工像問題は、韓国国内問題だから、放っておけば済む話であるが、北朝鮮は戦争を仕掛けてきている。いずれは受けて立たねば、恐喝はどんどんエスカレートするだろう。「安保理制裁は効果はない」という人もいるが、そんなことはない。確実に守られれば、北朝鮮が苦しいのは間違いない。上層部は、自分の食い扶持は確保してるだろうが、働き手(国民)の、食料や手当がなかったら、人々はやがて働かなくなる。燃料費や開発費より、国民の衣食住の方が優先されなければ、国は成り立たないのである。

▼世の中は不倫祭りである。昔は不倫で話題になるのは、芸能人だけだった。ところが今は、政治家、弁護士、医者等、あらゆる分野の者がターゲットである。要はどちらかが番(つが)いであった時、それ以外との恋愛が不倫となるのである。

ということは、結婚している人は、若くても歳を取っていても、他人と恋愛はしてはいけないのである。こういう縛りで括った時、どれだけの人が「不倫はしたことがありません」と言えるだろうか?普段倫理を説く人、相手を厳しく罵(ののし)る人、美男・美女な人、他に隠し事のある人、過去にも不倫の経験のある人、政治活動費を誤魔化している人、カツラ疑惑の人は、特に叩かれやすいのである。

最初はみんな不倫を否定する。ホテルの部屋を別々に借りてはいるが、下着で行ったり来たりしながら、「一線は超えてません」と言う者もいれば、週に四回も一緒にホテルに泊まっていながら、認めない猛者もいる。但し嘘を言うと、その後の追及がもっと厳しくなるのである。人は他人のことは冷静に聞けるし、冷静でいられる。

しかし、自分のことになれば相手に厳しくなるのである。芸能人の不倫も、他人事だから、笑いながら第三者的意見が言えるのである。「遠くて近きは男女の仲」に、一度でもなったら、その他人の関係が突然崩れ、豹変するのが男女の仲なのである。

友達の一人、知り合いの一人、お客の一人から、私の物、私だけの物、になって、突然独占欲が芽生えてしまうのである。先日も、ダブル不倫同士が同棲する関係にありながら、相手が妻と旅行することを知って、不倫同棲相手を殺した、というニュースが流れていた。典型的な我が儘欲望である。そこまで好きであったのなら、自分もその場で死ねばよかったのだ。だが、この女は、殺した男が好きだったのではなく、自分以外に振り向いた男が憎かったから殺しただけなのである。典型的な強欲持ち主の女だったのである。

愛は相手を思いやることであって、たとえどのような別れ方になっても、相手には幸せになって欲しいと思うものである。恨みが先に立つということは、もう二人の仲に愛はなく、別れる前から、心は切れていたのである。

一緒になって、我を出し我が儘を言い、嫌な思いをするなら、全てをさらけ出さないで、一緒になる前の「お互いにちょっと遠慮した」付き合いで、「付き合う幸せ感」を感じながらの付き合いの方が、充実感があろう。ニ〇年付き合って、結婚したら一か月で別れたという人もいたが、正にこう言う感じだったのではないのか? ところで、不倫は悪い方にばかり解釈されるが、一概にそうとは言えまい。人にはそれぞれ能力の違いがあり、稼ぎの上手な人下手な人がいる。その能力のある人の所に、人が惹きつけられて行くのは、ある程度仕方がない。

そこで、少しでも富が分配されればいいではないか。不倫、不倫と大騒ぎするのは、庶民の嫉妬である。王様の愛人や大奥みたいなものも、一種の不倫ではあるが、レベルが高すぎて誰も騒がない。寧ろ憧れである。

要は同列に見ると、嫉妬や憎しみに変わるのである。職業としての愛人業と言うのは昔からあるのである。結論として言えることは、殺したいほど憎くなったら、別れるべきである。そして残りの人生を楽しんだ方がよい。人生はそんなに長くないんだから。


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