(敬天新聞 平成30年8月号 2面)
井ノ口の姉・橋本稔子嬢 |
遠藤関に恋する田中優子夫人 |
日大のドン田中英壽理事長 |
日大問題の根 |
五月六日に行われた関西学院大学対日本大学によるアメリカンフットボールの試合から三ヶ月が経とうとしている。危険なタックルの問題が、日大執行部の驕りから、田中体制のガバナンス(管理・監督等の機能)の問題にまで波及した。
弊紙は十年以上も前から、田中体制による日大の私物化、利権漁り、不正揉消しといった不条理の数々を追及してきたので、ようやく「日の目を見る」ことになったというのが正直な気持ち出である。
しかし、最初でこそテレビや週刊誌は連日のように日大ネタを報じたが、警察官を殺傷し拳銃を奪い小学校を襲う事件や新幹線でナタを振り回し乗客を殺傷する事件、文科省の局長と東京医科大学の学長・理事長による汚職事件やオウム真理教幹部七人の死刑同日執行、そして西日本豪雨という具合に、前例のない大きな事件や災害が次から次へと起こり、世の中の関心事は、瞬く間に変動していく。一般の人達にとって日大アメフト問題は、もはや食傷気味であろう。
その日大問題を、大手メディアの中で、今でも果敢に報じているのは、田中理事長に名指しで批判されたフジテレビの報道番組「バイキング」くらいである。
しかし、それでも問題の根本的な解決に至っていない日大問題を忘れずに取り上げてくれるのは有難い。
このまま、何処も報じなくなったら、それこそ田中理事長の思惑通りとなってしまうからだ。
世の批判に曝された内田正人が監督を辞めても、大塚学長が記者会見をしても、第三者委員会が中間報告で斬り込んだ発言を見せても、口封じの黒幕とされた井ノ口忠男が理事を辞めても、新監督が決っても、本当の問題解決には至らないのである。
問題の根幹は、未だ会見を開かない日大トップ田中理事長にあるのだから、真の解決はまだまだなのである。田中理事長の作戦は時間が経ち風化することである。ここで田中理事長を討ち漏らせば、いつか時機を見て必ず内田も井ノ口も息を吹き返すことだろう。田中理事長が権力を保持し、金儲けを続けるには必要な人材だから当然だろう。
田中英壽理事長と一部の取り巻きが、日大事業部を牛耳り、私利私欲の為に大学を私物化してきた。
そのことが、微かに世間の耳目を集めている今こそ、日大の刷新を願う人たちは、勇気を出して立ち上がるときである。この機を逃しては成らない。
長らく続けてきた弊紙の日大追及記事は、一見日大批判の記事に見えるかも知れない。しかし、ほんの一部の田中体制を保持する執行部の、私物化不正を暴いて、昔の日大ブランドを取り戻そうという、日大OB・OG、教職員、学生への応援メッセージであり、国の助成金約百億も注入されている大学を、国民が問題解決を図るよう大学や文科省に声をあげるのは当然ではないか?という問題意識の契機でもある。
そんな思いで、書き続けてきた弊紙とブログの記事を纏めたものが、この度、「立ちあがれ日大マン!」と題した一冊の本となって出版することになりました。急遽、出版することが決まり、定例の新橋街頭演説会を休み、出版に携わった多くの皆さんを巻き込んで、編集作業に取り組んで、完成しました。
本の後半には、男の生き様で各界に多くの著名なファンを抱える安藤昇先生が、生前に弊紙に贈ってくださった懇親の一筆を紹介させて頂いております。その言葉は、今でも弊紙の活動の源泉ともいえる「志し」として大切にしています。弊紙を愛読の皆様にも是非ご一読いただき、何かのお力添えと成り得れば幸いです。
田中理事長の作戦 |
さて日大のアメフト選手による反則問題では、後出しジャンケンで有利な立場を導こうと卑劣な手を繰り出した日大側(執行部)であったが、全てが後手後手で危機管理能力の無さを露呈し、社会から大ブーイングを受けてしまった。それでも最高責任者である田中英壽理事長は、未だに会見は開かない。会見に出れば、疑惑てんこ盛りの質問が予想されることがわかっているので、どんなことがあっても顔を出さない作戦なのである。
だからといって、渦中にパチンコはなかろう。渦中の大学トップを、記者が追っているくらいのことは分かろうもの。日頃の驕りが、あのような余裕を招き、脇を甘くしたのだろう。カメラの前で「俺は知らないよ、俺は関係ないよ」と言い放つ姿こそ、今の日本大学の姿を現している。大学のトップにしてこの認識である。
例えば名だたる親分との2ショットにおいても、本人は「合成写真」と言い張っている。しかし、それは私的な場所での発言であって、公の場での発言ではない。多くの記者の前で、その後ろで聞いてる国民の前で、堂々と「合成写真」と否定して欲しいものである。ここまで信用を落とした日大ブランドを取り戻すには、トップの会見は欠かせない問題になってきたはずだ。文科省が会見を指導すべきである。
このまま何も語らず、時の経過を待つだけでは、真実はわからないままで終わってしまう。内田が命令した殺人タックル事件は、現体制の驕りの象徴である。現体制がどのようにして出来たのかを真相解明しない限り、殺人タックルがどうして起きたのかの解明には繋がらないのである。
今までは、こういう問題が起きたら、危機管理防衛隊が動いて、密かにもみ消していたが、今回は全く動いた気配はない。
(三面に続く)☆☆☆
内田正人前監督 |
理事を辞任した井ノ口忠男氏 |