VanaH(株)石山久男社長の誇大妄想
燃料開発と上場を騙る勧誘トーク

(敬天新聞 令和元年8月号 二面)


新燃料開発

VanaH(以下バナH)という水(ミネラルウォーター)を販売している会社が山梨県富士吉田市新屋にあるのだが、真に胡散臭い。水を売る代理店を募集しているのであるが、水を売ることよりも、投資で金を集めているのが実態のようである。

過去には、「スイスのジュネーブにある国連本部にて世界で初めての『国連認定証』を取得致しました」とか「飲料として世界で初めて、国連のロゴマークを商品ラベルにオンリーワンの証として使用許可を頂きました」などと会員に虚偽の告知を行い、景品表示法に基づく消費者庁の措置命令を受けたことがある会社である。

会社というより「石山久男」という個人の「喋りのブランド力」で会社を大きくしたと言った方が、説明には相応しいかもしれない。金融商品取引法違反で社長が逮捕され、上場廃止から倒産に至った石山ゲートウェイの筆頭株主になった際は、投資をしていた山本幸三代議士と共に何かと話題になった人物だ。

ところでバナHはマルチ商法が得意のようである。弊紙には、夢のような話を信じ、老後の為の大切な貯蓄を投じてしまったけど大丈夫でしょうか? という相談が寄せられている。石山氏は「水で走る車」を作っているというような宣伝をしているそうだ。

バナHのグループ企業は、海外の企業を含めると、エネコホールディングス、エネコインベストメント、沁(みずごころ)、エネコ・リフレッシュ・リミテッド(オーストラリア上場)、エネコ・エナジーリミテッド(シンガポール上場)など幾つかあるようだ。

この内、石山氏の娘婿である山本泰弘氏が社長の座を譲り受けたエネコインベストメントが本格的に、水を使ったエネルギー開発を研究しているようだ。山本氏は確かに技術研究者であるようだ。温室効果ガス(二酸化炭素)を五〇%以上削減し、大幅なコスト削減を可能にした先端技術の開発に取り組んでいるという。

それはそれで素晴しい。昨今、世界経済の発展に伴い温室効果ガスの排出量が増加し、地球温暖化が進行するなど、環境破壊が及ぼす生態系への懸念が非常に深刻化しているからだ。新たな燃料開発としてワールドビジネスサテライト(TV東京)でも取り上げられたというから伊達ではないだろう。


バナH広告塔は石山氏の娘Mino(左)

バナH・第一生産工場


胡散臭い話

ところが、それに乗じてバナHの石山氏が、代理店を募集して金を集めているから胡散臭いのである。バナHの講演で話を聞いたという相談者によると、130万円を払って代理店になるらしいのだが、代理店になれば、エネコインベストメント(山本泰弘社長)が上場した時に、100株を受け取る権利が付くと言われたそうである。初値で1株500万円に成ることを想定しているそうだから、100株だと5億円という計算になる。あくまでもこれは石山氏の説明である。更に代理店を3人紹介すると、500株貰える権利が付くそうで、これだと25億円になる。あくまでもこれは石山氏の説明である。じゃあ十六人以上紹介すると、10万株を受け取る権利があって、5千億円になるのかな? 夢を買うのは勝手だが、それで家庭崩壊したという話も出ているらしい。1株買ったという相談者はよくよく考えてみると「本当でしょうか?」と不安になって、弊紙に訪ねて来たわけだ。一種のギャンブルだと思って、遊び心で参加するのは個人の勝手である。だが「そんなウマイ話があるわけない」というのが弊紙の見解である。

近頃の講演では、「北欧には初値が『1億円』を超える値が付いた会社もある。それを超えることを目標にしている」という説明もあったらしい。すると100株だと100億円かい? と問いたいところだが、講演会場では一切の質問を受け付けず、煙に巻いて出て行くのだそうだ。

初めは夢を見ていた相談者も、今では「夢が半分、嘘が半分」から、「夢が三分、嘘が七分」に変わって来たそうだ。四万人の会員(代理店)がいるというから、現在500億円が集まった計算になる。代理店の方の夢を壊して申し訳ないが、水からエネルギーを作る開発は色んな所で進んではいる。実現間近の会社もあるかも知れない。

しかし、その株を受け取る権利を売ることで水販売の代理店で金を集めるのはおかしいでしょう。それにこの話は、十年も前からあったようで、「来年は上場する」とか「来年は外国で上場する」と言いながら金を集めて、未だに上場していないのである。

「G7伊勢志摩サミット2016」の公認ブックで安倍首相が大きく掲載されたページの隣に掲載されていることを、代理店の説明会などで巧みにPRしていたようだが、これらも大枚を払って掲載してもらった広告にすぎないだろう。

せっかくの開発も、どんなに良い取り組みも、世間の耳目を集めたことに心が躍り、不誠実な金集めに走れば、全てが無駄になりかねない。かつて廃プラスチックから液体燃料を生み出す技術を開発していた企業が、投資詐欺に変貌して消えて行った姿など、何度も似たような事例を見てきた。今回は、通常の投資詐欺と違って、配当を約束していないから、「配当が止まった」という騒ぎになっていないけど、皆さんの「ひょっとしたら?」の夢心を巧みに利用してるだけじゃない? 

やはり庶民には、夢を買うなら宝くじが一番だと思いますよ・・・つづく。


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