またまた茨城県で議員が暗躍 不可解な特養老人ホーム開設

(敬天新聞 平成30年5月号 3面)


今度は西條県議

さて、飯塚県議が一億円を不正流用した件が、未だ解決に至ってないのに、記事を読んだという茨城県民から、またまた別の県議による新たな疑惑について相談が寄せられている。この際、全ての茨城県議に猛省を促す。

今度の話しは、茨城県神栖市で起きた話である。話そのものは十年前のことであるが、どうしてもその不正が許せないので、公表して欲しいというのである。実はこの件では、ある記者が追いかけ記事にしたこともあるらしい。しかし田舎独特の柵で、事件化することが出来なかったそうである。

話を聞くとやはり裏で県議の不正な匂いもするから、当紙で追及することにした。新たに名前が出てきているのは、神栖市を選挙区にしている西條昌良県議である。

神栖市は一定の土建業者が市を牛耳っているということで、過去に記事にしたことがあった。当時の市長だとか副市長が、公共工事の入札で九十五%以上の落札率で談合をしている特定の業者を見逃しているという話だった。その市長たちは辞めたそうだが、新しい市長もまた取り込まれているという噂もあるから、それもいずれ取材してみようと思う。

さて本題に入るが、特養老人ホームを開設するにあたって二社(仮称まごころ会と仮称梅寿会)が申し込んだそうであるが、その負けた方の会社(仮称まごころ会)の「負け方がおかしい」という話である。聞けば確かにおかしいのである。

先ず、仮称梅寿会は申し込んだ時の母体は那珂市瓜連の「さいせい幼稚園」だった。対して、仮称まごころ会は地元の水産加工業者だった。問題は「さいせい幼稚園」は、申し込みをした時点では、まだ認可されておらず、那珂市に問い合わせてもそのような幼稚園はありませんとハッキリ否定されたそうである。

仮称梅寿会申請人の楠見和人氏は、この時出した名刺に、「学校法人さいせい学園、理事。副園長」と書いた名刺を出している。おそらく裏で、もう認可が出ることがわかっていたのだろう。

ただ、外ではまだ使えない筈である。況してや公の場で使用するなんて言語道断ではないか。要するに虚偽の名前で申請したのであるから、この時点で失格である。そして何故か、まごころ会が老人ホームを建設する予定の土地が三三〇〇坪の自社所有地であるのに対して、梅寿会は決まったら買うという条件付きの一八〇〇坪である。

しかも産廃ゴミの埋め立て跡地で、土地価格も二〇〇〇万円が相場であるにも拘わらず、水戸信金が売買に関し七〇〇〇万円も貸している。その一年後には何故か、五億円も貸している所がある。まるで、森友学園問題と加計学園問題を足した田舎版である。

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資料を検証

平成二十年三月、神栖市役所に老人ホームの申請に来た人物が、福祉課に出した名刺は「学校法人さいせい学園 理事 楠見和人」となっている(資料1)。

住所地(那珂市瓜連一〇八五ー一五)にそういう学校法人は存在しないと役所の職員は証言していたそうである。ところが、当時の神栖市の福祉部長であった仲本守、福祉課長であった横田利秋の両名は、申請を受理してしまったそうだ。その時点では楠見和人氏が出した名刺は虚偽名刺である。なるほど、その後「さいせい学園」という法人が、名刺の住所地に出来たそうであるから、裏で認可が決定していたのであろう。

通常なら、認可決定は通知が来るまで当事者には分からない筈である。事前に知り得るのは、神栖市の幹部か担当部署の役人か地元を選挙区にしている与党議員ぐらいである。知り得ても通常は秘密にする。当日まで口外しないことが常識である。事前に漏れたら、取り消しさえあろう。

この場合は、別の福祉法人の申請に、認可前にも拘わらず、学校法人の名前を使っている。虚偽書類での申請である。それが分かっていながら受理しているのである。普通なら、分かった時点で却下である。

後日であってもはく奪であろう。それでも知らぬ存ぜぬということは、相当強い力が働いたことが想像できる。これは忖度というより、「誰かに頼まれて」という印象だ。その頼んだ人が、どうも西條昌良県議らしいのだ。

西條議員も県議議長を務めた実力者の一人で、「小武平」の一人だという。因みに「小武平」とは、県議を五十年務め茨城県政の黒幕と言われた山口武平氏(自民党県議団最高顧問・九十代の重鎮)を揶揄した地元ならではの呼称である。

それはともかく、不正は虚偽申請だけではないようだ。資料2の施設設備予定者選定評価表を見て頂きたい。審査項目の中に1事業概要、2開設趣意書、3開設場所等、4資金計画、とあって全ての評点で「まごころ会」が負けている。

しかし、申請時の資産総額は、梅寿会側が六二五万円に過ぎなかったのに対し、まごころ会側は前年度の法人税納付額だけでも四九七〇万円だったそうである。どう考えても、まごころ会が有利な筈である。

事業者概要にしても、資金計画にしても、本来なら断然まごころ会の点数が高くなければおかしい。また開設場所という点においても、まごころ会が自社所有地であるのに比べ、梅寿会はこの時点では売買予定地(資料3参照)である。

しかも、まごころ会の三三〇〇坪に対して、梅寿会は一八〇〇坪に過ぎない。約半分の敷地である。それなのに、適正な面積、事業所の立地状況、敷地の形状の全てで、梅寿会の評点が高い。一体全体どういう審査をしたのだろうか?3ー(3)「敷地の形状」の中に(資料2)、わざわざ「自己所有」かどうかも入っているのにである。これでは、最初から梅寿会ありきをと疑われても当然であろう。

加計学園を選定するにあたって、獣医学部においては遥かに優秀な京都産業大学を最初から排除したケースにそっくりである。事業所の立地状況という点においては、もっと大きな疑惑があるというから、次回に詳しく述べることにしよう。続く。

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