(敬天新聞 平成 30年9月号 1面)
誰が作ったか知らないが、今更ながら「形だけの謝罪文」を田中英壽理事長が発表した。第三者委員会も最終報告を出したし、関東学生アメフト連盟も日大の公式試合出場停止を決定したので、何らかの理事長の謝罪を形にしなければ、終息が見えないということで、出した謝罪文であったのだろう。
それだけの思いが本当にあるのなら、堂々と出てきて、謝罪の記者会見が出来た筈である。誰もが思うことであろうが、この気持ちを持って、トップとして先頭に立ち事件の解明に当たっていれば、今のような社会の批判に晒されることは無かった筈である。
何よりも内田正人前理事や井ノ口忠男前理事の暴走を許したのは田中理事長自身ではないか?
それなのに今更、なんと白々しい謝罪文であろうか。内田前監督が自分を守るために、学生が勝手に暴走した行為と責任転嫁した無責任極まる態度と全く同じ態度を、今度はその親分である田中理事長が、社会に示したようなものである。都合が悪くなると自己保身的な物言いで、逃げようとする。
田中理事長は学校法人、それも日本一の私学助成金を受け取っている法人のトップという自覚が全くないのである。堪り兼ねて元副総長だった四名が「辞任を促す」会見を開いた。当然だろう。
今までトップに君臨できたのは、学術的な知性は感じられないが、商才があるために、皆が口を出さなかったのは確かだ。だが、公私混同が限度を遥かに超えていた。そのことに田中理事長だけが気づいていなかったのである。
それを図らずも社会が教えようとしているのだが、未だ理事長だけが理解できず、周囲が少しずつ尋常じゃない現実を真剣に考え始めたのである。
類は友を呼ぶというが、日本ボクシング連盟の山根明前会長が日大の危機管理学部の特任教授になっていたとは驚いたね。ボクシング界の事はよく知らないけど、田中理事長が推薦すれば何でもアリなんだね。山根氏は直ぐに反論の会見を開いたが、あの会見を見て田中理事長は益々会見をする気がなくなったのではないか?マスコミの餌食となり晒し者となって辞任に追い込まれた、と解釈しただろうからね。
田中理事長の罪は山根氏より遥かに重い。百億の補助金が国から出ている学校法人のトップなのだから。
(日大ホームページに掲載された田中理事長の謝罪文↑クリックで詳細を表示)