因果応報!山本一郎強盗事件と平成の若者を取巻く社会の闇

(敬天新聞 平成31年4月号 1面)


留意すべき点

弊紙が詐欺ではないかと追及していた葛」球の山本一郎会長が強盗に襲われた。自宅のガラスを割って侵入した犯人達は、寝ていた山本会長を粘着テープで縛り上げ、金を要求したという。

山本会長は言うまでも無く平成七年にKKC(経済革命倶楽部)を名乗り、僅か一年足らずで一万二千人の会員から三五〇億円を集めた詐欺師として名を馳せた御仁である。十年間を塀の中で過ごし、再び名を山本意致朗に改め、競球(西浅草三‐三‐十二)なる会社を設立し金を集めていた。

弊紙は投資詐欺であると、何年も前から記事にしているが、一向に事件にならない。金の集め方、手法、カラクリ、全てKKCの時と同じだから、詐欺として事件化してもいいと思うが、未だに事件になっていないのである。強いて昔と違う点をあげるならば、投資者(被害者)に中国人が多いという点だ。弊紙への相談も中国人が殆どだった。中国人被害者は、日比谷公園から東京地裁まで「金返せデモ」までやっていた。大金を見せびらかして勧誘し、中国人に恨まれてもいたから、いつ襲撃されてもおかしくない状況ではあった。

しかし約束の配当を払わない理由に「強盗に入られて金を取られた」と言い訳にしていた過去があるので、この一報を聞いた時は、また自作自演かと疑った。

ところが今回は事実だったようで犯人四人が逮捕された。

驚いたのは主犯格が二十歳の女で、他は十八歳と十九歳の少年である。特殊詐欺から派生したアポ電強盗の変形であろうか? 山本会長が大金を持っていると勘違いしたようである。

実際に目の前に大金を積んだ写真を公表しているので、それを真に受けたのだろう。あの見せ金の殆どは「オモチャの紙幣」であるのに。

それにしても警視庁の「警察力」である。金曜日の午前二時頃の犯行だったにも拘わらず、土曜日の昼過ぎには犯行に使われた車が山口県内で発見され、その後直ぐに犯人を逮捕しているのである。真に鮮やか。精度のいい防犯カメラが街中に張り巡らしてあるとは言え、東京から山口県まで逃げた車を一日で分析してしまう実力はドラマ以上ではないか。

今回の逮捕劇は、犯罪の抑止力、今から犯罪をやろうとしている者に対して、躊躇させる決め手になったことだろう。

 

それにしても、あの山本会長の自宅に十二万円しかなかったとは、犯人たちもショックだったろうけど、それ以上に、いつか金が返って来ると信じている投資者は、もっとショックを受けたのではないか。

そんなことより留意すべきは点は、凶悪犯罪の低年齢化が遊び感覚で進行しているということだ。オレオレ詐欺から派生したアポ電強殺事件も然り、金で買えないものはないと言って笑いながら殺人を犯す者まで現れているのである。


原因は大人

近年、ウソ偽り・詐欺・不貞行為のニュースが目に余る。戦後GHQが占領政策の一環として日本に用いた3S政策の成果が顕著に表れているようだ。3Sとは、スポーツ・スクリーン(映画)・セックスの頭文字である。真面目で勤勉な日本人を娯楽に夢中にさせて、二度と立ち上がれないように(歯向かうことの無いように)、精神を根底から骨抜きにしてしまおうという戦略だ。 戦後七十年以上も経っているのに、いつまでも自国のことを他国のせいだと嘆いてばかりいても始まらないが、詐欺師が蔓延るばかりか、政治家や中央省庁、大手企業や有名大学、医者や学校の先生までもが平気で嘘をつく世の中になった。

担任の教師が女児の着替えを盗撮したり、医者が麻酔中の女性患者に悪戯するなんて事件は、昔は絶対にありえない思考だ。モラルハザード(道徳の荒廃)が著しいとはよくいったものである。

モラルといえば、有名なフランチャイズ店で働く若者が、厨房などでパンツを脱ぎ、お盆で股間を隠すなど、バカな動画をネットに流す行為が相次ぎ、社会問題と成っている。メディアはこの若者たちを「バカッター」と呼び、挙って批判に晒しているが、メディアを騒がせている大半のニュースは、バカな大人たちの事件ではないのか。

それこそが、バカッターのお手本と成っているということに気付くべきである。子供や若者以上に、この国の行く末を担っている国会議員が、不倫や準強姦で辞職するニュースも珍しくない。 芸人のバカ芸を含め、それらが若者や子供に誤った社会教育となって、バカな若者を生じさせる礎となっているのではないか。人手不足なのに営業ありきで、未熟者を野放しにしている責任者達。学校でどんなに綺麗事を書いた教科書で道徳を説いても、情報化社会でバカ大人の所業が連日大量に世の中に流れているのだから、現実を見透かされてることだろう。大人たちの行いが常に見られており、子供たちの社会教育と成り得ることを肝に銘じるべきである。


少子化に逆行

先般、警察庁が昨年一年間に認知した刑法犯罪の数を纏めた犯罪情勢統計を公表した。刑法犯全体の認知数は八十一万件で戦後最小を記録したという。平成十四年のピーク時は二百八十五万件だったそうである。

だがピーク時の犯罪は、窃盗などが七割を占めており、防犯カメラの普及などで窃盗が減り、全体の数こそ減ったが、犯罪別に目を向けると深刻な問題が浮き彫りとなっている。全体では減少傾向にあるのに、若者に関係する事件に限っては、増加傾向にあるということだ。流行りのオレオレ詐欺で摘発された少年少女は過去最多の記録である。言うまでもなく孫や子を装って高齢者を騙すという犯罪を、少年がお金欲しさにアルバイト感覚で手を染めているのだ。それも被害額が何百万何千万にも及ぶ高額な詐欺である。

また、子供が被害者となる児童虐待事件も過去最多の記録である。千葉県野田市の小六女児が父親から食事を与えられず何時間も立たされたうえ、冷水を浴びせられて死に至った事件は記憶に新しいが、被害児童一千四百人の内、三十六人の命が奪われている。事件に至らぬが児童相談所に通告されている児童の数は八万人であるというから、今も尚どこかで、自分の親による暴力と恐怖に絶望を感じながら堪えている児童がいることだろう。

子供が死に至る事件が相次いでいることを踏まえ、政府は親が子供に行う体罰を禁じる児童虐待防止法と民法(懲戒権)の改正を検討している。アメリカやイギリスでは深刻な虐待が認められると、死に至らなくとも最大十年の懲役や終身刑に処す地域があるという。児童を守るため法整備は喫緊の課題であるが、野生の動物でも本能で親は子を守り育てようとするのに、なんとも情けない日本に成ったものである。

それから、年間自殺者の数も九年連続で減少し二万一千人を割り、減少記録を更新したそうである。しかし、こちらも全体の数は減っているのに、未成年者の自殺は二年連続で増加しているそうだ。しかも若者の死因で自殺が第一位になっている。交通事故死や病死より、自殺が多いというのは、先進国では日本だけであるそうだ。

少子化なのだから、子供に係る統計は自然と減少傾向と成る筈なのに、逆行して若者や子供達に係る事件が増加傾向にあるという異常な状態が、生じている。

これら増加傾向にある若者や子供達に関係した事件をみると、未来ある子供達を取り巻く環境に、共通した社会の闇を感じ得ずにはいられない。若者や子や孫たちの世代に、産まれてこなければよかったとか、金が全てだと思わせるような世の中であってはならない。


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