(株)ベガのゴミ問題解決の糸口は 富塚加奈子社長の良識と御英断

(敬天新聞 令和2年4月号 2面)


措置命令の是

化粧品や健康食品をマルチ商法で販売し急成長しているという株式会社 ベガ=VEGA(福岡市早良区)の子会社で産業廃棄物処理業をしていた株式会社 北斗が、産廃ゴミを鹿児島県志布志市の山中に不法廃棄していた問題で、鹿児島県から措置命令(行政処分・平成二十九年二月二十二日付)が出ているのに未だに撤去されていない。

そればかりか、この県が出した措置命令で処分対象と成っているベガの元会長であり北斗の取締役でもあった濱野隆一郎氏と、ベガの総務部長であり北斗の代表取締役であった薙野宇(なぎのたかし)氏が、「法務省行政不服審査」へ県の措置命令に対する不服を申立てていたことが分った。


福岡市内ホテルで開催のベガ恒例大会


これに対し、審査庁(本件担当は環境大臣)は厳正なる審査を行い、濱野氏らの不服に対し全面却下の判断を下したのである。

審査庁の却下理由は尤もな内容で、「たまたま北斗の取締役とされていただけで、運営や業務には全く関与していない」という極めて無責任な濱野隆一郎氏の言い分に対し、「取締役が会社の業務執行に関与せず、他の取締役等に会社業務を任せっきりにし、何らの業務執行状況の把握もせず、是正措置もとらないときは、そのこと自体が任務懈怠である」と断じたのである。

また、薙野宇氏も「形式的に代表取締役とされていた」とか「実質的には権限はなく名目的代表取締役であった」という言い分で、不法投棄は担当役員である原英司氏が全てを取り仕切り勝手にやったことであると反論していたが、この主張に対しても「担当役員がゴミを自分一人で廃棄したとするには無理がある。代表取締役が名目的就任であったとしても、業務執行に何ら注意を払わなかったのは、重大な過失によりその任務を怠ったというべきである」と、一蹴したのである。



つまり鹿児島県の措置命令は正当であるということだ。両名の言い分は、いくら不服の申立とはいえ、何が何でも担当役員であった原英司氏だけに責任を被せたいという悪意丸出しで、経営陣としての責任感や反省が微塵も感じられない。

また、不法投棄したゴミが主に廃石膏ボードであることから、鹿児島県が措置命令を行った理由について「本件不法投棄をしたことから、硫化水素発生のおそれ及び廃石膏ボードの飛散・流出のおそれにより、生活環境の保全上支障が生じる」と断じ、重大な環境汚染に繋がるおそれを警告しているのに、不服を申し立てた両名は、投棄した場所が「山奥の谷で付近に人家がない」とか「しっかりと埋められている」から大丈夫だと反論しているから呆れ返る。

昨今、世界規模で地球温暖化や天変地異がみられ、環境汚染問題に警鐘を鳴らす声が高まりを見せているのに、何て自分勝手な解釈をしているのだろうか。

これについても審査庁は現場周辺に民家が存在していることや鹿児島県が調査して硫化水素が発生していると認定していることを支持し、両名の言い分を一蹴した。

北斗の親会社であるベガは、化粧品や健康食品の販売に加え、近頃では太陽光発電といった環境事業にも力を入れているというが、もしも現在の経営陣が、この程度の認識でいるならば、環境事業を行うべきではないだろう。


社長の英断

これまで何度も報じてきた通り、北斗の担当役員であった原英司氏は、北斗が受入れていた産廃の一部を、濱野氏や薙野氏の承知の下、鹿児島県志布志市の山中に埋めていたと弊紙に証言している。そして不法投棄が発覚した際、濱野氏から「一人で背負ってくれ。後のことは心配するな。一生面倒見るから」などと説得され、その言葉を信じて全ての責任を背負い逮捕され、濱野氏に責任が及ぶことを阻んだと証言しているのである。

ところが、保釈中の期間までは優しかった濱野氏だったが、判決が決定した途端、掌を返して連絡を絶ち、現在はトカゲの尻尾きりで問題に蓋をしようとしているというのだ。

そのような強い思いが、前述した不服申立ての言い分に、如実に表れてしまっているのではないか。

現在、(株)ベガでは創設者である濱野隆一郎氏は要職を退き、娘の富塚加奈子氏が代表取締役の立場にあるという。そうであるなら、この問題は濱野氏より富塚加奈子氏が、社長として対処しなければならない問題なのかもしれない。

確かに、当時のことは現社長の富塚加奈子氏は知らなかったことかもしれない。しかし代表取締役を引き受けるということは、プラスの財産を引き継ぐだけではなく、マイナスの財産も引き継ぐことに他ならない。富塚加奈子氏は子会社であった北斗が、鹿児島県の志布志市山中に産廃ゴミを捨てた当時は何も知らなかったかもしれないが、担当役員の原氏が逮捕されてからは、その事実を知っていた筈である。そうであるならば、この問題を解決するのは現代表である富塚加奈子社長の判断ということになろう。

県の行政処分に反論した結果、更に国の判断が下されて、濱野氏と薙野氏の行為は藪蛇と成ったようだけど、理に適った国の判断にこれ以上逆らっても勝算はないだろう。それでも、勢いがある時と言うのは、周りにヨイショやゴマすりばかりが集まって来るから、現実が見えなくなってしまうのかもしれない。そうなると、いくら正論を言ってあげても、ただの批判としか受け取れなくなる。そういう裸の王様の時って、何を言っても聴く耳は持たなくなるものだ。



ただ、この山中に約800トンのゴミが投棄されているという事は誤魔化せないし、逃げ切れる問題ではないだろう。行政や国が本気で怒る前に、自主的に回収した方が、ベガに取っても絶対にプラスに働くと思うけど、いかがでしょうか。果たして、富塚加奈子社長が良識を持ち合わせ、自ら英断を下すことはあるのだろうか。


(↑クリックで詳細を表示)


敬天ブログ敬天新聞社ホームページ敬天千里眼不正疑惑(評判・噂)告発