敬天新聞8月号 社主の独り言(中辛)

(敬天新聞 令和元年8月号 四面)



▼今回の参議院選挙は大まかに言えば与野党引き分けである。引き分けということは、自民党に打撃を与えることのできなかった野党の負けということになろう。

勝敗の差は韓国への対応の差であろう。国民の七割が今「嫌韓」と言ってる時に、政府の「対韓国輸出管理強化姿勢」を批判した野党と「正しい措置」と認めた自民党の差が、勝敗を決めたのではないか?

フランスは世界に先駆け、「宇宙司令部」を創設したそうだ。一見漫画チックだが、真剣である。米ロに対抗して、防衛を強化しているのである。それが世界の現実なのに、あっちにペこぺこ、こっちにぺこぺこしてる場合じゃない。

国民は安倍一強に飽きてるところは間違いなくある。自民党に人材がいないのも知っている。しかし、選挙という選択肢になれば自民党に入れるしか他に方法がないのである、と国民は思っている。

一番の理由は、野党に愛国心がないからである。政権与党を批判しても、対案を出せなくても、その主義主張に国を良くするという愛と信念があれば、それは愛国にも繋がり、国民は間違いなく支持するのである。 しかし、野党は訴える物が小さく部分的で、大局が見えていない。現在の世の中でも、国力が弱ければ外国から侵略される危険性は十分にある。上から押し付けられて、それに従わなければならない関係の外交も、実質的には半分侵略されてる外交に近い。

韓国や北朝鮮の話をすれば、過去の植民地時代の反省を直ぐ口にするが、それについては当時の国の代表同士で話し合い、賠償請求を放棄する確認をし、日本は支援金(補償金)を出した。その相手国である韓国がその約束を破り、国民が個々に日本国や企業を訴え、嫌がらせのような行為を繰り返している。

慰安婦問題でも一度も、二度も解決した筈なのに、大統領の人気が落ちてくると、その度に話題にする。故意に外に敵を作って、内を引き締める政治的手法で、昔から使われる手ではあるが、「まー、よくも飽きもせず同じ内容で」と感心する。一定の憎しみを持ってる者がいるのはわかるが、金儲けに利用している者がいるのも事実である。

日本人は物言わぬ国民と言われているが、アンケートでは今嫌韓が七割と言われている。それなのに、政府の韓国への対応を巡って、野党は批判している。これでは国民の支持は得られまい。

アメリカのような移民多国籍国家で「生まれはどちら? 自国へ帰ったら?」と言えば、多民族国家故、国は崩壊するだろう。だが日本は幸いに、殆どが日本人である。他国から来てる人を差別したりする必要はないが、日本の国では日本の法律を守って貰うのは当然である。

また外交において、日本国に、日本国民に有利な外交をするのは当然で、敵対する国に対しては毅然とした対応をするのが当然である。フランスなど東京都と同じぐらいの経済力しかないのに、外国に対して一歩も引かない強い外交力を持ってるし、国家の歌詞の勇ましさも革命を繰り返してきた誇りからきているのであろう。

日本は大東亜戦争で負けたトラウマを今も引きずっているのか、未だに世界に対して物申せない状況が続いているようである。日本にアジアのリーダーになってもらいたいと願う国々も多い。もうそろそろ、自虐から脱却すべきであろう。



▼国連安保理が複数回、「日本は制裁対象品や軍事転用可能な品目を北朝鮮に輸出している」と注意していたそうである。 初めて知った。なぜ日本政府はこのような大事なことを国民に知らせなかったのか? 北朝鮮は日本人を拉致して、未だに返そうとしない、日本から見たら一番の敵国である。

そのような国に何故、国連安保理事会で決まった決議事項を破るような国民が居ることを許すのか? 厳しく罰すべきだろう。

恐らく日本人というより、朝鮮総連に関係する者であろうが、日本国から輸出され、それが北朝鮮の軍事や政権を支える利益になるのであれば、断じて許されるものではない。

なんで政府はそのことを発表し、厳しく罰しないのだ。国の信用に関わる事態ではないか? 北朝鮮を支える立場からそういうことをするのか?ただの金儲けの為にするのかは知らぬが、国益に反する行為であるわけだから、通常の罰則より、より厳しく罰すべきなのである。

そういう法律がないなら、それこそ創るべきではないか。業者は「まさか北朝鮮に輸出されるとは知らなかった」と言い訳をしてるようだが、国が介入して調べれば、その是非は直ぐにわかることである。

四ヵ国だか五ヵ国だかを経由し、北朝鮮に最高級外車や、軍事兵器やミサイルに転用できるような部品を輸出してたらしい。直接じゃないから、わかりづらいかもしれないが、徹底的に捜査し全容を調べ、国民にその手口を報告すべきである。そして「一罰百回」の見せしめにすべきである。

日本は犯罪者に甘すぎる。特に詐欺に対しての罰則が甘い。150億も集めたと言われたテキシアジャパンHDでは、主犯の男だけを詐欺罪で起訴し、一緒に大儲けした幹部連中は、全員「出資法違反」での起訴である。みな執行猶予(実刑ではあるが実際に刑務所に行かない刑のこと)は間違いなかろう。

同じように、商材は色々であるが、要は「騙して金を集めてる」集団が幾つも跋扈している。そのような者に、自信と勇気を与えただけである。オレオレ詐欺や特殊詐欺は、日本が原産地として、今アジアから世界の若者に流行つつある。世界中に蔓延したら、何と詫びるのか? これは国として喫緊の課題である。

昔は額に汗して働くのが男の仕事だった。今はITとか言われる、「労力より頭脳」という時代になった。

詐欺は口先だけの世界である。昔の日本人は無口で実直な人が貴しとされた。今は芸人に代表されるように軽薄な者が日本を動かしている。だから甘利明のように政権与党の重職に就いてる者さえ、軽薄な物まねが受けると勘違いしてしまうのである。一億総軽薄時代である。軽薄だから詐欺の罪深さを理解しないのである。

戦後、アメリカを真似て経済大国になったのはいいが、犯罪国家でもあったアメリカの負の部分まで、輸入してしまったのである。

恥は万死に値するというのが、日本人すべてが持つ誇りだったのであるが、今は恥じる辛さよりも金が重要と思う時代になってしまったのである。





▼親から独立できない子供とか、子供から独立できない親だとかが、今日本では問題になっている。昔から多くあったのか、今増えたのかはわからないが、生活の豊かさが作りあげてる矛盾という感じは大いにあるような気がする。過保護である。

子供は成長期にあって、「反抗期」と言うのがあるらしい。「らしい」と書いたのは、私は経験がないからである。私の兄弟も、そういう人はいなかったような気がする。親が一生懸命働く姿を見ていると、申し訳なくて親に反抗する気持ちなんて生まれなかった。親に感謝こそすれ、反抗なんてとんでもないと思っていた。早く大人になって、家計を助けてあげたいと、昔の子供は思っていたように思う。

今でも発展途上国の貧しい国の子供は、下の子供の面倒見ながら、そういう発言をする子が多い。親と子供といつまでも一緒に住んでいると、子供が大人になっていく過程が見えないので、いつまでも子供と認識してしまうようである。

親も子供が成人式を終えたら独立を促し、別居をすべきである。子供の成長期には、子供は親に見られたくないもの、親は見たくないものが生じる。その決別をしないから、踏ん切りが着かないのである。

最近やっと、動物が子離れを促す時、子供に対して「非常な行動をとる」理由を理解できるようになった。毎日餌を運んでいたある日、突然餌をあげなくなる。無理やり独立を促すのである。

一人前の大人に成長するものもいるが、生活力が無くて命を落とすものもいる。しかし、世の中を独りで生きていける逞しさを、成長期に教えなければ、親だっていつまでも面倒は見きれないのである。

誰が教えたわけでもないが、自然とそういう態度を取る。親としては辛かろうが、それが自然の掟なのである。

子供が可愛いからと、ずっとそばに置いておくのは、親のエゴである。若いうちに子供が独立できるように、時には冷たく、時には暖かく、見守るのが親の本来の役目であると思う。

いくら財産を残したところで、社会に順応して生きて行く力が備わっていなければ、いずれ親は子育ての失敗に気付くだろうが、その時ではどうにも力になれないのである。自分が先に死ぬわけだから、それをしっかり認識すべきである。

たとえば子供が可愛いからと、四十歳ぐらいまで子供と一緒に住む親もいるが、男だったら働き盛りの学ぶべきポジションが身についてないし、女だったら子供を産む時期を逃してしまうだろう。やはり逞しく強い大人に育てるためには、一見薄情に見えても、子供を谷から突き落とす獅子のような親心も必要なのである。

一年が、若い頃の一か月ぐらいの速さで進んでいく歳になって、初めて見えて来る人生もある。愚痴を言い、能書きを言ってるうちに、人生なんて終わってしまうのである。

時代も令和に変わり、戦後七十四年目の夏である。ご先祖様に手を合わせ、生きてる喜び、生かされてる有難さを感謝し、お盆を迎えたいと思います。


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