再考・茨城県で議員が暗躍?不可解な特養老人ホーム開設

(敬天新聞 令和元年11月号 1面)


消えない憤り

昨年五月、弊紙は茨城県神栖町において、県が推し進める特養老人ホームの設立を巡り、不可解な事業者の選定が行われたことを報じた。候補として名乗りを上げたのは「まごころ会」と「梅寿会」の二業者で、選ばれたのは梅寿会である。

運営実績や経験等の審査を経ているというのだが、どう考えても理不尽で不公正な選定であると言わざるを得ない。そして現在、何もなかったように特養老人ホームは開設されている。といっても話そのものは十年前の事である。

しかし地元の方から、ある有力議員と暴力団が暗躍した結果であるという風聞があることから、このような不条理を見過ごしてはならないという憤りの声が、改めて弊紙に寄せられているので、再び問題提起することにした。

選ばれた梅寿会が申し込んだ時の母体は、地元ではない那珂市瓜連の「さいせい幼稚園」であった。対して敗者まごころ会は地元の業者である。また「さいせい幼稚園」は、申し込みをした時点では認可されていなかった。それなのに申請人の楠見和人氏は「学校法人さいせい学園理事・副園長」という名刺(資料@)を出している。

後に認可を得たそうではあるが、申請時には使えない肩書の筈である。認可が得られることに確証を得ていた点も不可解だが、本来はこの時点で虚偽申請と見做され失格である。

建設予定地についても、「まごころ会」の土地が三三〇〇坪の自社所有地であるのに対して、「梅寿会」は「決まったら買う予定」という条件付きの一八〇〇坪である。しかも産廃ゴミの埋め立て跡地で、土地価格も二千万円が相場であるにも拘わらず、水戸信金が土地を担保に七千万円も貸している。金融機関が越境してまで金を貸すというのは余程のことではないのか。更に一年後には独立行政法人福祉医療機構が五億円も貸している。裏に相当な力が働いたものと思われる。まるで森友・加計学園問題の田舎版である。


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偏る評価点

資料Aの施設設備予定者選定評価表を見て頂きたい。審査項目の中に1事業者概要、2開設趣意書、3開設場所等、4資金計画、とあって全ての評点で「まごころ会」が負けている。

しかし、申請時の資産総額は、梅寿会が六二五万円に過ぎなかったのに対し、まごころ会は前年度の法人税納付額だけでも四九七〇万円だったそうである。どう考えても、まごころ会が有利な筈である。事業者概要にしても、資金計画にしても、本来なら断然まごころ会の点数が高くなければおかしい。

また、開設場所という点においても、まごころ会が自己所有地であるのに比べ、梅寿会はこの時点では売買予定地(資料B)なのである。

しかも、まごころ会の三三〇〇坪に対して、梅寿会は一八〇〇坪に過ぎない。約半分の敷地である。それなのに、適正な面積、事業所の立地状況、敷地の形状の全てで、梅寿会の評点が高い。一体全体どういう審査をしたのだろうか?

資料Aの「3‐B敷地の形状」の中に、わざわざ「自己所有」かどうかも入っているのにである。 これでは、最初から梅寿会ありきと疑われても当然であろう。

ここで噂されているのが、県議会議長を務めた実力者で、「小武平」だと言われている茨城県介護政治連盟会長の西條昌良議員の存在である。

因みに小武平とは、茨城県政の黒幕と言われた自民党県議団の重鎮山口武平氏の権力者ぶりを真似てる様な議員を揶揄した地元ならではの呼称。

現代ではあり得ないと思っていても、口利きあっせん、優越的地位の乱用、毒饅頭や菓子折りに小判なんて話は、今も昔も人の世の常。ボーっとしてると石が浮かんで木の葉が沈む世の中に成ってしまう。

そこに不条理がある限り、納得の行くまで再調査、追及を続けねばなるまい。

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