これが日大の危機管理能力 壊れる名門フェニックス!

(敬天新聞 平成30年6月号 1面)


世間との乖離

目的を果たす為なら手段は選ばない。ヤクザも右翼も政治家も、分け隔てなく使い、都合が悪くなれば容赦なく切り捨てる。それが、日本大学のトップに昇り詰めた田中英壽理事長の歩みである。

また、異論反論を力でねじ伏せ、田中体制を保持してきたのが日大執行部(田中の取巻き)である。

そんな田中体制も、いよいよ時代錯誤というべきか、急性乱造な執行部造りが馬脚を現した。五月六日のアメリカンフットボール関西学院大学対日本大学の試合中に起きた反則行為のことである。この試合のスポーツマンシップの無さに、その集大成が見て取れる。

反則行為については既にマスコミで報じられている通りなので、具体的な説明は省くが、動画を見ればアメフトに無知なド素人でもわかる危険な行為である。さらに問題を大きくしたのは、その後の対応の悪さであり、まさに日大の田中体制の歪みを世に知らしめるものとなった。

問題の試合から間も無く、日大アメフト部の監督である内田正人は、スポーツ紙の取材に対し「あれぐらいやっていかないと勝てない」などと答えると、ラフプレーが監督の指示であったという疑惑が強まり、雲隠れした。関西学院大が不満に耐え兼ね記者会見をすると、世論の反発に駆られて日大広報部が内部調査の結果として、監督の指示ではないとの見解を示した。退場処分と成った選手個人に責任を擦り付けたのである。

更に世間の批判が高まり、ようやく内田が公の場に姿を見せたのは、試合から二週間近くも経ってからだった(五月十九日)。この時も、事態の収拾を図るべく監督辞任を表明し、謝罪のつもりで発した筈の言動が的を射ておらず、形だけの謝罪であると見透かされ、更に世間の批判に拍車をかけた。

スポーツ庁の鈴木大地長官までが「辞意よりも、なぜ起こったのかという原因を知りたい」と不満を漏らした。この対応のまずさが、結果として被害者である関西学院大の選手側から、傷害容疑で大阪府警に被害届が出され、警視庁が捜査する事態を招いた(五月二十一日)。社会の風評を全く理解していないのである。これが日大の危機管理能力なのか?何とも見苦しいでなはないか。亀ちゃん(亀井静香)と新設した危機管理学部の名折れである。

関西学院大の抗議文に対して、日大は五月十五日付の回答書で「指導と選手の受け取り方に乖離が起きていたことが問題の本質」などと説明したが、日大執行部が一般社会の良識と乖離している事こそが問題の本質なのである。大学の名誉の為には、学生も道具の一つとしか見ていないのか?五月二十二日、遂に怪我をさせた宮川選手自身が会見し、内田監督と井上奨コーチの指示だったことを明らかにした。パワハラ、威迫、脅迫まがいの行為である。

負傷した選手の父親の会見も、怪我をさせた選手の会見も胸が痛んだ。学生たちが気の毒である。そして、内田と井上は日大広報部米倉久邦氏の司会で臨んだ、あの最低最悪の記者会見で墓穴を掘るのである(五月二十三日)。


壊れる名門

最近のフェニックス(日大アメフトの通称)は、指導者不足なのか、規律が乱れている。昨年も部員が強制猥褻事件を起こして逮捕され、合宿所が家宅捜索を受けている。前代未聞である。本当はこの時に、監督不行き届きで責任者の内田正人は辞表を提出するべきであった。

もう一つ内田の個人的なことで言えば、その一年前には、陸上部の女子学生とコーチとの不倫関係を週刊文春(二〇一七年四月十三日号)にスクープされたことに対して、「理事長(田中英壽)に恥を掻かせた」として、陸上部の監督を殴打し、血だらけにしたという、内部告発の投書が送られて来ていた(二面に掲載)。イエスマン内田の面目躍如である。

その後、示談したのか続報はないが、本来なら退職(クビ)になってもいい事案であったが、理事長&優子夫人の一番パシリと言われている内田は、クビどころか事件後に益々出世し、常務理事(実権ナンバー2)に成ったのである。

人事部長でもあるが、その前は日本大学の体育会(運動部)の全てを束ねる保険体育事務局の局長も務めていた。全ての運動部の監督を指導する立場にあった者が、この程度のスポーツマンシップしか持ち合わせていないのが、田中体制の実態である。

田中理事長夫妻から見て、内田は使いやすいということで、常務理事にしたのだろうけど、だいたい内田は、常務理事というタイプではない。実務能力ではなく選り好みで、要職に就けるから、勘違いするのである。

また田中体制に取って、もう一人の側近である井ノ口忠男も、アメフト部の顧問クラスにいる。井ノ口もまた、いつのまにやら裏口就職して、今では理事にまで出世している。更にいえば、問題の試合当日、反則を犯した選手がサイドラインを割って自陣に帰って来た時、最初に話かけているのが井上奨コーチである。

この井上コーチは、井ノ口理事が日大に裏就職で押し込んだ男で、学生時代にはホモビデオに出演していたことを、週刊誌フライデー(二〇一三年九月六日号)にスッパ抜かれ、アメフト部に大迷惑をかけた男である。因みに井上コーチの両親は井ノ口理事の大阪の自社ビルの一階で洋菓子店を経営し、その菓子を日大でも販売している。

また、日大広報を仕切っているのが、井ノ口理事の実姉で?エルフエージェンシー代表の橋本稔子女史なのである。実は、橋本女史が、弟の井ノ口忠男を理事にしたと言っても過言ではないのである。少なくとも日大の職員は全てそう思っている。と言うのは、「人たらし」として、その魅力満載な橋本女史こそが、田中英壽理事長の糟糠の妻(今は大金持ち)である優子夫人のハートを鷲掴みにし、日大利権に喰い込んだのである。井ノ口忠男が日大利権に入り込むのは、その後である。井ノ口忠男を理事にする為に、事業部を作ったようなものである(二面に続く)。


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