敬天新聞12月号 社主の独り言(中辛)

(敬天新聞12月号)



其の一

▼日本は北朝鮮に対して優柔不断である。本来ならもっと厳しく対応すべきである。

前から日本人が誘拐されているという話はあったが、当事者の北朝鮮が否定していたことと、当時の社会党(その後、社民党)などに、北朝鮮賛美者が居て、中々解明が進まなかった。

それが小泉総理の時に、突然北朝鮮が認めた。裏で金が動いたのであろう。社民党が衰退した(信頼を無くした)大きな原因の一つではないか。

しかし、国民が誘拐された事実がわかった後の日本の態度が今一、北朝鮮に対して気迫がない。憲法九条があるから戦争は出来ない。

という理屈はわかるが、何十人もの日本人が日本国内で拉致されているのである。明らかな犯罪ではないか。戦争問題に発展させる必要はない。あくまでも犯罪として、国際世論に訴えればいい。

日本の国も、国民も、いま戦争ができるほどの覚悟は持っていない。犯罪として訴えたからと言って、戦争にはならない。そして取るべき態度は、徹底的な国交断絶である。

表向きは国交断絶を謳ってるが、現実には隙間だらけで、全く北朝鮮に圧力はかかっていない。万景峰号は出入り禁止になったが、貿易や金の不法持ち出しは万景峰号だけではない。

日本には北朝鮮籍人が何十万もいる。その者たちに差別や虐めをする必要はないが、明らかに不法行為をして北朝鮮との関係を続けてる所は、徹底的に調べて罰則を課すべきである。

朝鮮総連なんかは典型的な北朝鮮の出張所的な役割を果たしている。パチンコ屋の脱税、不正送金などは、もっと厳しく監視すべきである。日本人が拉致されてる事実がわかったわけだから、徹底的に国交は断絶すべきなのである。北朝鮮の犯罪として有名なのは、偽札作りと覚せい剤の密輸である。

こういうのを徹底して取り締まる。罰則も重くする。同じ覚せい剤でも、北朝鮮ルートだとわかると罪を重くする。そうすると誰も触ら無くなる。そうすれば、そのルートは自然と衰退する。国内の中で、徹底して北朝鮮犯罪を許さない。

これは犯罪に対する取り組みで、国内問題だから、とやかく言われることではない。何故こういう指摘をするかと言うと、日本の国は、九条があるから戦争ができないではなく、今の日本人には戦争をするだけの覚悟はない。

にも拘わらず、いま安倍総理は、トランプ大統領が北朝鮮を軍事的に叩くことを望んでいる。自分が先頭に立って「ついて来い」ではなく、あくまでもアメリカに戦ってもらって、後方支援として、「後方支援以上の働きをします」である。

一気に叩いて、日本が全く被害なく、終わる戦争ならいい。もし泥沼戦争になったらどうするのか?或いは、「アメリカファースト」ばかり求めて、世界中だけでなく、国内からも批判がでているトランプ大統領が、弾劾されるとか、北朝鮮と手打ちするとかしたら、どうするのか?国民に覚悟があっての「仕掛け」ならいいが、全くそのような覚悟を持たない中での、「煽り」なら、止めたがいいだろう。

それより日本が出来る範囲の中での経済制裁を、毅然として最高レベルに引き上げるべきである。北朝鮮国籍人と言えども、日本国内にいる子供たちや貧しい人達には援助してあげればいい。

犯罪を犯してる者、日本で大成功して尚且つ北朝鮮に莫大な違法送金している者を取り締まるだけで、効果は出るはずである。


其の二

▼麻生太郎は何故あれだけの失言・暴言を繰り返しているのに、「辞めろコール」が起こらないのだろうか?久間初代防衛大臣なんか、たった一回「アメリカが日本に原爆を落としたのはしようがなかった」と言う発言だけで大臣を辞任しなければならなかった。

長崎の方言として、「しよんなか(しかたがない)」とは、あまり意味もなく、よく使う単語である。おそらく、そういう意味で使ったはずで、大バッシングされるほどの言葉ではなかった。マスコミの取り上げ方で大きく左右するのである。

恐らく麻生さんのキャラクターも関係してるのであろう。おしゃれをして出かけて行く姿は、必ず「マフィア」の恰好である。言動もマフィアに似ている。口をひん曲げて喋る口調もマフィアを意識しているようである。一般の議員が言えば間違いなくアウトであるが、麻生さんの場合は、一応とりあげられるが、いつもセーフになる。

ちびっこギャング的なキャラクターが幸いしてるのであろうか?同じく舌禍を叩かれながらも、辞任までは行かない人として、森喜郎氏がそうである。

仇敵の小池百合子都知事がズッコケたと一番喜んでいるのではないだろうか?今回は、森さん、麻生さん、二階さんの「慎太郎舌禍」がなかったから、小池旋風は起きなかったのである。都知事選の時は、海千山千の古狸に、緑の子狸が虐められてるから、都民が「さー大変。何とか助けなきゃ」と、広がった応援の輪だった。日本の国民は穏健であるから、極端な思想や宗教観は望まない。中道の範囲内と思えば、その時の風で右へでも左へでも行くのである。

そういう意味では、排除しなくても希望の党で民主党を飲み込めば、それなりの風は吹いたかもしれない。政治家として正直すぎたのであろう。 ところで、アベノミクスとか三本の矢とか、国民の半数以上の人は、意味がわからないのではないか。私も全くわからない。

三本の矢というぐらいだから、毛利元就が息子に教えた「一本の矢なら直ぐに折れるが、三本の矢なら折れにくい」という故事から来ている話なんだろうなー、とは思うが、何が三本なんだろう?、と思って、何人かの物知りっぽい人に尋ねたが、私が「なるほど」という程の説明をしてくれる人はいなかった。

テレビでも解説者が、三本の矢について語るが、やはり要領を得た説明をできる人がいない。ということは、自分たちもあんまりわかってないんじゃないか。意味はわから無くてもいいが、世の中の経済が「三本の矢」のように、強く逞しくなって、国民の生活が楽になると嬉しいが、実際には景気がいいような実感もないし、アベノミクスの恩恵を受けたという人は、あまりいない。

まー、儲けた人は、いるのかも知れないが、人前で儲けたといえば、妬まれるので何も言わないのだろうか。だけど、富裕層がより富裕層になったというだけで、全体的には豊かになったという感覚はない。部分的にバブルが起きて、そこに関連した人や、先を読める人達が儲けただけで、一般の人には、あまり恩恵はないようである。

これはいつの時代もそうである。力のある政治家にくっ付いた一部の者だけが、甘い汁を吸って、貧乏人は麦飯を食いながら、宝くじに夢を買うのである。


其の三

▼我々国民が、何か証明するときに、一つでも資料が足りないと、その目的を達することが出来ないことは多い。自分のお金の預金さえ、必要な手続き、必要な書類が揃わないと、引き出せないのが今の世の中である。

昔は顔見知りであるとか、田舎の人は、顔が本人の証明書みたいなところがあって、色んな証明も緩やかだったが、今は余りに「なりすまし詐欺」が横行することもあって、本人であっても書類の提出は当然で、一つ足りなくても絶対に了解はしてくれない。

ところが、官庁の上の方では、結構なーなーでいい加減である。力のある政治家が行政に行って物事を頼んだりする時、出世を望む上司がいた場合など、書類が足りなくても、本人確認などの必要がある時でも、省略して、OKする場合とかがよくある。

そして、そういう男こそ「使える」と、出世して行くのが、世の中のようである。国税庁長官に出世した佐川宣寿元理財局長は当然残して置かなければならない書類を「破棄した」と証言した。忖度極まり、提出すると都合が悪かったのだろう。こんな男に限って、部下が書類を破棄したり、無くしたりすると、烈火の如く怒りパワハラするのである。国民には、強制をしいるが、権力者は適当なのである。右であれ、左であれ、政権を執った者は、自分の都合の良いように、改革、改憲していく。多選は、結局は利権構造の構築でしかない。それは誰がやっても同じである。

自分の器量の無さは棚に上げて、毎年毎年愚痴を言って、暮れるのが恒例になってしまった。

つい何年か前までは、まだ発展途上と信じて夢を語る時もあったが、登り切ってもいないのに下り坂、という実感を体に感じることも多くなって来たし、周りに人生の店仕舞いをする人達も増えてきて、木枯らしの寒さに身が凍みる師走である。

「後妻業」を実践し過ぎて、死刑になった筧千佐子という女性がいる。いま熟年結婚が流行りだそうである。女は老後も一人で生きていけるようであるが、男という生き物は、死ぬまで女性が必要な動物のようである。そこらあたりの心理を見抜く眼力に長けた女性であったのだろう。

ある女性が数年前から、旦那の介護で疲れて、振り返れば旦那の我が儘につらい日々が思いだされ、口惜しくて「早く死ねばいいのに」と思いながら、八つ当たりしていたそうである。

ところが、同じ境遇の男性と知り合い、愚痴を言いあっていたら、お互いに恋愛感情が生まれ、将来お互いに一人になったら、一緒になろう、と話をするまでになったらしい。

そうすると心に余裕ができたのか、将来の夢ができたのか、いま介護している旦那に対してまで、「私だけ将来幸せになるのは、申し訳ないから、貴方の残りの人生まで優しく付き合うわ」という気持ちになって、介護する気持ちが楽になったそうである。

どちらが先に行くかわからない七十歳の夫婦の話であるが、ちょっと温かいような、怖いようなノンフィクションである。

因みに夢を語る場所は行きつけの病院の食堂だそうで、お互いの家に遊びに行く敷地の線は超えてないそうである。どこかの政治家とは全然違うね。やはり老後はピンピンコロリが理想である。

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