日大の闇深し冬の陣!功を奏する田中理事長の黙して語らず作戦

(敬天新聞 平成30年12月号 2面)


暗 影

今年五月にアメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で起きた危険タックル問題で、関東学生アメフト連盟から、今年度の公式試合出場資格停止処分を受けた日大が、約半年ぶりと成る先月十七日、横浜スタジアムで対外試合を行い圧勝した。

危険タックルをした宮川選手もベンチ入りし笑顔を見せていたという。宮川選手は十分に反省しているし、他の選手達も含め、社会的制裁を受けている。日大アメフト部フェニックスの健全なる再起を切に願うばかりである。

一方、時同じくして、危険タックルの被害者側から傷害容疑で告訴を受け、捜査していた警視庁が、内田正人前監督と井上奨前コーチについて、タックルをした宮川選手へ傷害を意図する指示をした事実は認められないとの見解を示し、立件が見送られることに成った。

宮川選手については実行行為を認定し、同容疑で書類送検する方針だという。しかし、被害者側から寛大な処分を求める嘆願書が提出され、示談も成立しているので、それを考慮した処分が下ることだろう。

それにしても解せないのは内田前監督と井上前コーチへの捜査結果である。この警視庁の判断に乗じてか、日大から懲戒解雇された内田前監督が、大学側を相手取り、解雇は無効だとして地位確認を求める訴訟を東京地裁に起こしていることが明らかにされた。日大が懲戒解雇したのは、第三者委員会の最終報告書に基づくものである。

内田前監督は、関東学生アメフト連盟が下した内田前監督と井上前コーチの除名処分も含め、警視庁の捜査結果を盾に裁判を優位に進め、処分の不当性を主張することだろう。処分中に得るべく報酬も日大に請求できるし、願ったり叶ったりではないか。

これでは告発した宮川選手の虚言であると言っているのと同じである。今後の日大に暗影を投ずる結果である。世論はこの社会の不条理を許してはならない。



どんでん返し

警視庁は「監督・コーチからの指示はなかった」と結論付けたそうだが、指示がなかったということは、宮川選手が勘違いな受け取り方をしたという結論になる。それなら、あんなにしつこく相手チームに反則している宮川選手を何故止めなかったのか?あまりに不自然であろう。

例えば、内田前監督が起訴された後の裁判で「もう十分社会的な制裁を受けているので、厳しい判決は必要なかろう」という大岡裁きなら、国民も納得しよう。しかし「指示はなかった」という結論はあまりに無謀ではないか?

宮川選手は、はっきりと指示を命令されたと語っている。内田前監督も試合直後の談話では、命令を否定してはいない。徐々にトーンは下がって、否定を始めていたが、関係者の誰もが、監督からの命令と受け取っていた。だからこそ、関東アメフト連盟も除名にしたし、日大側が頼んだ第三者委員会さえも、監督・コーチの命令を認めたのではなかったか。

何より日大アメフト部の選手の殆どが、監督・コーチの命令があったことを認めていた筈なのに、なぜこんな結論がでたのだろう。

確かに被害者側は、直接の加害者であった宮川選手には処罰を望んではいないし、示談も済んでいる。しかし、宮川選手に命令した監督・コーチに対しては、処罰を望んでいたはずである。

しかも、宮川選手や他の学生にまで、真実を話さないように圧力までかけていた理事までいたではないか。しかし被害者の傷害が思ったより軽かったこともあり、「刑事処分を問えるほどのものではなかった」という結論ならいざ知らず、「監督・コーチからの指示はなかった」は、あまりに現実とかけ離れた結論である。

これでは「無実の罪に問われた」内田前監督の大学理事返り咲きもあるのではないか? これでは、田中英壽理事長が言っていた「内田は半年後に戻す」という予言通りではないか? 日大側は裁判で内田前監督と争う姿勢を示しているが、本当かな? ポーズじゃないの? 何回か形だけやって、また世間が忘れる頃に「和解案」を受け要れるというような作戦ではないのか。

最近の学内の情報によると、「内田氏が大里裕行常務理事に総務部機密費から弁護士費用一千万円を用立てるよう指示した」と言われている。大里氏は未だ内田前監督のしもべであるようだ。

また、十一月十八日には日本大学校友会大阪支部の総会が開催され、井ノ口忠男氏の支部長再任が決まったそうである。これは井ノ口支部長の解任動議が否決された上での結果である。結果に憤慨し、大阪校友会を離脱する支部も出たそうだ。

井ノ口氏は、校友会推薦による日大の理事であった(問題発覚後辞任)。悪質タックル問題では、学生たちを威迫し、もみ消しを図ろうとした張本人である。騒動後に、いち早く雲隠れし一切説明責任も果たしていない。部外者であるにも拘らず田中理事長夫人である優子姐さんの右腕として、大学で影響力を行使している株式会社エルフ・エージェンシー橋本稔子社長の実弟でもある。

内田前監督の件にしろ、井ノ口氏の件にしろ、これでは完全復帰の伏線ではないか。田中英壽黄門様の下に、助さんと格さんが帰ってくることになる。教職員組合の人も気が気ではないだろう。

刑事事件の告発まで、もみ消してしまう力を見せつけられれば、もう為す術がないのではないか。日大のチャンコ商店体制が再び盤石なものと成ることだろう。

社会も、被害者も、アメフト関係者も、日大教職員も、マスコミも、あっと驚く大どんでん返し。

あな、恐ろしや、日大の闇。


田中理事長の故郷青森県の地方紙『東奥日報』11月10日記事(画像クリック)

いくら部活を学長直轄にしても、その遥か上座に理事長が君臨すれば、何の改革に
も成っていないと思うけどねー。内田も井ノ口も無罪放免で帰って来たし・・・・

日大はチャンコ商店体制に戻るのか?


敬天ブログ敬天新聞社ホームページ敬天千里眼不正疑惑(評判・噂)告発